unrest

以下では、英単語 unrest について、学習者向けにできるだけ詳しく解説します。

1. 基本情報と概要

単語: unrest

品詞: 名詞 (不可算名詞)

CEFRレベル: B2（中上級）

• 政治的・社会的な話題に関する語であり、やや高度な文脈で使われることが多いため、B2程度のレベルと考えられます。

意味（英語）

• “Unrest” means a state of dissatisfaction, disturbance, or agitation among people. It often refers to social or political turbulence.

意味（日本語）

• 「不安定な状態」や「騒乱状態」を指します。特に社会や政治における混乱や騒ぎのある状態のことを指す場合が多いです。
  


• たとえば、デモや抗議活動、経済的・政治的な混乱の際に使われます。「落ち着かない雰囲気がある」「人々が不満を抱えている」といったニュアンスが含まれます。

活用形

• 「unrest」は不可算名詞なので、複数形にはなりません。
  


• “There is unrest.” “There was unrest.” のように単数形の扱いをします。

他の品詞形

• 「unrest」は基本的には名詞で、形容詞形や動詞形などはほぼ存在しません。（参考として、「restless（形容詞）」は “落ち着かない” という意味ですが、unrest の直接的な形容詞形ではありません）

2. 語構成と詳細な意味

• 接頭語「un-」: 「～でない」「否定」を表す接頭語
  


• 語幹「rest」: 「休息」「静止」「落ち着き」といった意味

「rest」が「休息・静けさ」を表すのに対し、その反対の「unrest」は「休息のない状態」「静けさの欠如」、すなわち「不安定」「混乱」を意味します。

関連する派生語・類縁語

• 「restless」(形容詞): 落ち着かない
  


• 「rest」(名詞/動詞): 休息、休む

よく使われるコロケーション（共起表現）や関連フレーズ10選

1. social unrest（社会的不安）
   


2. political unrest（政治的不安）
   


3. civil unrest（市民の騒乱）
   


4. widespread unrest（広範囲に及ぶ騒乱）
   


5. growing unrest（高まる不満・騒乱）
   


6. mounting unrest（増大する混乱/動揺）
   


7. industrial unrest（労働者ストライキなどの産業不安）
   


8. a period of unrest（不安定な時期）
   


9. quell unrest（騒乱を鎮める）
   


10. spark unrest（騒乱を引き起こす）

3. 語源とニュアンス

語源

• 「unrest」は中世英語から見られる言い回しで、「un-（～でない）」+「rest（静止、休息）」から成り立ち、文字通り「休まらない状態」という意味を持ちます。

ニュアンス

• 社会や政治関連でよく使われ、デモや抗議運動、ストライキなどの状態を表す際に便利です。
  


• 公的な文章や報道(ニュース)で使われることが多く、フォーマルなニュアンスを帯びやすい単語ですが、日常会話でも「社会の不安」に言及する場合などに使用可能です。

4. 文法的な特徴と構文

1. 名詞（不可算名詞）: “unrest” は不可算名詞なので、基本的に「an unrest」「unrests」とはしません。
   
   
   
   • 例: “There was civil unrest in the region.”（その地域では市民の騒乱があった）
     
   
   


2. 構文例: “There is/was + unrest + 場所/期間/状況”
   
   
   
   • 例: “There is unrest among the workers.”
     
   
   


3. 日常的な会話ではあまり多用されませんが、ニュースやレポートなどフォーマル／報道的文脈でよく使われます。

5. 実例と例文

ここでは日常会話・ビジネス・学術的な文脈でそれぞれ3例ずつ示します。

(A) 日常会話の例文

1. “I heard there’s some unrest in the downtown area tonight.”
   
   （今夜はダウンタウンで少し騒ぎが起きているらしいよ。）




2. “People are worried about the growing unrest in the neighboring country.”
   
   （近隣国で高まっている不安定な状況をみんな心配しているよ。）




3. “With all this unrest, traveling there might be risky.”
   
   （この騒乱があるから、そこに旅行するのはちょっと危ないかもね。）

(B) ビジネスの例文

1. “The company saw a period of unrest among the employees following the new policy.”
   
   （新しい方針を受けて、従業員の間に不安定な時期が続いた。）




2. “Share prices dropped due to political unrest in the region.”
   
   （地域の政治的混乱のため、株価が下落した。）




3. “We need to address the unrest before it affects our international operations.”
   
   （国際的な事業に影響が出る前に、この不安定な状況に対処しないといけない。）

(C) 学術的な文脈の例文

1. “The study examines the correlation between economic inequality and social unrest.”
   
   （その研究は経済的不平等と社会的不安の相関関係を調査している。）




2. “Historical data indicates that unrest tends to rise during periods of rapid social change.”
   
   （歴史的なデータは、急激な社会変化の時期に騒乱が高まる傾向を示している。）




3. “Scholars believe that cultural misunderstanding can lead to prolonged unrest in diverse regions.”
   
   （学者たちは、文化的な誤解が多様な地域で長期的な不安定状態を招く可能性があると考えている。）

6. 類義語・反意語と比較

類義語 (Synonyms)

1. turmoil（混乱）
   
   
   
   • unrest よりも激しい混乱を示唆することが多い。
     
   
   


2. disturbance（騒動）
   
   
   
   • 規模が小さい騒ぎや“混乱”にも使われる。
     
   
   


3. disorder（無秩序）
   
   
   
   • 社会的秩序やルールの乱れを強調する。
     
   
   


4. agitation（扇動・興奮）
   
   
   
   • 不安だけでなく、人を煽(あお)るニュアンスも含む。
     
   
   


5. turbulence（動揺・乱気流）
   
   
   
   • 変動が大きく揺れ動くイメージ。社会・政治情勢にも使われる。
   
   

反意語 (Antonyms)

1. peace（平和）
   


2. stability（安定）
   


3. order（秩序）
   


4. calmness（落ち着き）
   

“Unrest” は「騒乱」「不安定」などを表すため、「平和」や「安定」の反意語があります。

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号（IPA）: /ʌnˈrɛst/
  


• アクセント: “un-REST” のように後ろにアクセントがきます。
  


• アメリカ英語 / イギリス英語: ほとんど同じ発音です。
  
  
  
  • アメリカ英語: /ʌnˈrɛst/
    
  
  
  • イギリス英語: /ʌnˈrɛst/
    
  
  


• よくある発音の間違い:
  
  
  
  • “un–rest” のように区切る人がいますが、基本的には滑らかにつなげて発音します。
    
  
  
  • “rest” 部分を /reɪst/ と発音してしまう等のミスに注意しましょう。
  
  

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. スペルミス: 「unrest」とつづる際に “unrest” の最後に “e” を付けてしまうなどがあるので注意。
   


2. 可算・不可算の混同: 「an unrest」「unrests」という形は通常とらない。
   


3. 同音異義語との混同: 同音異義語自体は少ないですが、「un- + rest」なので「un」や「rest」と誤変換しやすい。
   


4. 試験での注意: TOEICや英検などの長文読解において、「騒乱」「不安定な状態」を示す際に出題されやすい単語の一つです。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「un + rest = 休めない（＝落ち着かない状態）」というイメージで覚えるとわかりやすいです。
  


• 「憩い(rest)がない状態」と覚えると、社会や状況が「ざわざわしている」「不穏である」というニュアンスが頭に残りやすいでしょう。
  


• 「社会科のニュース」や「歴史の事件」などで「暴動・騒乱」というシーンをイメージして覚えるのも効果的です。

以上が、名詞 unrest の詳細解説です。社会や政治で起こる騒乱や不安定状態を表す便利な単語ですので、ニュース記事やアカデミックな文章を読むときにぜひマスターしておきましょう。