名詞「crop」の徹底解説

1. 基本情報と概要

英語: crop

日本語: 作物、収穫高、または「切り取られた部分」など

品詞: 名詞 (名詞以外にも、動詞として「切り取る」「摘む」の意味をもつ場合があります)

意味の概要（日本語）:

「crop」は農作物や収穫された作物を指す言葉です。農学関連や日常会話でも、農家さんの畑で獲れた作物について話すときによく使われます。また、写真などを「トリミングする」ことを指す動詞としても使われるので、イメージ編集ソフトなどの機能でもおなじみです。「作物」というニュアンスが基本ですが、文脈によっては「一度の収穫量」や「ある時期・ある地域で収穫された農産物全部」という広い意味合いになります。

活用形（一例）:

• 名詞: crop (単数), crops (複数)
  


• 動詞のとき: crop - cropped - cropped

ほかの品詞形:

• 動詞「to crop」: 切り取る、トリミングする


• 形容詞形は一般的には存在しませんが、「cropped」という過去分詞形が「短く切った」など形容詞的に使われる場合があります (例: cropped hair 「短く切られた髪」)

CEFRレベル:

• B1（中級）程度
  
  
  
  • 日常生活のなかで何回か接する単語。特に農業や食料関係のニュースなどでしばしば登場するから、学習者でも中級レベルくらいから意識して覚えるとよいでしょう。
  
  

2. 語構成と詳細な意味

語構成

• 「crop」という単語にはっきりした接頭語や接尾語、語幹はありません。1つの短い単語として成立しています。

派生語や類縁語

• cropping (動名詞/形): 切り抜き(作業)、収穫(作業)
  


• cropped (過去形/過去分詞形/形容詞的用法): 短く切られた、収穫された

よく使われるコロケーション（共起表現）10選

1. a heavy crop
   
   
   
   • (日本語) 豊作、豊富な収穫
     
   
   


2. a poor crop
   
   
   
   • (日本語) 不作、貧しい収穫
     
   
   


3. high-yield crops
   
   
   
   • (日本語) 高収量作物
     
   
   


4. cash crop
   
   
   
   • (日本語) 販売用作物（換金作物）
     
   
   


5. crop rotation
   
   
   
   • (日本語) 輪作
     
   
   


6. crop failure
   
   
   
   • (日本語) 作物の不作
     
   
   


7. to harvest the crops
   
   
   
   • (日本語) 作物を収穫する
     
   
   


8. crop production
   
   
   
   • (日本語) 作物の生産
     
   
   


9. crop yield
   
   
   
   • (日本語) 作物の収量
     
   
   


10. seasonal crops
    
    
    
    • (日本語) 季節に応じた作物
      
    
    

3. 語源とニュアンス

語源

• 古英語の「crope/croppa」が由来で、「房、かたまり、先端の切り取られた部分」を意味していました。
  


• 歴史的には、「切り取る部分」から派生して「収穫物」を意味するようになりました。

ニュアンス・使用上の注意

• 「crop」は日常会話でもニュースでも頻繁に出てくる単語です。主に農業関連のトピックで使われますが、「写真をトリミングする」などの意味でもコンピュータ関連の人にはおなじみかもしれません。
  


• フォーマル度合いはあまり高くなく、ビジネスシーンでも農業や食料に関する話題で普通に用いられます。

4. 文法的な特徴と構文

1. 可算名詞
   
   
   
   • 基本的には可算名詞扱いで、単数形では「a crop of something」、複数形では「crops」として使われ、さまざまな種類の作物や収穫物を数えられます。
     
   
   


2. 動詞「to crop」
   
   
   
   • 他動詞として機能する場合が多く、「画像をトリミングする」「何かを切り取る」といった「誰かが何かを切り取る」構文をとります。
     
   
   
   • 自動詞としては文脈によって使われることがありますが、よく見かけるのは他動詞用法です。
   
   

一般的な構文例

• 名詞用法:
  
  
  
  • “This year’s wheat crop was abundant.”
    
  
  


• 動詞用法:
  
  
  
  • “I need to crop this photo to remove the background.”
  
  

5. 実例と例文

(A) 日常会話での例文（3例）

1. “We had a small vegetable garden, and the crop was surprisingly good this summer.”

   
   
   • (訳) 「小さな家庭菜園があって、今年の夏は意外と作物がよく採れたんだ。」
     
   
   



2. “My grandfather grows tomatoes and sells the crop at the local market.”

   
   
   • (訳) 「祖父はトマトを栽培していて、収穫した作物を地元の市場で売っています。」
     
   
   



3. “I always crop my photos before uploading them to social media.”

   
   
   • (訳) 「SNSにアップする前に、いつも写真をトリミングしています。」
     
   
   

(B) ビジネスシーンでの例文（3例）

1. “The company reported an increase in corn crop yields due to the new fertilizer.”

   
   
   • (訳) 「その企業は、新しい肥料の導入でトウモロコシの収穫量が増加したと報告しました。」
     
   
   



2. “We expect the soybean crop this season to boost our export figures.”

   
   
   • (訳) 「今シーズンの大豆の収穫が、我々の輸出額を押し上げると期待しています。」
     
   
   



3. “Please ensure you crop the brochure images properly before sending them to the printing company.”

   
   
   • (訳) 「印刷会社に送る前に、パンフレット用の画像をきちんとトリミングしておいてください。」
     
   
   

(C) 学術的な文脈での例文（3例）

1. “Crop rotation is widely recognized as a sustainable agricultural practice.”

   
   
   • (訳) 「輪作は、持続可能な農業手法として広く認識されています。」
     
   
   



2. “The study aimed to analyze the genetic factors influencing crop resistance to pests.”

   
   
   • (訳) 「その研究では、害虫に対する作物の抵抗性に影響を与える遺伝的要因を分析することを目的としました。」
     
   
   



3. “Data on crop yield variations can inform global food security policies.”

   
   
   • (訳) 「作物の収量変動に関するデータは、世界の食糧安全保障政策に反映させることができます。」
     
   
   

6. 類義語・反意語と比較

類義語

1. produce (農産物)
   
   
   
   • 「穀物だけでなく、野菜や果物など一般的な農産物」を幅広く指すことが可能。「crop」のように1回の収穫物というイメージよりは「生産物全体」や「食用とする農産物」のニュアンスが強めです。
     
   
   


2. harvest (収穫物／収穫作業)
   
   
   
   • 「収穫する行為」や「収穫期、収穫物」を指す動詞・名詞の意味を併せ持つ単語。「crop」と混同されることあり。
     
   
   


3. yield (収穫量)
   
   
   
   • 「yield」は「収量」の意味合いが中心。「crop yield」で「作物の収量」という意味で一緒に使われることが多い。
     
   
   

反意語

• 該当する1語での明確な反意語はありませんが、強いて言えば「crop failure」が「豊作」の真逆の状況を表す表現になります。
  

7. 発音とアクセントの特徴

発音記号 (IPA)

• アメリカ英語: /krɑːp/
  


• イギリス英語: /krɒp/
  

強勢（アクセント）

• 「crop」は1音節の単語なので強勢は最初(唯一)の音節“crop”にあります。
  

アメリカ英語とイギリス英語の違い

• アメリカ英語では「ア」の発音に近い /ɑː/
  


• イギリス英語では「オ」に近い /ɒ/
  

よくある発音の間違い

• /klɔp/ など、子音を間違えないように注意しましょう。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス
   
   
   
   • 「corp」や「crop」と混同しないように注意。英語学習者は「corp (企業体の略)」や「corpse (死体)」と混同しやすい。
     
   
   


2. 動詞との混同
   
   
   
   • 名詞意味の「作物・収穫高」と、動詞意味の「切り取る」を取り違えないように文脈を読むことが大切。
     
   
   


3. TOEIC・英検での出題
   
   
   
   • 農業や環境分野の長文読解において、頻出単語。特に収穫高や農産物の話題でよく見かけるので、覚えておきましょう。
   
   

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「crop」のイメージ: 何かを「ポンッと切り取る（切り抜く）」、あるいは「土から出てきた農作物が上に『ちょこん』と顔を出している」という連想を思い浮かべると覚えやすいかもしれません。
  


• 「写真を“crop”する」イメージと、「作物を“収穫”する」イメージがつながると記憶に定着しやすいです。
  


• スペリングは c-r-o-p と短く、切り取られたような感覚をイメージするとよいでしょう。

以上が名詞「crop」の詳細な解説です。農業や写真編集など、さまざまなシーンで便利に使える単語ですので、ぜひ覚えておきましょう。