元となった辞書の項目
thermal
解説
1. 基本情報と概要
単語: thermal
品詞: 形容詞 (adjective)、場合によっては名詞としても使われる(例: 「上昇気流(thermals)」など)
意味(英語): relating to or caused by heat or temperature.
意味(日本語): 熱や温度に関係する、またはそれによって引き起こされる。
「何かが熱に関わる場合に使われる形容詞です。例えば“thermal energy(熱エネルギー)”といえば、熱に関するエネルギーという意味です。日常会話というよりも少し専門的なニュアンスを伴いますが、カジュアルにも使われる場合があります。」
活用形
- 形容詞: thermal
- 副詞: thermally (例: “thermally treated steel”)
- 名詞形(関連語): thermal (特に「上昇気流」の意味で使われる場合に名詞化)
他の品詞例
- thermals(名詞複数形): 寒冷地などで着る保温用の肌着(いわゆる「サーマル下着」)。
- therapist, therapyなど「therm-」とは直接は関係ありませんが、つづりが近く混同しやすい例。
難易度(CEFR レベル目安)
- B2(中上級): 熱力学や科学、技術の文脈でよく使われるため、やや専門的です。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語: 特になし
- 語幹: “therm” (ギリシャ語の “thermos” = “hot” に由来)
- 接尾語: “-al”(「〜に関する」「〜の」という形容詞を作る接尾語)
他の関連語
- thermometer(温度計): “therm” + “meter”
- thermodynamics(熱力学): “thermo” + “dynamics”
- geothermal(地熱の): “geo” + “therm” + “-al”
- isothermal(等温の): “iso” + “therm” + “-al”
よく使われるコロケーション(共起表現)と日本語訳(10個)
- thermal energy(熱エネルギー)
- thermal conductivity(熱伝導率)
- thermal expansion(熱膨張)
- thermal insulation(断熱)
- thermal radiation(熱放射)
- thermal protection(熱防護)
- thermal imaging(熱映像化・サーモグラフィ)
- thermal efficiency(熱効率)
- thermal underwear(サーマル下着 / 保温下着)
- thermal power plant(火力発電所)
3. 語源とニュアンス
語源: ギリシャ語の “thermos”(“hot”を意味する言葉)から来ています。ラテン語を経由し、フランス語などを通じて英語へと取り入れられました。
歴史的には、物理や科学の分野で「熱」に関する事柄を表す用語として多用されてきました。徐々に一般化し、アウトドア用品や保温衣料でも「thermal」という言葉が使われるようになりました。
ニュアンス・使用上の注意:
- 科学的・専門的文脈では「熱に関する」ことを正確に示すために用いられます。
- カジュアルな場面では、保温下着などを指す「thermal wear(サーマルウェア)」のようにファッション関連でも使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として使う場合が多い: “thermal insulation” / “thermal properties” など。
- 名詞としての “thermal” は、「(熱による)上昇気流」や「サーマルウェア」の意味で用いられます。可算名詞として扱います(“a thermal” / “thermals”)。
- フォーマル度合い: 科学技術文脈ならフォーマル、日常的な下着の文脈ならカジュアルに近いニュアンス。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “I wear thermal underwear in winter to keep warm.”
(冬には暖かく過ごすためにサーマル下着を着ています。) - “These thermal socks really help in cold weather.”
(このサーマルソックスは寒い天候でも本当に役立ちます。) - “Thermal water bottles can keep your drink hot for hours.”
(サーマルボトルは飲み物を何時間も熱いまま保ちます。)
ビジネスでの例文
- “We need to invest in better thermal insulation for the office building.”
(オフィスビルのために、より良い断熱設備に投資する必要があります。) - “Our company specializes in producing thermal protective materials for firefighters.”
(当社は消防士用の熱防護素材の製造を専門としています。) - “Thermal management is crucial in the design of electronic devices.”
(電子機器の設計において、熱管理は非常に重要です。)
学術的な文脈での例文
- “The thermal expansion coefficient of the material was measured under controlled conditions.”
(その材料の熱膨張係数は、管理された条件下で測定されました。) - “Thermal conductivity plays a vital role in the study of heat transfer.”
(熱伝導率は、熱伝達の研究において重要な役割を果たします。) - “The research paper focused on the thermal properties of newly developed composites.”
(その研究論文は、新たに開発された複合材料の熱特性に焦点を当てていました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- hot(熱い): より一般的で、温度が高いことを示すカジュアルな単語。
- warm(暖かい): “hot”よりも少し低めの温度を示すようなニュアンス。
- heat-related(熱関連の): thermal と同じように「熱に関係する」という意味だが、やや説明的。
反意語
- 熱に関する反意語としては、直接的に「冷たい」を意味する語 “cool”, “cold” が考えられますが、形容詞としての “thermal” と対になる “cryogenic” (超低温の)という単語も研究や技術領域では使われます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈθɝː.məl/ (アメリカ英語), /ˈθɜː.məl/ (イギリス英語)
- アクセント(強勢)は、単語の最初の音節 “ther-” にあります。
- アメリカ英語では “θɝː” のように “r” をはっきり発音します。
- イギリス英語では “θɜː” になり、r の発音がやや弱くなります。
- よくある間違い: “the-r-mal” と区切りを変にしてしまったり、 “th” の発音が “s” や “t” に近くなってしまう点に注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- つづり: “thermal” では “-al” の部分を “-el” や “-ul” と混同しないように。
- therm- と thera-(therapyなど)の混同に注意。
- 受験や資格試験(TOEICや英検)では「熱に関する文脈の単語として登場」したり、たとえば「thermal insulation(断熱)」などの専門用語として頻出する可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “therm” は “thermal, thermometer, thermostat” など「熱」に関わる単語の共通パーツ。
- 地熱発電のイメージ: “geothermal power” とセットで覚えると「熱」にまつわる単語として記憶に残りやすいです。
- 発音の際、「サーマル」のように「サー + マル」をイメージすると “ther-mal” を意識できます。
「thermal」は、理系の文脈やアウトドア関連の話題で頻繁に登場する単語です。熱に関すること全般を表すキーワードとして、しっかり覚えておくと活用の幅が広がります。
意味のイメージ
意味(1)
熱の,熱による
意味(2)
熱い
意味(3)
(暖まった)上昇気流