元となった辞書の項目
worth
解説
1. 基本情報と概要
単語: worth
品詞: 形容詞 (ただし名詞用法もあり)
CEFRレベルの目安: B1(中級)
英語での意味
- 「価値がある」「~の値打ちがある」
日本語での意味
- 「~に値する」「~の価値がある」「お金・時間・労力などをかけるだけの結果がある」
「worth」は、「This movie is worth watching.(この映画は観る価値がある)」のように、何かが“価値に見合う”というニュアンスで使われます。日常会話でもビジネスでも幅広く使われるシンプルな形容詞です。
活用形
- 形容詞 “worth” は比較級や最上級にはならず、形を変えないで使われるのが特徴です。
他の品詞形
- 名詞用法: “net worth”「純資産」や “self-worth”「自己価値」など
- 派生形容詞: “worthy”「ふさわしい」、 “worthwhile”「価値のある」、 “worthless”「価値のない」
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語や接尾語ははっきり存在していない語ですが、同じ語根を持つ “worth-” を含む派生語として “worthwhile,” “worthless,” “worthy” などがあります。
よく使われるコロケーション10選
- be worth the price
- 価格に見合う価値がある
- 価格に見合う価値がある
- be worth the effort
- 努力する価値がある
- 努力する価値がある
- be worth the time
- 時間をかける価値がある
- 時間をかける価値がある
- be worth the wait
- 待つだけの価値がある
- 待つだけの価値がある
- be worth considering
- 考慮する価値がある
- 考慮する価値がある
- worth a try (worth a shot)
- 試してみる価値がある
- 試してみる価値がある
- worth every penny
- すべての支払ったお金に値する
- すべての支払ったお金に値する
- worth mentioning
- 触れる価値がある(言及する価値がある)
- 触れる価値がある(言及する価値がある)
- worth the trouble
- 面倒に思えてもその価値がある
- 面倒に思えてもその価値がある
- worth the risk
- リスクを冒す価値がある
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “weorþ” に由来し、「尊い」「価値のある」という意味合いを持っていました。中英語を経て現在の “worth” となりました。
ニュアンス
- 「値打ちがある」「メリットや満足感を得られる」という前向きなニュアンスを含みます。
- フォーマル・カジュアルどちらでも使え、口語でも文章でも頻出しますが、丁寧な文章でもまったく問題なく使えます。
4. 文法的な特徴と構文
- be動詞 + worth + 名詞
- 例: “This book is worth $10.”(この本は10ドルの価値がある)
- be動詞 + worth + 動名詞 (~ing)
- 例: “This book is worth reading.”(この本は読む価値がある)
- 名詞用法や他の品詞で使う場合
- 例: “net worth”(財政的価値・純資産)
使用シーン
- 口語: “It’s worth a try!” など気軽に使える。
- ビジネス文書: “It might be worth considering a new strategy.” などのように提案にも使われる。
文法上のポイント
- 形容詞 “worth” は “very worth” のように修飾されないのが普通です(“very worthwhile” はOK)。
- 不可算・可算を問わず、対象が「価値」に見合うかどうかを示すのが役割です。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “This restaurant is worth a visit. The pasta is amazing!”
(このレストランは行く価値あるよ。パスタがすごくおいしいから!) - “That movie is definitely worth watching twice.”
(あの映画は絶対2回観る価値があるよ。) - “It’s worth waiting in line for their donuts.”
(あそこのドーナツは並ぶ価値があるよ。)
ビジネスでの例文
- “I believe this investment is worth the risk.”
(この投資はリスクを冒す価値があると思います。) - “It might be worth considering a different supplier.”
(別の仕入れ先を検討してみる価値があるかもしれません。) - “Your proposal is worth discussing in detail.”
(あなたの提案は詳しく検討する価値があります。)
学術・アカデミックな文脈
- “This theory is worth exploring further.”
(この理論はさらに探究する価値がある。) - “The data might not be conclusive, but it’s worth noting.”
(データは決定的ではないが、注目に値する。) - “It’s worth reviewing previous studies on this subject.”
(このテーマに関する先行研究を再確認する価値がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- valuable(価値のある)
- 例: “This information is truly valuable.”(この情報は本当に貴重だ)
- 「物や情報が貴重で役立つ」という意味は共通。ただし“worth”は「~する価値がある」と動作との相性が良い。
- 例: “This information is truly valuable.”(この情報は本当に貴重だ)
- worthy(ふさわしい)
- 例: “He is worthy of respect.”(彼は尊敬に値する)
- “of + 名詞”の形で使うことが多い。
- 例: “He is worthy of respect.”(彼は尊敬に値する)
- worthwhile(価値がある)
- 例: “That course is worthwhile for anyone interested in marketing.”
- “worth”をさらに形容詞的に展開したニュアンス。「時間・労力を割く意味がある」と強調。
- 例: “That course is worthwhile for anyone interested in marketing.”
反意語
- worthless(価値がない)
- 例: “This broken watch is worthless.”(この壊れた時計は価値がない)
- useless(使いものにならない)
- 例: “This pen is useless; it won’t write anymore.”(このペンは使えない)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号
- worth: /wɜːrθ/ (米・英共通でほぼ同じ)
発音のポイント
- “wor”の部分は [wɜːr] と「ウォー」と「アー」の中間のような発音。
- “th” は無声歯摩擦音 [θ] で、舌先を前歯の間に軽く出し、息を通します。
アメリカ英語とイギリス英語での違い
- 大きな違いはありませんが、アメリカ英語では [ɝ] に近く聞こえる場合があります。
よくある発音の間違い
- “th” を [s] や [t] と混同して “wort” のように聞こえてしまうミスなどがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “be worth to do” という誤用をしがちですが、正しくは “be worth doing” です。
- “very worth” と言わない点に注意(“very worthwhile” はOK)。
- TOEICや英検などでは “be worth ~ing” の構文とともに、形容詞としての用法、名詞として “net worth” などが問われることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “worth” は「ワース」と発音し、口をややすぼめて “th” をはっきり発音すると覚えやすいです。
- “worth” = “価値(value)” と連想し、 “~する価値がある (worth doing)” とひも付けるとすぐに使えるようになります。
- “worthwhile,” “worthy,” “worthless” など “worth” から派生する単語をまとめて覚えると効率的です。
以上が形容詞 “worth” の詳細な解説です。ぜひ日常会話からビジネスシーン、学術的な文章まで、幅広く活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(…するだけの)価値がある,(するに)値する《+名(doing)》
意味(2)
(…の)値打ちがある,(…と)同じ価値の《+名》
意味(3)
(…だけの)財産を持つ《+名》