元となった辞書の項目
takeover
解説
以下では、英単語「takeover」を詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語
- 英語: takeover
- 日本語: (企業などの)買収、乗っ取り、支配権獲得 など
品詞
- 名詞(countable [可算名詞])
意味の説明
「他の会社を買収することや組織の支配権を獲得すること」を指す言葉です。ビジネスシーンで特に使われますが、一般的に「権力の奪取」や「乗っ取り」のようなニュアンスでも使われます。
「会社が他の会社を買ったり、組織や集団のリーダーシップを変えるような場面」をイメージするとわかりやすいでしょう。
動詞形との関連
- 動詞形は「take over」(句動詞) ですが、名詞で一語になった形が「takeover」です。
活用形
- 「takeover」は名詞のため、形としては複数形「takeovers」として使われる場合もあります。
他の品詞例
- 動詞: take over (動詞句)
- 例: “He plans to take over the project.”
- 例: “He plans to take over the project.”
- 派生形容詞: 直接的な形容詞形はありませんが、文脈により “takeover” を説明する際は “takeover deal” のように形容詞的用法として連結して使われることがあります。
CEFRレベルの目安: B2
- B2(中上級): 新聞記事やビジネスの場面、経済関連のニュースなど抽象的・専門的な内容へ踏み込み始めるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- take + over
動詞「take(取る)」と副詞・前置詞「over(上に、覆って、支配して、越えて)」が結びついて、「支配を取る」といったニュアンスを持つ句動詞から派生した名詞です。
派生語・類縁語
- takeover bid: 買収提案
- hostile takeover: 敵対的買収
- friendly takeover: 友好的買収
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- hostile takeover → 敵対的買収
- friendly takeover → 友好的買収
- corporate takeover → 企業買収
- takeover approach → 買収アプローチ
- takeover attempt → 買収の試み
- takeover bid → 買収提案
- prepare for a takeover → 買収に備える
- resist a takeover → 買収に抵抗する
- forced takeover → 強制的買収
- potential takeover target → 買収対象候補
3. 語源とニュアンス
語源
「take over」という句動詞は古くからあり、「取って自分の側に持ってくる」というイメージから、「引き継ぐ」「支配権を取る」という意味が生まれました。この句動詞が名詞化して「takeover」という形になり、特に企業買収の文脈で使われるようになりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- ビジネス文書や新聞・ニュースなどでは正式に「買収」という意味合いが強く使われます。
- 口語でも「Someone’s trying to stage a takeover.(誰かが乗っ取りを画策している)」のように使われますが、ややフォーマルよりです。会話でカジュアルに言うときは “He’s trying to take over the company.” のように動詞句で表現されることのほうが多いでしょう。
- 「乗っ取り」や「支配の奪取」のようにやや強い意味合いを含むため、ビジネスでは時にネガティブな印象を与えることもあります。
4. 文法的な特徴と構文
名詞としての使い方
- 可算名詞(複数形: takeovers)
- 文中では “a takeover,” “the takeover,” “takeovers” として使われます。
イディオムや構文
- “launch a takeover” → 買収を開始する
- “fight off a takeover” → 買収を阻止する
- “be subject to a takeover” → 買収の対象となる
フォーマル/カジュアル
- 「takeover」は比較的ビジネスや報道などフォーマルな文脈でよく使用されます。
- 非常にカジュアルな会話では「take over (動詞句)」のほうがよく耳にします。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I heard there’s going to be a big takeover in our neighborhood’s bakery.”
→ 近所のパン屋で大きな買収があるらしいよ。 - “A sudden leadership takeover in the club surprised everyone.”
→ クラブで突然リーダーが入れ替わったのはみんなを驚かせた。 - “Some people see marriage as a romantic union, while others joke it’s a total takeover of one’s freedom.”
→ 結婚はロマンチックな結びつきだと見る人がいる一方で、自由を完全に奪うものだと冗談を言う人もいる。
ビジネスシーンでの例文
- “Our board of directors is evaluating the takeover bid from a rival company.”
→ 取締役会はライバル企業からの買収提案を検討しています。 - “After the takeover, the new management changed the company’s strategy drastically.”
→ 買収後、新経営陣は会社の戦略を大幅に変えました。 - “We need a solid plan to defend against a potential hostile takeover.”
→ 敵対的買収の可能性に備えて、しっかりした対策が必要です。
学術的な文脈での例文
- “The study analyses the economic impact of cross-border takeovers in emerging markets.”
→ この研究は新興市場における国境を越えた企業買収の経済的影響を分析しています。 - “Several theories address the motivations behind takeover strategies.”
→ いくつかの理論が買収戦略の背景にある動機に言及しています。 - “Academics often debate whether takeovers truly increase shareholder value.”
→ 学術の分野では、買収が本当に株主価値を高めるのかどうか、しばしば議論されています。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- acquisition (買収)
- 主に「企業買収」の意味で使われ、フォーマルなビジネス用語です。
- 主に「企業買収」の意味で使われ、フォーマルなビジネス用語です。
- buyout (買い取り、買収)
- 部分的または完全買収のニュアンスで、よりカジュアルに使われることもあります。
- 部分的または完全買収のニュアンスで、よりカジュアルに使われることもあります。
- merger (合併)
- 二つ以上の企業や組織が一つになること。対等合併のイメージが強いです。
- 二つ以上の企業や組織が一つになること。対等合併のイメージが強いです。
- takeover bid (買収提案)
- 同じ文脈で使われますが、特に買収の提案そのものを指すフレーズです。
反意語
- divestment / sell-off (資産売却)
- 企業が所有資産や事業を売却する、手放すこと。買収の逆の動きになります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語: /ˈteɪkˌoʊvər/
- イギリス英語: /ˈteɪkˌəʊvə/
アクセント
- “take” の “teɪk” 部分にアクセントが強めに置かれ、次の “oʊ” (米) / “əʊ” (英) は少し短く発音します。最後の “-ver” は弱めになります。
よくある発音の間違い
- “take” の母音を曖昧にしてしまい “tekover” のように発音してしまう場合があります。
- “o” の部分を強く伸ばしすぎて “take-oh-ver” のように区切ってしまう場合なども注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
- “take over” と「名詞の一語表記 “takeover”」を混同しない
- “takeover” の “over” を “ova” や “overr” と書き間違えないように注意
- “take over” と「名詞の一語表記 “takeover”」を混同しない
- 同音異義語との混同:
- 同音異義語として直接競合する単語はありませんが、“take over” の句動詞を「引き継ぐ」という一般的な場面で使うのか、「買収」というビジネス用語として使うのかを区別できるようにしましょう。
- 同音異義語として直接競合する単語はありませんが、“take over” の句動詞を「引き継ぐ」という一般的な場面で使うのか、「買収」というビジネス用語として使うのかを区別できるようにしましょう。
- 試験対策での頻出:
- ビジネスや経済のトピックが出題されやすいTOEICや英検準1級・1級などで登場しやすい単語です。
- 新聞記事や時事ニュースを題材にしたリーディング問題でもよく見かけます。
- ビジネスや経済のトピックが出題されやすいTOEICや英検準1級・1級などで登場しやすい単語です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “take over” は「取って・上に持って行く」と考えると、誰か/何かが上に立ってコントロールを奪うイメージがわきやすいです。
- ビジネスニュースや経済誌を読むときによく出てくる語なので、ニュース見出しで見つけたら「企業買収のことだな」とイメージする習慣をつけると覚えやすいでしょう。
- スペリングは “take + over” と頭の中で分けて覚えてから、名詞で一語になっていることを意識すると混乱を減らせます。
以上が「takeover」の詳細な解説です。ビジネスや経済ニュースで頻出する単語なので、読解や会話でしっかりと押さえておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
(管理・支配などの)奮取,接収;(特に会社などの)乗っ取り