cabinet

以下では、名詞 “cabinet” を様々な観点から詳しく解説します。

1. 基本情報と概要

英語: cabinet

日本語: キャビネット（収納棚 / 内閣）

品詞: 名詞 (countable noun)

CEFR レベルの目安: B1（中級）

• “cabinet” には「家具としての収納棚」という意味と、「政府の主要閣僚をまとめる内閣」という意味があります。英語学習者にとってはやや抽象的な政治用語としても使われるため、少しレベルが上がる印象です。

意味1: 家具としての「キャビネット」

• 食器や書類などを収納する棚・家具のことを指します。
  


• 「本や食器などを整理して置くための収納棚」のニュアンスです。

意味2: 政治の場での「内閣」

• 大統領や首相、そしてその配下の主要閣僚をまとめるグループとして「内閣」を指します。
  


• 政治のニュースなどで「the Cabinet met today（今日内閣が会合を開いた）」などの用例があります。

活用形: 一般的な可算名詞なので、

• 単数形: cabinet
  


• 複数形: cabinets
  

他の品詞:

• “cabinet” は派生形としては形容詞形 “cabinet-level” （閣僚級の）などがありますが、動詞としての形はありません。

2. 語構成と詳細な意味

• “cabinet” は基本的に接頭語や接尾語がついているわけではありませんが、語根としては “cabin” から派生した（小さな部屋や収納といった意味に関連）ともいわれます。
  


• 家具としての意味・政治的な意味の両方を持つため、文脈で判断する必要があります。

関連語・派生語例

• “cabinetmaker” : 家具職人
  


• “cabinetmaking” : キャビネット製作

コロケーションや関連フレーズ（計10個）

1. “kitchen cabinet”
   
   
   
   • キッチンの収納棚
     
   
   


2. “filing cabinet”
   
   
   
   • 書類整理用のキャビネット
     
   
   


3. “medicine cabinet”
   
   
   
   • 薬棚
     
   
   


4. “cabinet door”
   
   
   
   • キャビネットの扉
     
   
   


5. “display cabinet”
   
   
   
   • 陳列用キャビネット
     
   
   


6. “cabinet reshuffle”
   
   
   
   • 内閣改造
     
   
   


7. “cabinet meeting”
   
   
   
   • 内閣会議
     
   
   


8. “war cabinet”
   
   
   
   • 戦時内閣
     
   
   


9. “cabinet-level position”
   
   
   
   • 閣僚級ポスト
     
   
   


10. “cabinet minister”
    
    
    
    • 閣僚
    
    

3. 語源とニュアンス

• “cabinet” の語源はフランス語や古期イタリア語に由来するとされ、「小さな部屋」「隠す場所」という意味合いから派生しています。
  


• 家具としての “cabinet” は小さな部屋や箱的なものを指すニュアンスがあり、そこから「収納場所」「棚」という意味になりました。
  


• 政治的な意味では、王や大統領が「自室」に自分の側近を招いて協議を行ったことから「cabinet」が「側近の集まり → 内閣」を意味するようになった経緯があります。

使用上の注意やニュアンス

• 家具の“cabinet”は日常会話でカジュアルに使われます。
  


• “cabinet”を「内閣」として使う場合は、ニュースや政治の場面などややフォーマルな文脈で使われます。

4. 文法的な特徴と構文

• 名詞 (可算名詞)
  
  
  
  • a cabinet / two cabinets のように複数形を取ることができます。
    
  
  


• 他動詞・自動詞などの動詞としての使い方はありませんが、“cabinetmaking” や “cabinet-level” など形容詞や動名詞の派生形が存在します。

一般的な構文例

1. “There is a cabinet in the corner of the room.”
   


2. “The Cabinet is discussing the bill.”

※ 家具としての “cabinet” は通常 “a cabinet” という形で使われ、内閣としての “Cabinet” は固有名詞的に扱われ、大文字表記されることがあります。

5. 実例と例文

(A) 日常会話での例文

1. “Could you check the cabinet for the sugar?”
   
   
   
   • そのキャビネットに砂糖があるか見てくれる？
     
   
   


2. “I found some old photos in the cabinet.”
   
   
   
   • その棚の中から古い写真を見つけたよ。
     
   
   


3. “I need more cabinets to store all the dishes.”
   
   
   
   • 全部の食器をしまうのに、もっと棚が必要だな。
   
   

(B) ビジネスでの例文

1. “Please file these documents in the top drawer of the filing cabinet.”
   
   
   
   • これらの書類をファイリングキャビネットの一番上の引き出しに整理しておいてください。
     
   
   


2. “We had a small storage cabinet placed next to the server for extra stationery.”
   
   
   
   • 追加の文房具を置くためにサーバーの隣に小さな収納棚を設置しました。
     
   
   


3. “A new cabinet minister was appointed yesterday.”
   
   
   
   • 昨日、新しい閣僚が任命されました。
   
   

(C) 学術・フォーマルな文脈での例文

1. “The Cabinet convened to discuss the national budget.”
   
   
   
   • 内閣が国家予算について協議するために招集された。
     
   
   


2. “Cabinet meetings are generally held behind closed doors.”
   
   
   
   • 内閣会議は通常、非公開で行われる。
     
   
   


3. “His research paper examined the historical evolution of the British Cabinet.”
   
   
   
   • 彼の研究論文はイギリスの内閣の歴史的変遷を考察したものだった。
   
   

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (収納棚の意味)

• “cupboard” (カップボード)
  
  
  
  • 食器棚などに使われることが多い。扉がついている収納スペース。
    
  
  


• “closet” (クローゼット)
  
  
  
  • 衣類を収納するためのスペース。より大きな収納空間を指すことが多い。
  
  

※ “cabinet” は主にキッチンやオフィスなどで使われる収納棚を指し、 “cupboard” は特に食器棚を想起させることが多いためニュアンスが異なります。

類義語 (内閣の意味)

• “government”
  
  
  
  • 政府全体。内閣よりも広い範囲を指します。
    
  
  


• “administration”
  
  
  
  • 主に米国英語で大統領を含む政府を指す場合に使われます。“cabinet” よりも広域。
  
  

反意語

• 特定の反意語はありませんが、「政府 vs 野党 (opposition)」という文脈では “opposition” が対立的存在になります。

7. 発音とアクセントの特徴

• IPA(国際音声記号): /ˈkæbɪnɪt/
  


• アメリカ英語: [カビニット] のように “ˈkæbɪnɪt” と発音される。
  


• イギリス英語: 基本的には同じ発音が多いが、少し口の開き方が違うなどの微妙な差があります。
  


• アクセントは最初の “cab” の部分 (第1音節 “cab” にストレス)。
  


• “i” の音をブレずに /ɪ/ で発音すると、[キャビ] ではなく [カビ] に近い響きになります。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス
   
   
   
   • “cabinet” を “cabinett” のように綴ってしまうミスに注意。
     
   
   


2. 発音の誤り
   
   
   
   • /ˈkæbɪnɪt/ の “ɪ” の部分を曖昧にして “ケイビネット” と言ってしまうことがあるので気をつけましょう。
     
   
   


3. “closet” や “cupboard” との混同
   
   
   
   • “cabinet” はキッチン棚や書類棚に使い、 “closet” は衣類や大型収納、 “cupboard” は食器棚であることが多いです。
     
   
   


4. 内閣 (the Cabinet) の場合、大文字 “C” で始める場合が多い
   
   
   
   • 家具としての “a cabinet” とは区別されます。TOEIC や英検などでのリーディングパートで大小文字を見落とさないように注意。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• “cab+in+it” と分解して “キャブの中に何かがある” とイメージすると、収納場所という意味が定着しやすいかもしれません。
  


• 政治用語としての “Cabinet” は “部屋の中で大事な話し合いをするグループ” として覚えるとわかりやすいでしょう。
  


• 家具・政治という二つの異なる文脈でよく使われるので、どちらの意味で使われているか常に文脈を確認する癖をつけると混乱が少なくなります。

以上が名詞 “cabinet” の詳細な解説です。家具にも政治にも使える単語なので、ぜひ文脈を意識してマスターしてみてください。