元となった辞書の項目
therefore
解説
1. 基本情報と概要
単語: therefore
品詞: 副詞 (adverb)
英語での意味: “For that reason; as a result”
日本語での意味: 「それゆえに」「従って」「だから」
「ある理由や根拠があって、その結果として何かを導き出す時に使われる単語です。話や文章の流れの中で、“結論”を示すときによく使われます。」
活用形
副詞なので、時制による活用変化はありません。ただし、文脈によって文頭や文中に置かれます。
他の品詞形
- “Therefore” はもともと副詞のみとして使われるのが一般的で、他の品詞(名詞・形容詞・動詞)への変形はありません。
CEFR レベルの目安
- B2(中上級):文章やスピーチで論理的な繋がりを形成するためによく使う未来志向の単語。
(A1やA2レベルでは出にくいが、文章を構成する上で必須のつなぎ言葉として、B1を超えると積極的に使い始めるようになります。)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- there + fore
- there (「そこに」「そこで」などを示す副詞)
- fore は古英語で「前」を示す要素
- もともと「ある事柄が前提としてあって、それを受けて」というニュアンスです。
- there (「そこに」「そこで」などを示す副詞)
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- “Therefore, we conclude …”
(「したがって、私たちは…と結論づけます」) - “It is expensive; therefore, it might not be popular.”
(「それは高い。だから、人気はないかもしれない。」) - “He forgot his ID; therefore, he couldn’t enter.”
(「彼はIDを忘れた。だから中に入れなかった。」) - “They are on holiday; therefore, the office is closed.”
(「彼らは休暇中。だからオフィスは閉まっている。」) - “We must reduce costs; therefore, we are looking for new suppliers.”
(「コストを削減しなければいけない。だから、新しい仕入れ先を探しています。」) - “We have verified the data; therefore, we trust these results.”
(「データを検証した。だから、この結果を信頼しています。」) - “He was late for the meeting; therefore, his proposal was delayed.”
(「彼は会議に遅れた。だから、提案が遅れることになった。」) - “The road is blocked; therefore, we must take a detour.”
(「道路が封鎖されている。だから、回り道をしなければならない。」) - “The weather is bad; therefore, the flight is canceled.”
(「天候が悪い。だから、便はキャンセルされた。」) - “She trained hard; therefore, she won the race.”
(「彼女はハードに練習した。だからレースに勝った。」)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語(Middle English)の “therefore” は “there + for(e)” から来ており、「それに対して/それに向けて」というもともとの構造が基になっています。
- 意味は歴史的にも常に「それゆえに」「従って」という結論・結果の意味を表すのに使われてきました。
ニュアンスや使用時の注意点
- 結論を述べるための副詞
- 文章語的で、フォーマルでもカジュアルでも使えますが、特に論理的な文章・スピーチで頻出。
- 日常会話では「so」の方がカジュアルでよく使われますが、改まった言い方として「therefore」を選ぶと理路整然とした印象を与えます。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞なので、文頭で使われることが多いですが、コンマをつけて文中や文末に置くこともできます。
- 例: “I was tired; therefore, I went to bed early.” のように、セミコロン(;)と一緒に使うことで前後の文を論理的につないだりします。
- フォーマル/学術的な文章やプレゼンなどで好まれます。
- 口語では “so” や “that’s why” に置き換えられることが多いです。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “I haven’t had breakfast; therefore, I’m starving now.”
(「朝食を食べていないから、今すごくお腹が空いてる。」) - “He forgot to set his alarm; therefore, he overslept.”
(「彼はアラームをセットし忘れたから、寝坊したんだよ。」) - “We spent all our money; therefore, we couldn’t go shopping anymore.”
(「お金を全部使ってしまったから、もう買い物には行けなかったんだ。」)
ビジネス (ややフォーマル)
- “The client rejected our offer; therefore, we must revise the proposal.”
(「顧客が我々の提案を断ったので、内容を修正しなければなりません。」) - “We exceeded our target; therefore, bonuses will be higher this quarter.”
(「目標を超過しました。したがって、今期のボーナスは高くなります。」) - “Sales have declined; therefore, we need a new marketing strategy.”
(「売り上げが落ちています。よって、新しいマーケティング戦略が必要です。」)
学術的・フォーマル
- “The hypothesis was not supported by the data; therefore, it must be revised.”
(「仮説はデータに裏付けされなかった。したがって、それを修正しなければならない。」) - “The sample size was limited; therefore, further studies are required.”
(「サンプル数が限られていた。従って、さらなる研究が必要です。」) - “Several variables remained uncontrolled; therefore, we cannot draw a firm conclusion.”
(「いくつかの変数は制御されていなかった。よって、確固たる結論を導くことはできない。」)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- so(だから)
- カジュアルな会話で頻用。
- 例: “It’s raining, so let’s stay inside.”
- カジュアルな会話で頻用。
- thus(ゆえに、そのようにして)
- “therefore” よりもやや文語的・形式的。
- 例: “He miscalculated; thus, the final result was erroneous.”
- “therefore” よりもやや文語的・形式的。
- hence(それゆえ)
- 非常にフォーマル、学術的文章でよく見られる。
- 例: “The project was underfunded; hence, it did not achieve its goals.”
- 非常にフォーマル、学術的文章でよく見られる。
- consequently(結果として)
- 結果や帰結を強調。
- 例: “He missed the deadline; consequently, he faced a penalty.”
- 結果や帰結を強調。
反意語
- 結論や結果を否定する副詞としての「反意語」とはやや違いますが、「それにもかかわらず」のニュアンスを持つ副詞としては “however” や “nevertheless” などがあります。
- 例: “He was tired; however, he finished the report.” (「彼は疲れていた。しかしながら、レポートを終えた。」)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号: /ˈðeərfɔːr/ (米: /ˈðɛrfɔːr/)
- アクセント位置: 最初の “there” の部分に強勢があります。
- イギリス英語だと “fɔː” の音が伸び、アメリカ英語だと “fɔːr” や “fɔr” のように “r” が強く発音される傾向があります。
- よくある間違いは “there for” という 2 語表記との混合です。英語では “therefore” で 1 語です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “therefor” と綴ってしまうミス。(稀に “therefor” という別の法律用語もありますが、目的語を指して「それのために」という意味になります。一般的には使われません。)
- “there for” との混乱: “I’m there for you.” のように、「私はあなたを支えるためにここにいる」というまったく別の意味になるので注意。
- TOEIC・英検など: 論理展開を問う問題や文章読解問題で頻出単語。文章のつなぎ目を読み取る指標にもなる重要ワードです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: “Therefore” は “結果を指し示す大きな矢印” みたいなイメージ。『理由 → 結論』の流れを矢印でつないでいるようです。
- “therefore = there + for” と分解して、「(結論が)そこにある(から)」「その目的(ために)」というイメージを持つと覚えやすいでしょう。
- 短い接続副詞なので、何度も使って慣れるのがコツ。「だから」と言いたい場面で繰り返し使ってみると記憶に定着します。
以上が、副詞 “therefore” の詳細な解説です。論理的に話を進める際に非常に重宝する単語ですので、ぜひ繰り返し使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
それゆえ,それで;その結果