how about
以下では、「how about」をできるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “How about …?”
- 日本語: 「…はどう?」「…したらどう?」
「how about」は、人に提案や意見を求めるときに使う定型表現です。カジュアルな会話でよく使われ、「何か提案をしたいとき」「相手の考えや好みを尋ねたいとき」に使われます。
品詞: 慣用表現(フレーズ)
※「how」は副詞、「about」は前置詞や副詞になりますが、セットで「提案や意見を求める表現」として扱われます。活用形:
フレーズとしての「how about」は変化しません。動詞のような活用や単語の品詞転換は基本的にありません。他の品詞例:
- how (疑問副詞):「どうやって」「どのように」
- about (前置詞):「〜について」
それぞれ単独で使う場合は上記の意味になります。セットで使用するときとは使い方が異なります。
- how (疑問副詞):「どうやって」「どのように」
CEFRレベルの目安: A2(初級)
A2: 「初級」レベルの学習者でも、日常会話で習う提案表現としてよく出てくる表現です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- how: 疑問副詞
- about: 前置詞・副詞
これら2つが結びついて、「(提案として)〜してはどう?」という意味を作り出します。単独の「how」と「about」からは察しづらい、慣用的な表現です。
他の単語との関連性
What about …?
も「…はどう?」という似た表現ですが、
- “How about…?”のほうが「提案」を意味するニュアンスが強い
- “What about…?”のほうが「問題点・懸念点はどうなる?」というニュアンスに寄ることが多い
- “How about…?”のほうが「提案」を意味するニュアンスが強い
よく使われるコロケーション(例と日本語訳)10選
- How about dinner?(夕食はどう?)
- How about going out tonight?(今夜出かけるのはどう?)
- How about we try a new restaurant?(新しいレストランを試してみるのはどう?)
- How about a movie?(映画はどう?)
- How about we meet at six?(6時に会うのはどう?)
- How about you?(あなたはどう?/あなたはどう思う?)
- How about taking a break?(休憩するのはどう?)
- How about some coffee?(コーヒーはいかが?)
- How about tomorrow?(明日はどう?)
- How about sharing the cost?(費用を分担するのはどう?)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「how」は古英語の “hū(どのように)” に由来し、疑問・状態を問う意味を持つ。
- 「about」は古英語の “abūtan” に由来し、「〜の周りに」「〜について」「およそ」などの意味を含む。
- それらが組み合わって「どういう状況に関してはどう考える?」という問いかけ・提案の形となり、現代では「提案の表現」として定着しています。
使用上のニュアンス・注意点
- 「how about」はカジュアルで口語的な提案表現です。
- ビジネスメールのようなフォーマルな場では、“Would you consider…?” や “Could we possibly…?” のようなもっと丁寧な表現を使うことが多いです。
- ただし社内の同僚同士など、砕けた場では「How about…?」を使っても問題ありません。
4. 文法的な特徴と構文
基本構文
- How about + [名詞 / 動名詞]
例: “How about pizza?” / “How about going for a walk?” - How about we + [主語 + 動詞]?
例: “How about we watch a movie tonight?”
- How about + [名詞 / 動名詞]
可算・不可算名詞などの区別は「How about」の語自体にはありませんが、続く名詞や動名詞の可算・不可算に注意が必要です。
口語表現として会話で頻繁に使われる一方、フォーマルな文章表現ではほとんど用いません。
5. 実例と例文
それぞれの場面で、ネイティブがよく使う自然な表現例を示します。
日常会話での例文(3つ)
- How about we grab a coffee after class?
(授業の後にコーヒーでもどう?) - I’m starving. How about burgers for lunch?
(お腹ぺこぺこだよ。お昼にハンバーガーはどう?) - It’s such a nice day. How about a walk in the park?
(すごくいい天気だね。公園を散歩するのはどう?)
ビジネスシーンでの例文(3つ)
- How about we schedule a quick meeting to discuss the details?
(詳細を話し合うために、短いミーティングを設定するのはどうですか?) - How about we finalize the budget proposal by Friday?
(金曜日までに予算案を最終決定するのはどうでしょう?) - How about discussing this during our weekly team call?
(これについて週次のチームコールで話し合うのはどうでしょう?)
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
※ フォーマルな文書では少し砕けた印象になりますが、プレゼンなど口頭での提案に近いシーンを想定しています。
- The data seems inconsistent. How about we review the methodology once more?
(データが不一致のようです。もう一度手法を見直すのはどうでしょう?) - Our results are promising. How about conducting a follow-up study next semester?
(結果は有望ですね。次の学期に追加調査を行うのはどうでしょうか?) - That theory is intriguing. How about we include a comparative analysis with previous studies?
(その理論は興味深いですね。過去の研究と比較分析を含めるのはどうでしょうか?)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- What about …?(…はどう?)
- 提案よりも、「抜け落ちている要素を指摘・確認」するニュアンスがやや強い。
- Why don’t we …?(…しない?)
- 「一緒にやる」イメージが強く、同様にカジュアルな提案表現。
- Would you like to …?(…しませんか?)
- ていねい度が高い丁寧表現。
- Shall we …?(…しましょうか?)
- ややフォーマルまたはかしこまったニュアンスがある 提案表現。
反意語
- 提案の反意語というより、「提案を断る表現」としては “I’d rather not.”(遠慮しておくよ) などがありますが、直接的な反意語は特にありません。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号):
/ˌhaʊ əˈbaʊt/
- 「ハウ(haʊ) アバウト(əˈbaʊt)」という音が連続します。
- 「ハウ(haʊ) アバウト(əˈbaʊt)」という音が連続します。
- アメリカ英語でもイギリス英語でも、基本的に同じように発音されます。
- アクセントは “a-BAOUT” の部分にやや強勢が置かれることが多いです。
- よくある間違い: “How ‘bout” と省略する時に「ハウ・バウト」くらいに早口になるため、はっきり言わない場合があります。聞き取り練習に慣れるとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
「about」を「abount」と間違えたり、「howabou」などとくっつけて書いてしまったりしやすい。 - 「What about…?」との混同:
ニュアンスは似ているが、提案か懸念点の提示かで少し意味合いが変わる。文脈に合わせて使い分けましょう。 - フォーマル度の誤り:
ビジネスイーメールや公式文書で「How about…?」はカジュアルすぎる場合があるので、語調に配慮する必要があります。 - TOEICや英検では、提案表現や会話表現を問う問題で頻出。どの程度カジュアルかを問う問題として出題される可能性あり。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「How about」は、「相手にボールを投げる」イメージを持つと覚えやすいです。
「どうかな?試してみる?」と相手に提案や意見を求める感覚。 - 音のリズムで覚える: “How a-bout…?” と4拍子で口ずさんでみるのも良いでしょう。
- 日常生活で「〜はどう?」と言いたい場面で繰り返し使ってみると、自然と定着しやすくなります。
以上が「how about」の詳細な解説です。日常会話・ビジネス・学術的なプレゼンでも柔軟に使いやすい表現なので、ぜひ活用してみてください。
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