形式目的語 it + that節
形式目的語itを使った第五文型(that節)
以下では、形式目的語 it + that節 について、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 形式目的語 it の役割
英語では、「~だと(思う・感じる)」「~なのが(すごい・不思議だ)」といった表現をしたいとき、本来の目的語が長くなりそうだと文が読みにくくなります。そこで、先に it を置いて内容をコンパクトにし、あとから that 節で本来の内容(真の目的語)を説明する構文がよく使われます。これを形式目的語 it + that節と呼びます。
2. 基本の形
「(主語) + (動詞) + it + (形容詞) + that節」
- I find it encouraging that these kinds of books are sold well.
- 直訳: 「私は、その本来の目的語(“these kinds of books are sold well”)が励みになる[encouraging]と感じる」
- 意味: 「これらの種類の本がよく売れていることは、私にとって励みになる」
主な動詞の例
- find(~だと感じる・思う)
- think(~だと思う)
- consider(~だと考える)
- feel(~だと感じる)
- make(~にさせる)
など
3. なぜ形式目的語を使うのか
文章のバランスをとるため
that 節や長いフレーズが目的語になると、文の後半が極端に長く複雑になります。先に it という短い語を入れて、そのあとに that 節を置くことで、読み手の負担が減ります。自然な英語表現にするため
「I find that these kinds of books are sold well encouraging.」という形では、一文の中に情報が詰め込まれすぎてしまい、不自然な響きになります。形式目的語の it を使った「I find it encouraging that these kinds of books are sold well.」の方が、英語として自然で理解しやすい文章になります。
4. 使用例
I find it strange that he didn’t call me.
- 「彼が私に電話をしなかったのは、不思議だと感じる。」
They thought it surprising that the museum was closed on Sunday.
- 「その美術館が日曜日に閉まっていたのは、彼らにとって驚きだった。」
We consider it crucial that you attend the meeting.
- 「あなたがその会議に出席することは、私たちにとって極めて重要だと考えています。」
Many people make it a rule that they read for 30 minutes every night.
- 「多くの人は、毎晩30分読書することを習慣にしている。」
→ この例のように、形容詞の代わりに a rule などの名詞句を置き、そのあとに that 節を続ける表現もあります。
- 「多くの人は、毎晩30分読書することを習慣にしている。」
5. まとめ
- 形式目的語 it は、内容の長い目的語をあとに回すための便利な構文です。
- 「(主語) + (動詞) + it + (形容詞 / 名詞句) + that節」という形を覚えておくと、自然で読みやすい英語表現を身につけられます。
- 特に「find it ~ that…」「think it ~ that…」「consider it ~ that…」などは、英作文で頻繁に使われる定番パターンです。
このように、長くなる that 節を後置し、先に it を仮の目的語として置くことで、英文の流れがスムーズになる点がポイントです。ぜひ活用してみてください。