as if/as though + 仮定法過去
「まるで~かのように」を表す仮定法
以下では、as if/as though + 仮定法過去
を用いて「まるで〜かのように」という意味を表すときのルールや注意点を、より詳しく、わかりやすく解説します。
1. 基本的な意味と役割
- as if / as though は、「まるで~であるかのように」「あたかも〜のように」といった意味を表す表現です。
- 「実際にはそうではないけれど、そう見える・そう感じる」というニュアンスを伝えるため、しばしば仮定法が用いられます。
2. 時制のパターン:主節と as if 節の対応
(1) 主節が現在形の場合 → as if 節は「仮定法過去」
- 主節が現在形の場合、as if 節の動詞は 過去形 にします。これは、いま目に見えている状況や感じていることが「実際とは異なる」ことを暗示させるためです。
例文
He talks as if he knew everything.
(彼はまるですべてを知っているかのように話す。)
→ 実際にはすべてを知っているわけではないと話し手は感じている。She looks as if she were sick.
(彼女はまるで病気であるかのように見える。)
→ 本当に病気かどうかは不明だが、病気のように見える。
なお、仮定法過去の時に “were” を使うのが文法的に正しい形とされますが、口語では “was” を使うことも多いです。
例: She looks as if she was sick.
(2) 主節が過去形の場合 → as if 節は「過去完了形」
- 主節が過去形の場合、as if 節の動詞は 過去完了形 (had + 過去分詞) にするのが一般的です。すでに起こったことを振り返り、「あの時、まるで〜だったかのように見えた・感じた」という表現になります。
例文
He looked as if he had known the answer.
(彼はその答えを知っていたかのように見えた。)
→ 実際に知っていたかは不明だが、過去の出来事について「知っていたように見えた」と述べる。She acted as if she had never met him.
(彼女はまるで彼に一度も会ったことがないかのように振る舞った。)
→ 過去の場面を述べていて、「実際には会ったことがあるかもしれないが、そうではないかのように振る舞った」というニュアンス。
3. as if / as though のバリエーション
- as if と as though は、意味や使い方がほぼ同じです。日常会話や文語どちらでも、好みや文の音の流れで使い分けられることが多いです。
- ただし、話し言葉では as if のほうが目にする・耳にする頻度が高い傾向があります。
4. 直説法を用いる場合
「本当にそうだ」と話し手が考えている場合や、事実の可能性が高いとみなしている場合、as if 節に仮定法ではなく直説法を用いることもあります。
例: He looks as if he is angry.(彼は本当に怒っているみたいに見えるね)
→ 仮定法を使わずに、かなり事実に近いと考えているケース。一方、仮定法を使う例: He looks as if he were angry.(彼は怒っているかのように見えるが、実際は違うかもしれない)
→ ”本当はそうではないかもしれない” というニュアンスを含む。
5. まとめ
- as if / as though は「まるで~かのように」という意味で用いられ、話し手が「事実とは異なる」「実際にはそうではない」と考えている状況を表現するときに、仮定法を使います。
- 主節が現在形の場合は as if 節を過去形に、主節が過去形の場合は as if 節を過去完了形に するのが基本的なルールです。
- 実際にその通りかもしれないと考える場合は、仮定法ではなく 直説法(普通の時制)を使うこともあります。
このルールを押さえておくと、英語で「実際にはそうではないが、そう感じる」「~のように見える」といった表現を自然に使いこなせるようになります。ぜひ例文をたくさん読んだり書いたりして、使い方を身につけてみてください。