the+比較級 (...), the+比較級
「~すればするほど」を表す比較級
以下の解説は、<the+比較級 …, the+比較級 …>を「同時に起きる変化」などを表す場合に用いる際のポイントを詳しくまとめたものです。さらに理解を深めるために、具体例や構造、注意点などもあわせて解説します。
1. 基本構造
<the+比較級 …, the+比較級 …>は、
「(前半) すればするほど、(後半) ますます~だ」
という意味を表す英文法表現です。「前半の状態が進むにつれて、後半の状態も変化していく」ことを示します。
例文
The more you study, the more you learn.
(勉強すればするほど、ますます多くを学ぶ)The harder you work, the more successful you will be.
(一生懸命働けば働くほど、ますます成功する)
これらの文では、「the+比較級」がセットで1つの接続詞のように扱われ、それに続く「主語+動詞」の形が2回繰り返されます。
2. 比較級の形
文の中で使われる比較級は、2つとも同じ単語になる場合もあれば、違う単語となる場合もあります。いずれにしても、構造は同じなので以下のポイントをおさえておきましょう。
同じ比較級を繰り返す場合
- The more, the more
- The harder, the harder
- など
- The more, the more
違う比較級を組み合わせる場合
- The earlier, the better
- The cheaper, the more popular
- など
- The earlier, the better
例文
The more I eat, the fatter I become.
(食べれば食べるほど、太っていく)
┗「more ~」と「fatter」が異なる比較級The older we get, the wiser we become.
(歳を重ねれば重ねるほど、より賢明になる)
┗「older」と「wiser」が異なる比較級The sooner you start, the sooner you finish.
(早く始めれば始めるほど、早く終わる)
┗「sooner」を繰り返している例
3. 成立のしくみ
「the+比較級」の “the” について
通常「 the + 比較級」というと「最上級の代わり?」と思いがちですが、ここでは異なる働きをしています。
- この “the” は、「何かが増えたり減ったり変化したりする度合いを示す」機能を持つと捉えるとわかりやすいでしょう。
- 2つ並ぶことで、「(前半) の変化に応じて、(後半) もこう変化する」という対応関係を強調しています。
「(the+比較級)+(主語+動詞)」の繰り返し
比較級の表現に続いて「主語+動詞」が置かれ、2つの節(the+比較級節)が連動して「同時に起きる変化」を示します。
- 前の節:変化のきっかけや原因
- 後の節:その結果どうなるか
4. 使い分けとバリエーション
A. 形容詞・副詞の比較級
比較級部分には形容詞だけでなく、副詞の比較級も含まれます。
- The faster he talks, the less I understand.
(彼が速く話せば話すほど、私はますます理解できなくなる)
B. 主語や動詞のバリエーション
「主語+動詞」は自由に変えられます。人物だけではなく、時や状況にも置き換え可能です。
- The more people gather, the louder the room becomes.
(人が集まれば集まるほど、部屋は騒がしくなる)
5. 注意点
置く位置を変えない
- 「The more I study, …」のように、the+比較級 は最初に置き、カンマで区切ったあとに「the+比較級 …」を続ける。両者の順番を入れ替えることは通常ありません。
- 稀に文尾に来る折り返し的な用法もありますが、一般的には上記の語順が多用されます。
- 「The more I study, …」のように、the+比較級 は最初に置き、カンマで区切ったあとに「the+比較級 …」を続ける。両者の順番を入れ替えることは通常ありません。
比較級のスペルと用法の確認
- 「big → bigger」、「easy → easier」、「good → better」など、形容詞・副詞ごとに比較級のスペルを確認しましょう。
「the+比較級」という構文であることを意識する
- The は通常の定冠詞 “the” ではなく、比較級を強調する特別な “the” であることを把握しておきましょう。
- The は通常の定冠詞 “the” ではなく、比較級を強調する特別な “the” であることを把握しておきましょう。
6. まとめ
<the+比較級 …, the+比較級 …>の構文は、「~すればするほど、その分だけ~になる」という“連動した変化”を表す際に非常に便利な表現です。
- 前の節 (the+比較級) が変化の原因・きっかけ
- 後の節 (the+比較級) がその結果・変化の内容
「比較級」には形容詞だけでなく副詞も使えるため、さまざまな場面で応用可能です。意味や強調したい部分に合わせて形容詞・副詞を選んでみましょう。
たとえば「行動とその結果」を結びつけたいときに、この構文を活用することで、自然な英語で「~すればするほど、~になる」という表現ができます。慣れるまでは、まずは短いフレーズ(The harder you work, the more you earn.)から練習してみるとよいでしょう。