元となった辞書の項目
insist
解説
以下では、動詞「insist」について、9つのステップにわけて詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語:to state or demand something firmly and persistently
- 日本語:強く主張する、または強く要求する
「insist」は、自分の意見や要求が正しいということを強く説き、他人にもそれを認めさせようとするときに使われる動詞です。「自分が正しい」「それをぜひやってほしい」と強く言い張るようなニュアンスがあります。
品詞・活用形
- 品詞:動詞 (transitive/intransitive; 他動詞・自動詞どちらにも使われます)
- 活用形:
- 原形:insist
- 三人称単数現在形:insists
- 過去形:insisted
- 過去分詞形:insisted
- 現在分詞形:insisting
- 原形:insist
他の品詞形
- 名詞形:insistence (強く主張すること)
- 形容詞形:insistent (主張し続ける、しつこい)
CEFRレベル
- B2:中上級レベル
- 「insist」は中堅以上の英語学習者が理解しておくと便利な単語で、会話でもビジネスでも比較的よく使われる表現です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語「in-」:もともとはラテン語由来の「上に・中へ」という意味をもつ場合や「強意」を表す接頭語。ここでは「強意」のニュアンスに近いです。
- 語幹「sist」:ラテン語の「stare(立つ)」に由来する語根で、「〜し続ける、立ち向かう、立ち止まる」といった意味を持ちます。
関連語・派生語
- insistence (名詞)
- insistent (形容詞)
- persist (動詞) … 「やり続ける」「粘り強く続ける」
- resist (動詞) … 「抵抗する」「反対する」
「sist」の入った単語は「立つ」「位置を保つ」というイメージがあるため、“しっかりと立ち向かって主張する”というニュアンスにつながります。
よく使われるコロケーション(共起表現)10個
- insist on one's rights(自分の権利を主張する)
- insist on going(行くことを強く主張する)
- insist upon payment(支払いを強く求める)
- insist on waiting(待つことを譲らない)
- insist on seeing the manager(マネージャーに会うことを主張する)
- insist that someone (should) do something(人に〜することを強く求める)
- insist on an apology(謝罪を要求する)
- insist on the importance of 〜(〜の重要性を強調する)
- insist on a solution(解決策を強く求める)
- insist on having one's own way(自分のやり方を貫く)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の「insistere(上に立ち止まる、粘り強く留まる)」が由来
- in-(中へ、強意)+ sistere(立つ)
- 何かにしっかりと「立ち続ける」→「強く言い続ける」というイメージが元来の意味です。
- in-(中へ、強意)+ sistere(立つ)
ニュアンス・使用時の注意
- 主に口語でも書き言葉でも使われますが、「強い主張」や「強い要求」のニュアンスをもつため、やや強めの言い回しです。
- ビジネスシーンでも、相手に対して「譲れないポイント」を強調する場合によく用いられます。
- ただし、何度もしつこく言うという印象を与える場合もあるため、状況を考慮して使うことが大切です。
4. 文法的な特徴と構文
主な構文
- insist on + 名詞/動名詞 (例: insist on going)
- 「〜することを強く主張する」
- 「〜することを強く主張する」
- insist that + 主語 + 動詞の原形/should + 動詞の原形
- 「〜ということを強く主張する」「〜すべきだと主張する」
- 例:He insisted that she (should) apologize.
- 「〜ということを強く主張する」「〜すべきだと主張する」
- insist on + 人 + 動詞のing形 / insist that + 人 + (should) 動詞の原形
- 相手に何かをしてほしいと強く要求する、という構文をとれます。
可算・不可算や他動詞・自動詞
- 動詞の場合:
- 他動詞的にも使えますが、目的語として節「that節」をとることが多いです。
- 前置詞“on”と合わせて自動詞的に使うこともあります。
- 他動詞的にも使えますが、目的語として節「that節」をとることが多いです。
5. 実例と例文
それぞれのシーン別に3例ずつ紹介します。
日常会話
- “I insist on paying the bill this time.”
- 「今回は私が支払いをすると強く言い張ります。」
- 「今回は私が支払いをすると強く言い張ります。」
- “She insisted that we stay longer, but we had to leave.”
- 「彼女はもっと長くいるように強く言ったけど、私たちは帰らなければなりませんでした。」
- 「彼女はもっと長くいるように強く言ったけど、私たちは帰らなければなりませんでした。」
- “I insisted on taking a taxi, but he wanted to walk.”
- 「私はタクシーに乗ることを主張したけど、彼は歩きたがりました。」
ビジネス
- “The client insisted on a full refund.”
- 「顧客は全額返金を強く要求しました。」
- 「顧客は全額返金を強く要求しました。」
- “Our boss insisted that the report be revised immediately.”
- 「上司は、そのレポートをすぐに修正するように強く要求しました。」
- 「上司は、そのレポートをすぐに修正するように強く要求しました。」
- “They insisted on having a face-to-face meeting rather than a video call.”
- 「彼らはビデオ通話ではなく、対面でのミーティングにこだわりました。」
学術的・フォーマル
- “The researcher insisted that more data be collected before drawing conclusions.”
- 「研究者は結論を出す前に、より多くのデータを収集すべきだと主張しました。」
- 「研究者は結論を出す前に、より多くのデータを収集すべきだと主張しました。」
- “He insisted on rigorous testing to validate the hypothesis.”
- 「彼は仮説を検証するために厳格なテストを行うことを強く求めました。」
- 「彼は仮説を検証するために厳格なテストを行うことを強く求めました。」
- “The professor insisted that the students reference peer-reviewed sources in their papers.”
- 「教授は、学生が論文に査読付きの文献を引用するよう強く求めました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- persist(しつこく続ける / 粘り強く主張する)
- 「続ける」ニュアンスが強く、物事を諦めずやり抜くときに用いられます。
- 「続ける」ニュアンスが強く、物事を諦めずやり抜くときに用いられます。
- maintain(主張する / 維持する)
- 「〜であると主張し続ける」という意味があり、やや硬めの表現です。
- 「〜であると主張し続ける」という意味があり、やや硬めの表現です。
- assert(断言する)
- 「自信をもって〜と主張する」ニュアンスがあり、客観的視点が強めです。
- 「自信をもって〜と主張する」ニュアンスがあり、客観的視点が強めです。
- demand(要求する)
- 「要求する」の意味が強く、「権利として当然」と考えている場合に使われます。
- 「要求する」の意味が強く、「権利として当然」と考えている場合に使われます。
- urge(熱心に促す)
- 「強く勧める、促す」イメージで、叱咤激励に近い意味合いを持ちます。
反意語
- yield(譲る)
- 「譲歩する」「(主張などを) 引っ込める」という意味で、「強く主張する(insist)」の反対です。
- 「譲歩する」「(主張などを) 引っ込める」という意味で、「強く主張する(insist)」の反対です。
- acquiesce(黙って従う)
- 「反論せずに受け入れる」ニュアンスがあり、これも「強く主張する」とは逆方向の単語です。
- 「反論せずに受け入れる」ニュアンスがあり、これも「強く主張する」とは逆方向の単語です。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /ɪnˈsɪst/
- アメリカ英語・イギリス英語とも、/ɪnˈsɪst/とほぼ同じ発音になります。
- 強勢(アクセント)は「-sist」の部分(第二音節)に置かれます。
- in-SIST
- in-SIST
よくある発音の間違い
- 語尾の “-st” を弱めすぎてしまうケース
- /ɪnˈsɪs/ とならないよう、しっかりと “-st” を発音しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「insist to do」は誤用が多い
- 正しくは “insist on doing” または “insist that + 主語 + 動詞の原形” の形を用います。
- 正しくは “insist on doing” または “insist that + 主語 + 動詞の原形” の形を用います。
- “insist that + should + 動詞の原形” の形
- イギリス英語では “should” を明示的に入れる傾向もありますが、アメリカ英語では省略されることが多いです。
- イギリス英語では “should” を明示的に入れる傾向もありますが、アメリカ英語では省略されることが多いです。
- 同音異義語は特になし
- スペルミス
- 「inssit」「insisst」などのタイプミスに注意。
試験対策
- TOEICや英検といった試験では、 “insist on + 動名詞” および “insist that + 主語 + 動詞” の構文が頻出。正しい前置詞やthat節の扱いに注意しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 意味のイメージ:
- “相手に向かってSTAND(立つ)し続ける” → “強く主張する”
- “相手に向かってSTAND(立つ)し続ける” → “強く主張する”
- スペルの覚え方:
- “in”+“sist” (sist = stand) と覚えると早いです。
- “in”+“sist” (sist = stand) と覚えると早いです。
- 勉強テクニック:
- 「主張して押し通すイメージ」を頭に描き、口頭練習で “I insist on 〜” をいろいろ入れ替えて練習しましょう。
以上が動詞「insist」の詳細解説です。ぜひ、文脈に合わせた強弱のニュアンスにも注意しながら使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
強く要求する《+on(upon)+名(a person['s]do*ing*)》
意味(2)
(…を)主張する《+on(upon)+名》
意味(3)
…‘と'強く要求する
意味(4)
…‘と'主張する