元となった文法の項目
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A1.3-A2.1
副詞節: if
「もし~なら」を表すif
説明
以下では、副詞節としての if と、名詞節としての if の違いを中心に、より詳しくわかりやすく説明します。
1. 副詞節の if
意味と役割
副詞節の if は、「もし〜なら」という条件を表す節を作るときに使われます。日本語訳では「もし〜なら」「〜の場合は」に相当します。
- 例文:
- If it rains tomorrow, we will stay at home.
(もし明日雨が降るなら、私たちは家にいます。) - If I have time, I will help you.
(もし時間があれば、手伝いますよ。)
- If it rains tomorrow, we will stay at home.
直説法(現実的条件) と 仮定法(非現実的条件)
副詞節の if を使った条件文には、大きく分けて次の2種類があります。
直説法 (現実的な条件)
- 例: If + 現在形, 主節: will + 動詞
- If you study hard, you will pass the exam.
(一生懸命勉強すれば、試験に受かるでしょう。)
- If you study hard, you will pass the exam.
- 主節が「現在形」や「命令文」になる場合もあります。
- If you see him, tell him to call me.
(彼に会ったら、私に電話するよう伝えてください。)
- If you see him, tell him to call me.
- 例: If + 現在形, 主節: will + 動詞
仮定法 (非現実的な条件、時制をずらして表現)
- 過去形や過去完了形を使い、「現実にはそうでない状況」を表します。
- 仮定法過去
- If I were you, I would take that job.
(もし私があなただったら、その仕事を引き受けるのに。) - 実際には「私はあなたではない」という非現実の状況。
- If I were you, I would take that job.
- 仮定法過去完了
- If I had known the truth, I would have told you.
(もしその真実を知っていたなら、あなたに伝えていたのに。) - 実際には「知らなかった」という過去の非現実の状況。
- If I had known the truth, I would have told you.
2. 名詞節の if
意味と役割
名詞節としての if は、「〜かどうか」を表します。副詞節とは異なり、「条件」という意味ではなく、「~かどうか」をひとまとまりの内容として文中で使います。
- 例文:
- I wonder if he will come tomorrow.
(彼が明日来るかどうかしら。) - Could you tell me if this bus goes to the station?
(このバスが駅に行くかどうか教えていただけますか?)
- I wonder if he will come tomorrow.
if と whether の使い分け
名詞節で「〜かどうか」を表す際は、if の代わりに whether を使うこともできます。基本的にはどちらでも通じますが、下記のように whether のみ使える場合があります。
- 前置詞の目的語になる場合
- I’m interested in whether he will come. (◯)
- I’m interested in if he will come. (やや不自然)
- I’m interested in whether he will come. (◯)
- to 不定詞の前で
- I can’t decide whether to go or stay. (◯)
- I can’t decide if to go or stay. (不自然)
- I can’t decide whether to go or stay. (◯)
上記のような状況では、“whether” を使うのが一般的です。
3. よくある疑問点
条件文を表す副詞節の if と、名詞節の if を見分けるには?
- 意味に注目します。文全体で「もし〜なら」という条件の意味を担っていれば、副詞節です。
- 一方「〜かどうか」という「内容そのもの」を表していれば、名詞節です。
- 意味に注目します。文全体で「もし〜なら」という条件の意味を担っていれば、副詞節です。
副詞節の if は、文頭に来ても良いの?
- もちろん可能です。副詞節なので、文頭や文中、文末など柔軟に置けます。
- ただし、副詞節を文頭に置くときは、コンマで区切るのが一般的です。
- If it rains tomorrow, we will stay at home.
- We will stay at home if it rains tomorrow.
- If it rains tomorrow, we will stay at home.
- もちろん可能です。副詞節なので、文頭や文中、文末など柔軟に置けます。
仮定法の if 節で “were” を使うのはどうして?
- 仮定法過去では、be 動詞の過去形として「was」ではなく「were」を用いるのが伝統的な形です。特に「If I were you」の表現は定型句としてよく使われます。実際の会話では “was” を使う人もいますが、文法的には “were” が無難です。
まとめ
- 副詞節の if: 「もし〜なら(条件)」を表す。直説法 (現実的) と仮定法 (非現実的) がある。
- 名詞節の if: 「〜かどうか」を表す。自分が「内容そのものについて確認したい・知りたい」ときに用いる。
if 節が表す意味を正しく理解することで、英文の流れや意図を把握しやすくなります。条件を表すか、内容を問うかで使い方が異なるので、例文をたくさん読んだり書いたりして慣れていきましょう。