元となった辞書の項目
third person
解説
1. 基本情報と概要
英単語: third person
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベルの目安: B1 (中級)
英語での意味
- 「third person」は、文法上の「三人称」を指す言葉です。
- 文や会話において、「話し手 (first person)」「聞き手 (second person)」以外の人物を指摘する場合に使います。
日本語での意味
- 「三人称」という意味です。
- 文法の用語として、話し手でも聞き手でもない人物・ものを指し、“彼、彼女、彼ら”などが該当します。日常会話でも、「彼ってさ…」といった第三者のことを指すときにイメージがしやすい単語です。物語などでは“彼女は~した”のように、ナレーションが三人称視点になる場合に使われます。
活用形
- 「third person」は名詞として、特別な複数形はありませんが、文脈によって「third persons」と書かれることもごくまれにあります(多くの場合は不可算的に使われることが多い)。
- 他の品詞形は基本的にはありませんが、関連表現として形容詞的に「third-person narrative(第三者視点の語り)」などがあります。
2. 語構成と詳細な意味
- 「third person」は、次の2語から構成されています。
- third (3番目の)
- person (人、または文法上の人称)
- third (3番目の)
関連表現 (コロケーション) 10選
- third-person viewpoint
(三人称視点) - third-person narrative
(三人称の叙述・物語) - third-person pronouns
(三人称代名詞) - in the third person
(三人称で / 三人称の視点で) - third-person singular
(三人称単数形) - third-person plural
(三人称複数形) - third-person perspective
(第三者視点 / 三人称視点) - third-person shooter
(三人称視点のシューティングゲーム) - speak in the third person
(三人称で話す) - third-person form
(三人称形)
3. 語源とニュアンス
- 「third person」という表現は、ラテン語の語法などにも見られるように、古くから文法用語として使われてきました。英語においても、古フランス語経由の「person」と古い数字表現である「third」が合わさり、文法用語として確立しています。
- 使用時のニュアンスとしては、自分や相手以外の存在を指し示すという点で、客観的あるいは外部からの視点を与えるイメージがあります。特に物語・論文・説明文などでは、三人称表現によって距離を取り、客観性を高める役割を果たします。
- 日常会話でも、冗談交じりに自分を「彼」として話すなど、わざと「third person」を使うことで、おかしみやユーモアを出すことがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 「third person」は名詞として使われます。特に数を意識する場合は “third persons” のように複数形も可能ですが、あまり頻繁には使われません。
- 主に文法用語として、英語の動詞の活用が「三人称単数」でどうなるか(例: “He runs” のように -s が付く)を説明するときに用いられます。
- 可算名詞としても扱えますが、抽象的に使われる場合(「三人称(の概念)」など)は不可算的な使い方も見られます。
よくある構文やイディオム
- “(to speak) in the third person” → (話すときに)三人称で話す
- “(a) third-person viewpoint” → 三人称視点
- “switch to the third person” → 三人称に切り替える
5. 実例と例文
日常会話(Casual)
- “I find it funny when someone refers to themselves in the third person, like, ‘John wants more coffee.’”
(誰かが自分のことを三人称で言うのって面白いよね。「ジョンはもっとコーヒーが欲しい」みたいに。) - “He always writes stories from a third-person perspective.”
(彼はいつも三人称視点で物語を書いているよ。) - “Talking about yourself in the third person can sound bizarre in everyday conversation.”
(日常会話で自分を三人称で話すのは、ちょっと奇妙に聞こえるかも。)
ビジネス(Formal)
- “Our company’s policy is to use third-person references in official reports.”
(我が社では公式の報告書には三人称表記を使う方針です。) - “When drafting formal documents, please maintain a third-person style throughout.”
(正式文書を作成する際は、全体を通して三人称の文体を維持してください。) - “The PR statement was written in the third person to appear more professional.”
(その広報声明は、よりプロフェッショナルに見せるために三人称で書かれています。)
学術的な文脈(Academic)
- “In academic writing, many journals suggest using the third person instead of the first person.”
(学術論文執筆では、多くの学術雑誌が一人称より三人称を使用するよう推奨しています。) - “A third-person narrative allows for an objective viewpoint, minimizing personal bias.”
(三人称の叙述は客観的視点を可能にし、個人的な偏見を最小限に抑えます。) - “Analyzing the use of nouns and pronouns in the third person is crucial for understanding narrative voice.”
(物語の声(ナラティブ・ボイス)を理解するには、三人称で使用される名詞や代名詞の用法を分析することが重要です。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “third-person perspective” (三人称視点)
- “third person” との違いは、やや文体的かつ「視点」にフォーカスしている点。
- “third person” との違いは、やや文体的かつ「視点」にフォーカスしている点。
- “narrator’s voice” (語り手の声)
- 「third person」の一部として意味が重なるが、語り手が三人称かどうかを示す表現として使われる。
反意語
- “first person” (一人称)
- 話し手自身を指す表現。「I, we」など。
- 話し手自身を指す表現。「I, we」など。
- “second person” (二人称)
- 相手を指す表現。「you」など。
- 相手を指す表現。「you」など。
これらと比較すると「third person」は、より客観的・外部の視点を表す単語です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA):
- third: /θɜːrd/ (米), /θɜːd/ (英)
- person: /ˈpɜːrsn/ (米), /ˈpɜːsn/ (英)
- third: /θɜːrd/ (米), /θɜːd/ (英)
アクセントは “third” より、「person」の前に来る “per-” の部分に強勢があります(/ˈpɜːr.sn/)。ただし、「third person」と続けて言うときは、全体のフレーズとしてそれぞれに平坦なリズムが生じやすいです。
よくある間違いとして、/θ/ の発音(舌を歯で挟む音)を /s/ や /t/ と混同する場合があります。また、“person”の末尾を “-son” ではなく “-san” や “-sen” と誤って発音しないよう注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスとして“thrid” や “thurd” などが発生しやすいので注意しましょう。
- “third person” は文法用語としても重要で、TOEICや英検などの文法問題で「三人称単数」の活用に関する設問が頻出します。特に動詞の -s/-es の付加を問う問題がよく出るので、合わせて覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “1st person → I(自分)、2nd person → you(あなた)、そして…3rd person → 他人!” と覚えるとわかりやすいです。
- マルチプレイヤーのゲームで「一人称視点 (FPS)」と「三人称視点 (TPS)」があるように、視点=person だとイメージすると理解がしやすくなります。
- “third person” は「話し手でも聞き手でもない人」と覚えましょう。視点の切り替えを意識すると、英語での表現力がぐっと上がります。
以上が名詞の “third person” の詳細な解説です。文章を書くときや会話で視点を整理するときに役立つ用語なので、ぜひ覚えておきましょう。
意味のイメージ
意味(1)
《the ~》(文法で)第三人称(he,she,they,a dog,these houses など)