名詞+過去分詞 (後置修飾)
他の語句を伴って名詞を修飾する後置修飾の過去分詞
以下では、「名詞+過去分詞(後置修飾)」の特徴を、現在分詞との比較を交えつつ、できるだけ詳しくわかりやすく解説します。
分詞の大きな分類
英語の分詞は、大きく分けて以下の2種類があります。
- 現在分詞(動詞の原形+ing)
- 過去分詞(動詞の原形+edなど)
このうち、名詞を後ろから修飾する用法は「限定用法」とも呼ばれます。限定用法には、現在分詞・過去分詞のいずれも用いられ、名詞を説明する役割を果たします。たとえば
- 現在分詞:The girl standing by the window (窓のそばに立っている少女)
- 過去分詞:The book written by my friend (友人によって書かれた本)
のように、どちらも名詞を後ろから修飾しています。
「後置修飾」とは?
英語では、名詞を修飾する形容詞や形容詞句が「名詞の前」に置かれることが多いですが、分詞を含む長めの修飾語句(句や節)は「名詞の後ろ」に置かれることが一般的です。これを後置修飾(post-modification)と呼びます。
特に分詞(現在分詞・過去分詞)は、しばしば「ほかの語句を伴って」名詞を後ろから修飾します。例を見てみましょう。
The girl standing by the window is my friend.
- 「standing by the window」という分詞句(現在分詞+修飾語句)が「girl」を後ろから修飾。
The book written by my friend became a bestseller.
- 「written by my friend」という分詞句(過去分詞+修飾語句)が「book」を後ろから修飾。
過去分詞の後置修飾
特に「名詞+過去分詞」の形で後置修飾する場合は、「その名詞に対してすでに行われた動作」や「その名詞が受け身の関係にある動作」を表すことが多いです。
a letter written in English
- 「書かれている(行為を受けている)」→ 英語で書かれた手紙
an email sent yesterday
- 「送られている(行為を受けている)」→ 昨日送られたメール
a car damaged in the accident
- 「壊れた状態(行為を受けている)」→ その事故で損傷した車
上記の例では、いずれも名詞(letter, email, car)が「~される」または「~された」行為の対象になっている点に注目してください。
現在分詞との違い
現在分詞を使う場合は、名詞が動作主になっている(つまり“~している”)ことを表します。一方、過去分詞だと、名詞が動作の対象になっている(“~される/~された”)という受動的あるいは完了的なニュアンスを帯びます。
- The man walking down the street (現在分詞)
- その通りを歩いている男性(男性が“歩いている”動作を行っている)
- The man injured in the accident (過去分詞)
- その事故で負傷した男性(男性が“負傷させられた”動作を受けている)
分詞構文など他の用法との比較
1) 限定用法(形容詞的用法)
名詞を修飾する用法です。主に「名詞の前」か「名詞の後ろ(後置修飾)」に置かれます。後置修飾では、分詞が句をともなって長くなりやすいため、名詞の後ろに置かれることが多くなります。
2) 叙述用法(補語になる用法)
分詞が主語や補語(C)の位置に来て、主語を説明する働きをします。
例)The door remained locked.(そのドアは施錠されたままだった)
3) 分詞構文(副詞句的用法)
分詞を使って、副詞節や時・理由・条件などの意味をまとめて表す用法です。
例)Having finished my homework, I went out.(宿題を終えてから外出した)
ここで紹介した「後置修飾」とは、上記1)の限定用法の一部に当たります。
まとめ
- 過去分詞(名詞+過去分詞)を後ろから名詞に付けて修飾するときは、名詞が「~された」あるいは「~を受けた」という受動的・完了的なイメージを表す。
- 現在分詞の場合は、名詞が「~している」という能動的な動作や状態を表す。
- 分詞はほかにも叙述用法(補語)や分詞構文(副詞句)などの用法があり、特に限定用法で後ろに置かれるときは名詞を詳しく説明するために、分詞句が長くなることが多い。
- 後置修飾は、英語の名詞修飾で非常によく使われるパターンなので、例文を多く読み・作りながら身につけるのが効果的。
以上が、名詞+過去分詞(後置修飾)を中心とした分詞の使い方の解説です。日常の英語や文章で見かけた際には、この視点から「名詞がどんな状態か」「その名詞にどんな動作が行われたのか」を考えると、文脈をより正確に理解できるでしょう。ぜひ学習に役立ててみてください。