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in theory
解説
1. 基本情報と概要
英語表現: in theory
品詞: 副詞句(慣用表現)
日本語の意味: 「理論上は」「建前としては」「頭の中の考えとしては」
「in theory」は、物事が理論上ではこうなるはずだという意味を表す表現です。実際に行動したり実践したりした場合には、異なる結果になる可能性があることを示唆するときによく使われます。会話や文章で「いちおう理論上はそうなんだけど、実際はちょっと違うかもしれないね」というニュアンスを伝えたいときに使われます。
活用形
- 「in theory」はフレーズのため、動詞のような活用形はありません。
- 類似の形として、形容詞の “theoretical(理論的な)”、副詞の “theoretically(理論的には)” があります。
他の品詞形
- 名詞: theory(理論)
- 形容詞: theoretical(理論的な)
- 副詞: theoretically(理論的には)
- 動詞: theorize(理論化する、仮説を立てる)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 日常会話では比較的よく登場するが、抽象的な思考や説明をする際など、中上級以上でよく使われる。
2. 語構成と詳細な意味
- in: 前置詞。「〜の中に」という基本的な意味がありますが、慣用的な表現として副詞句を構成します。
- theory: 「理論」。学問的・抽象的な枠組みや考え方を指します。
関連単語や派生語など
- theoretical: 形容詞。「理論的な」
- theoretically: 副詞。「理論的には」
- theorize: 動詞。「理論化する、仮説を立てる」
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- in theory and practice(理論と実践において)
- in theory, it should work(理論上はうまくいくはず)
- purely in theory(純粋に理論上)
- in theory, everything is simple(理論上はすべて簡単)
- according to theory(理論によれば)
- have a theory about...(〜についての理論・仮説を持っている)
- develop a theory(理論を発展させる)
- prove a theory(理論を証明する)
- disprove a theory(理論を反証する)
- a working theory(作業仮説、現時点での理論)
3. 語源とニュアンス
- 語源: “theory” はギリシャ語の “theoria”(観察・考察)に由来し、「眺める、考える」という意味を持ちます。
- 歴史的背景: 古代ギリシャの哲学の領域で「観照」や「観点」を表す語として使われていたものが、近代に「理論」という訳として確立されました。
- ニュアンス・使用上の注意: 「in theory」は、「実際はまだ分からないが、理論上そう考えられる」というニュアンスを持ちます。カジュアルな会話でもフォーマルな文章でも使われますが、特に「実際にやってみた場合とは異なる可能性がある」という含みや、多少の皮肉を込めて使われることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞句: 「in theory」は副詞句として文全体を修飾し、動詞や文における主張を補足する機能を持ちます。
- 使用シーン:
- フォーマル: 学術的、ビジネス文書で「理論上は〜である」と述べるとき。
- カジュアル: 日常会話でも「まあ理論上はね...」という形で使われます。
- フォーマル: 学術的、ビジネス文書で「理論上は〜である」と述べるとき。
- 可算・不可算: 「theory」は可算名詞ですが、一般的に抽象的な理論を指す場合は不可算的に扱われることもあります。ただし、複数形「theories」は特定の複数の理論を示すときに用いられます。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- In theory, we can finish all our chores today, but something always comes up.
(理論上は今日中に全部家事を終わらせられるはずだけど、いつも何か起こるんだよね。) - In theory, you should be able to fix your phone by restarting it.
(理論上は、再起動すれば携帯は直るはずだよ。) - In theory, you can bake this cake without eggs, but I’m not sure how it’ll taste.
(理論上は卵なしでこのケーキを焼けるはずだけど、美味しくなるかは分からない。)
ビジネスシーンでの例文
- In theory, our new marketing strategy will increase sales by 20%.
(理論上は、新しいマーケティング戦略で売上が20%上がるはずです。) - In theory, this software update should resolve the recurring bugs.
(理論上は、このソフトウェアのアップデートで繰り返し発生していたバグが解消されるはずです。) - In theory, outsourcing could reduce operating costs significantly.
(理論上は、アウトソーシングによって運営コストを大幅に削減できるでしょう。)
学術的な文脈での例文
- In theory, the hypothesis aligns with existing literature on climate change.
(理論上、その仮説は既存の気候変動に関する文献と一致しています。) - In theory, quantum mechanics allows for particles to be in multiple states simultaneously.
(理論上、量子力学では粒子が同時に複数の状態をとることが可能です。) - In theory, the proposed model can predict market fluctuations with high accuracy.
(理論上、その提案されたモデルは高い精度で市場の変動を予測できるはずです。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- theoretically(理論的には)
- 「in theory」とほぼ同じ意味ですが、副詞として文中に挿入しやすい形です。
- 「in theory」とほぼ同じ意味ですが、副詞として文中に挿入しやすい形です。
- on paper(理論上は、書面上は)
- 「書類や理屈の上ではうまくいくけれど」というニュアンスです。ややカジュアル。
- 「書類や理屈の上ではうまくいくけれど」というニュアンスです。ややカジュアル。
- supposedly(おそらく、推定上は)
- 「そう言われているけれど確証がない」というニュアンスが強いです。
反意語
- in practice(実際には)
- 「理論と違って実際にはこうだ」という対比を示す代表的な表現です。
- 「理論と違って実際にはこうだ」という対比を示す代表的な表現です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号:
- アメリカ英語: /ɪn ˈθɪəri/ または /ɪn ˈθiː.ə.ri/
- イギリス英語: /ɪn ˈθɪə.ri/
- アメリカ英語: /ɪn ˈθɪəri/ または /ɪn ˈθiː.ə.ri/
- 強勢(アクセント)の位置: “theory” の第一音節 “thee” (θɪə / θiː) に強勢がきます。
- よくある発音の間違い: 「theory」を「セオリー」と日本語っぽく読むと伝わりにくいです。/θ/ の音に注意して、舌を前歯の間に軽く出して発音するのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「theory」を “theary” や “theofy” と間違えるケースがあるので要注意。
- 同音異義語との混同: 特に英語には “thee” (古英語的「あなた」)など古い表現があるが、現代ではほぼ混同しないでしょう。
- 試験対策: TOEICやIELTS、英検などでは、理論と実践の違いを問う問題や、レポートでよく使われる表現として出題される可能性があります。「in practice」との対比を問われることもあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 暗記のコツ: 「理論(in theory)」と「実践(in practice)」をセットで覚えると使い分けがしやすくなります。
- ストーリーでイメージ: 「引き出しの中で考える(in theory)」と「引き出しを開けて使う(in practice)」というイメージを思い浮かべると記憶に結びつきやすいです。
まとめると、「in theory」は「理論的には、建前としては」という意味を持つ便利なフレーズであり、日常会話からビジネスシーン、学術的文脈まで幅広く活用されます。理論と実際の差異を強調したいときにぜひ使ってみてください。
意味のイメージ

意味(1)
理論的には, 理論上は, 理屈の上では