mobility
1. 基本情報と概要
英単語: mobility
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- ある程度の抽象的な概念や社会問題を理解できるレベルで学習する単語です。
意味(英語):
The ability to move or be moved freely and easily; also the ability to change or be changed easily according to a situation.
意味(日本語):
「自由に動くことができる状態、あるいは柔軟に状況を変化させることができる能力」を表します。身体の動きだけでなく、社会や経済的な立場の上下移動についても使われる単語です。例えば、「身体の可動性」や「社会的地位の移動」などを示すときに用いられます。
「人や物が自由に動く(移動する)能力」というニュアンスで、社会的文脈(社会的流動性)や生活の場面(通勤のしやすさ)など幅広いシーンで使用されます。
活用形
- 通常は不可算名詞として使われますが、特定の文脈で「mobilities」という形で複数形が使われることもあります(学術的文脈など)。基本的には可算としないのが一般的です。
他の品詞形
- mobile (形容詞):動きやすい、可動式の
- mobilize (動詞):動員する、可動化する
- mobilization (名詞):動員、結集
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: “mob-” (動く、移動するという意を持つラテン語由来)
- 接尾語: “-ility” (名詞を作る接尾語で、「~の状態」「~する能力」を意味する)
関連・派生語
- mobility scooter:電動スクーター、電動車いすの一種
- social mobility:社会的流動性(社会階層の上下移動)
- economic mobility:経済的流動性
- mobile:可動式の、携帯電話も
mobile phone
として派生的に利用
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- physical mobility(身体的な可動性)
- social mobility(社会的流動性)
- upward mobility(上方への社会的な移動)
- downward mobility(下方への社会的な移動)
- geographic mobility(地理的移動のしやすさ)
- limited mobility(限られた可動性)
- improve mobility(可動性を向上させる)
- increase mobility(流動性を高める)
- mobility aid(移動支援器具)
- mobility challenges(移動や流動性に関する課題)
3. 語源とニュアンス
語源: ラテン語の mōbilitās (“動きやすいこと” の意) に由来します。フランス語の mobilité を経由して英語に入ったとされています。
歴史的には「身体や軍隊などを素早く動かせる能力」を中心に使われてきましたが、近代になるにつれ、「社会階層や経済状況での移動可能性」へと意味範囲が拡大しています。
ニュアンス・使用上の注意:
- 「mobility」は「可動性」「流動性」といったポジティブなイメージで使うことが多いですが、特に社会問題や身体の障がいなどの文脈ではセンシティブな語としても扱われます。
- フォーマルからカジュアルまで幅広い文脈で使用されていますが、社会学的な文脈ではよりフォーマル(学術的)になりやすいです。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算/不可算: 一般的には不可算名詞として扱われますが、学術的文献などでは文脈によっては可算名詞として「different mobilities (さまざまな流動性)」と使われることもあります。
- 使われ方: 「mobility + of + 名詞/代名詞」で、「~の可動性」や「~の流動性」を示すことが多いです。
- イディオム的表現はあまり多くありませんが、「upward mobility」「downward mobility」など、社会的移動を指すフレーズがよく使われます。
5. 実例と例文
日常会話
- “I really appreciate my new car; it has improved my mobility significantly.”
(新しい車のおかげで移動がすごくラクになったよ。) - “Grandma’s mobility has been limited since she injured her knee.”
(おばあちゃんは膝を痛めて以来、動くのが不自由になった。) - “A bicycle can give you more mobility in a crowded city.”
(混雑した都市では、自転車は移動の自由度を高めてくれるよ。)
ビジネス
- “The company encourages employee mobility across different departments.”
(その会社は各部署間での社員の異動を推奨しています。) - “With remote work, geographic mobility is no longer a big issue.”
(リモートワークの普及により、地理的な移動の制約はもはや大きな問題ではありません。) - “Our HR policy is designed to foster upward mobility for high performers.”
(わが社の人事制度は、優秀な社員に昇進の機会を提供する設計になっています。)
学術的な文脈
- “Researchers are examining the effects of technological advancements on social mobility.”
(研究者たちは技術革新が社会的流動性に与える影響を調査している。) - “Economic mobility often varies depending on the level of education.”
(経済的流動性はしばしば教育レベルによって左右される。) - “In many developing countries, improving physical infrastructure is key to enhancing mobility.”
(多くの発展途上国では、物理的インフラの整備が流動性を高める鍵となる。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- flexibility(柔軟性)
- 主に「対応のしやすさ」「可変性」に焦点があり、身体的にも比喩的にも使える。
- 例: “She has a lot of flexibility in her schedule.”(彼女のスケジュールは柔軟性がある。)
- 主に「対応のしやすさ」「可変性」に焦点があり、身体的にも比喩的にも使える。
- maneuverability(操縦性・操作性)
- 乗り物や機械などを動かしやすいかどうかという意味に特化。
- 例: “The new aircraft’s maneuverability gives it an advantage.”(新型機は操作性で優位に立っている。)
- 乗り物や機械などを動かしやすいかどうかという意味に特化。
- fluidity(流動性・滑らかさ)
- どちらかというと規則性がなくスムーズに動くニュアンス。抽象的に使われる場合も多い。
- 例: “The fluidity of her movements was remarkable.”(彼女の動きには驚くほど滑らかさがあった。)
- どちらかというと規則性がなくスムーズに動くニュアンス。抽象的に使われる場合も多い。
反意語
- immobility(不動状態、動けないこと)
- 動きがない、または動かせない状態。
- 例: “Complete immobility can lead to muscle atrophy.”(まったく動かないと筋肉が萎縮してしまう。)
- 動きがない、または動かせない状態。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- イギリス英語 (BrE): /məʊˈbɪl.ə.ti/
- アメリカ英語 (AmE): /moʊˈbɪl.ə.t̬i/
- イギリス英語 (BrE): /məʊˈbɪl.ə.ti/
強勢(アクセント): “mo-BIL-i-ty” の “BIL” の部分にストレスがあります。
発音の違い: アメリカ英語では “moʊ” と発音し、イギリス英語では “məʊ” のような発音になります。
よくある間違い: “mo-BI-li-ty” のように第2音節を短く発音する人がいますが、「ビ」を強調気味にするのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスとして “mobility” を “mobilty” や “mobillity” と書いてしまうことがあります。
- 類義語 “mobility” と “flexibility” を混同しやすいですが、文脈上の意味合いに注意しましょう。
- TOEICや英検のリーディングでも「社会的流動性」や「身体的可動性」を指す文章や選択肢に含まれることがあり、ややアカデミックな文脈で出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “mobile” = “動ける” + “-ity” = “~の状態・性質” → “動くことのできる性質” → “mobility”
- スマホの “mobile phone” から「動く」というイメージを思い出して、「動くことができる状態」が “mobility” と覚えるとわかりやすいです。
- スペリングでは “-i-l-i-” が続くので、ゆっくりと “mo-bi-li-ty” と声に出して書き取る練習をすると間違いにくくなります。
以上が mobility の詳細な解説です。身体の動きから社会的流動性まで、さまざまな文脈で使われる便利な名詞ですので、覚えておくと役に立つでしょう。
可動性,流動性,変わりやすさ
(軍隊の)機動力