元となった辞書の項目
bankrupt
解説
1. 基本情報と概要
単語: bankrupt
品詞: 形容詞 (※名詞や動詞としても用いられることがあります)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
意味(英語 & 日本語)
- 英語: “bankrupt” means having no money left and being legally declared unable to pay debts.
- 日本語: 「破産した」「経済的に行き詰まった」という意味です。
- 例えば、ビジネスで借金の返済が滞ったり、法的手続きによって破産状態になったりした人や企業を説明するときに使われます。ちょっとフォーマルな響きがありますが、一般的によく使われる表現です。
活用形
- 形容詞: bankrupt (例: He is bankrupt.)
- 名詞: a bankrupt (例: He is a bankrupt. / 彼は破産者です。)
- 動詞: to bankrupt (例: The crisis bankrupted the company. / その危機がその会社を破産させた。)
他の品詞形
- bankruptcy (名詞): 破産(状態)
- 例: file for bankruptcy(破産を申請する)
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語など
- bank: 元々は「銀行」や「土手」「段」「ベンチ」などを指す語。
- rupt: ラテン語 “rumpere” = 「壊す」に由来するとされ、interrupt, erupt, corrupt, disrupt などにも共通する「破壊・破断」のニュアンスを含んでいます。
“bankrupt” は、イタリア語の “banca rotta”(壊れたベンチ)に遡るとされ、「経済的に壊れた(崩壊した)」というイメージから、破産を表すようになりました。
派生語や類縁語
- bankruptcy (名詞): 破産
- bankruptable (形容詞): 破産しうる(あまり一般的ではない)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- declare oneself bankrupt(破産申請する)
- go bankrupt(破産する)
- file for bankruptcy(破産申請を行う)
- be on the verge of bankruptcy(破産寸前である)
- force someone into bankruptcy(誰かを破産に追い込む)
- financially bankrupt(経済的に破綻した)
- morally bankrupt(道徳的に破綻した)
- bankrupt business(破産した事業)
- bankrupt estate(破産財産)
- completely bankrupt(完全に破産した)
3. 語源とニュアンス
語源
- イタリア語 “banca rotta” (banca = 「ベンチ」、rotta = 「壊れた」)が語源です。昔、両替商が使っていたベンチが壊されることが「商売が継続不能になる」ことを象徴し、そこから「支払い不能」「破産」という意味が発展しました。
ニュアンス・使用時の注意点
- “bankrupt” は法的・経済的な破産だけでなく、比喩的に「道徳的に破綻している」といった意味でも使われます(例: morally bankrupt)。
- 口語・文章どちらでも使われますが、ややフォーマル寄りで、ビジネスなどでは正式な場面でもよく使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として用いる場合: “He is bankrupt.”(彼は破産している)
- 名詞(可算名詞)で使う場合: “He is a bankrupt.”(彼は破産者である)
- 動詞(他動詞)で使う場合: “The lawsuit bankrupted him.”(その訴訟で彼は破産した/破産に追い込まれた)
他動詞・自動詞の使い分け
- “to bankrupt” は基本的に他動詞です。
- 例: “The crisis bankrupted many small businesses.”(その危機が多くの中小企業を破産させた)
- 例: “The crisis bankrupted many small businesses.”(その危機が多くの中小企業を破産させた)
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I heard that he went bankrupt last year.”
- 昨年、彼は破産したって聞いたよ。
- 昨年、彼は破産したって聞いたよ。
- “She’s worried she’ll end up bankrupt if she can’t pay off her loans.”
- もしローンが返済できなかったら破産しちゃうかもって心配してるよ。
- もしローンが返済できなかったら破産しちゃうかもって心配してるよ。
- “They’re practically bankrupt with all those credit card bills.”
- たくさんのクレジットカードの請求で、ほとんど破産状態らしいね。
ビジネスでの例文
- “The company declared itself bankrupt after failing to secure new investors.”
- 新たな投資家を確保できず、その会社は破産を宣言しました。
- 新たな投資家を確保できず、その会社は破産を宣言しました。
- “If we don’t cut costs, we could be bankrupt by the end of the year.”
- コスト削減をしなければ、年末までに破産する可能性があります。
- コスト削減をしなければ、年末までに破産する可能性があります。
- “We need a lawyer to handle the bankruptcy proceedings.”
- 破産手続きを扱うために弁護士が必要です。
学術的・フォーマルな文脈の例文
- “His analysis suggests that the banking crisis nearly bankrupted the entire industry.”
- 彼の分析によると、その銀行危機はほとんど業界全体を破産状態に追いやった可能性がある。
- 彼の分析によると、その銀行危機はほとんど業界全体を破産状態に追いやった可能性がある。
- “Historically, wars have often bankrupted nations.”
- 歴史的に見て、戦争はしばしば国家を破産に導いてきた。
- 歴史的に見て、戦争はしばしば国家を破産に導いてきた。
- “The study concludes that inadequate financial regulation can render institutions bankrupt.”
- その研究は、不十分な金融規制が機関を破産状態にさせる可能性があると結論づけています。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- insolvent(支払い不能の)
- “bankrupt” とほぼ同じで、特に払うべきお金がない状態を指します。より正式な響きが強いです。
- “bankrupt” とほぼ同じで、特に払うべきお金がない状態を指します。より正式な響きが強いです。
- financially ruined(財政的に破滅した)
- 破産状態を強調する場合に用いられ、フォーマル・インフォーマル双方で使えます。
- 破産状態を強調する場合に用いられ、フォーマル・インフォーマル双方で使えます。
- in debt(借金を抱えている)
- 破産までいかなくても「借金まみれ」のニュアンス。
反意語
- solvent(支払い能力がある)
- 経済的に支払い能力がある状態。
- 経済的に支払い能力がある状態。
- financially stable(経済的に安定している)
- 破産とは対照的に、お金の面で安定しているさま。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ˈbæŋkrʌpt/
- アクセントは bæŋ の部分に強勢があります (“BANG”-krupt)。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きな発音の違いはありませんが、イギリス英語のほうが「æ」の母音がやや強調され、アメリカ英語だとやや「ベァ」のように聞こえることがあります。
- よくある発音ミス: “bankr*upt” の “u” を “a” と混同して “bankra*pt” と言ってしまうなど。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bankrapt” や “bankr*up*ted” と誤綴りをすることがあります。
- 同音異義語との混同: 特に同音異義語はありませんが、意味の近い “insolvent” や “in debt” と使い分けに注意しましょう。
- 試験対策: TOEICのビジネス文脈や英検の長文中で、会社や個人が財務状態を示す場合に出ることがあります。破産法や金融危機などを扱う文章にも登場します。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “bankrupt” は “bank” と “rupt(壊す)” が合わさった言葉で、「お金を扱う“ベンチ(bank)”が壊れてしまった」イメージです。
- 同じ “rupt” を含む “erupt(噴火する)” や “interrupt(邪魔する)” などとセットで覚えると、「何かが壊れて噴き出す・割り込む・破産状態になる」という連想が働き、記憶しやすくなります。
- スペルを覚えるときは “bank” + “rupt” に分けて考えるのがおすすめです。
以上が、形容詞 “bankrupt” の詳細な解説です。ビジネス関連の記事やニュースを読むときによく見かける単語ですので、破産の概念や使い方をしっかり押さえておくと役立つでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
《補語にのみ用いて》(…を)欠いて,(…に)欠ける《+of(in)+名》
意味(2)
破産した