元となった辞書の項目
stammer
解説
1. 基本情報と概要
単語: stammer
品詞: 動詞(自動詞・他動詞として使用されることがある)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 日常的な話題だけでなく、幅広いトピックを理解し、自分の意見を表現できるレベルです。
意味(英語・日本語)
- 英語: “to speak with involuntary pauses or repetitions of sounds, often struggling to get words out smoothly.”
- 日本語: 「言葉を円滑につなげるのが難しく、音を繰り返したり途切れたりしながら話すこと」という意味です。
「stammer」は、人が言葉を詰まらせたり、舌がもつれて何度も同じ音を繰り返してしまう様子を表現する動詞です。「緊張で言葉が出なくなってしまった」「どもる」といったニュアンスで、主に話す場面で使われます。
活用形
- 原形: stammer
- 三人称単数現在形: stammers
- 現在分詞 / 動名詞: stammering
- 過去形: stammered
- 過去分詞: stammered
他の品詞形
- 名詞形(例): stammer(どもりや吃音を意味)
- 例: He has a slight stammer.(彼は少しどもる癖があります。)
2. 語構成と詳細な意味
“stammer”は、一つのまとまった語であり、特に目立った接頭語や接尾語はありません。ただし、以下のような関連語があります。
- stammerer (名詞): どもる人
- stammering (形容詞/動名詞): どもること / どもっている状態
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- stammer nervously(緊張してどもる)
- begin to stammer(どもり始める)
- speak with a stammer(どもりながら話す)
- stammer out an apology(謝罪をどもりながら口にする)
- overcome a stammer(どもりを克服する)
- nervous stammer(緊張からくるどもり)
- slight stammer(軽いどもり)
- stammer in embarrassment(恥ずかしそうにどもる)
- stammer repeatedly(何度もどもる)
- manage to stammer(何とかどもりながら言葉を発する)
3. 語源とニュアンス
語源
- “stammer”は古英語の “stamerian” という言葉に由来し、古代から「どもる」という意味を持っていました。中英語期や近代英語期を経て、現在のスペリングと意味が定着しました。
ニュアンス・使用上の注意
- ニュアンス: 生理的・心理的な原因で言葉が詰まるようなイメージがあり、相手に「緊張している」「怖がっている」「吃音がある」といった感情や状況を想起させます。
- 状況: カジュアルでもフォーマルでも使えますが、医学的な文脈では「吃音(stuttering)」という表現がよく使われる一方、日常会話では「stammer」もよく用いられます。相手のデリケートな状況に触れる場合が多いため、ニュアンスとしては配慮が必要です。
4. 文法的な特徴と構文
自動詞・他動詞:
- 自動詞の場合: “He stammered a bit when he was nervous.”
- 他動詞の場合: “He stammered his name when they asked him.”
- 自動詞の場合: “He stammered a bit when he was nervous.”
イディオム的表現:
- “to stammer out (something)”
- 「~をどもりながら言う・かろうじて口にする」という意味があります。
- 例: “He stammered out his apology.”
- “to stammer out (something)”
主に会話やナラティブ文で用いられ、どちらかと言えば「話し言葉寄り」の表現ですが、文章表現でも、登場人物の状態を描写するためにしばしば用いられます。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I sometimes stammer when I’m really excited.”
- 「すごく興奮しているときは、ときどきどもってしまうんだ。」
- “Could you repeat that? I thought I heard you stammer.”
- 「もう一度言ってくれる? どもっていたように聞こえたんだけど。」
- “He tends to stammer whenever he speaks about his crush.”
- 「彼は好きな人の話をするときはいつもどもりがちです。」
ビジネスでの例文(3つ)
- “During the presentation, he began to stammer slightly due to stage fright.”
- 「プレゼン中に、彼はあがってしまって少しどもり始めました。」
- “If you feel yourself starting to stammer, take a deep breath and slow down.”
- 「もしどもりそうになったら、一度深呼吸してゆっくり話すようにするといいですよ。」
- “He stammered a response when questioned about the sales figures.”
- 「販売実績について問われたとき、彼はどもりながら答えました。」
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “The researcher conducted a study on children who stammer and found various contributing factors.”
- 「研究者は、どもる子どもを対象とした調査を行い、さまざまな要因があることを突き止めました。」
- “Therapy for individuals who stammer often focuses on behavioral and speech techniques.”
- 「どもる人々向けの療法は、行動訓練や発話技術に重点を置くことが多いです。」
- “Stammering can have psychological impacts, making the affected individual more self-conscious.”
- 「吃音(どもり)は心理的影響を及ぼし、当事者がさらに自意識過剰になってしまう可能性があります。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- stutter(どもる)
- “stutter”は“stammer”とほぼ同じ意味ですが、医学的・専門的な文脈では“stutter”がよく使われます。
- “stutter”は特に「同じ音や語の反復」に焦点が強い印象です。
- “stutter”は“stammer”とほぼ同じ意味ですが、医学的・専門的な文脈では“stutter”がよく使われます。
- falter((声や足取りなどが)よろめく、口ごもる)
- 「ためらってハッキリ言葉を発せられない」ニュアンスがあります。“stammer”よりも一時的な躊躇を表すイメージで、声や行動が弱くなる感じを強調します。
反意語
- 明確な反意語はありませんが、「流暢に話す」という意味の「speak fluently」などが反対の概念表現になります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈstæm.ər/ (米: /ˈstæm.ɚ/, 英: /ˈstæm.ər/)
- アクセントは、最初の音節 “stam-” に置かれます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ英語では語尾の “-er” が /ɚ/(巻き舌の「アー」音)に近く、イギリス英語では /ər/(軽めの「アー」音)になります。
- アメリカ英語では語尾の “-er” が /ɚ/(巻き舌の「アー」音)に近く、イギリス英語では /ər/(軽めの「アー」音)になります。
- よくある発音の間違い: “stumber”や“strammer”のように余計な音を入れてしまうこと。また母音を “o” や “u” のように変えてしまうミスに注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「stammer」と「stutter」をほぼ同じ意味として混同しがちですが、厳密には専門的な文脈での使われ方が異なります。
- スペリングは「m」が二重子音になっている点に注意しましょう(“stamer”ではなく “stammer”)。
- 試験対策(TOEIC・英検など)では、「どもりを表す語としては “stutter” の方が見かける頻度が高い」かもしれませんが、“stammer”も混ぜて出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「スタマー(stammer)=舌が巻いてママーっと息切れしたように話す」など、音から連想して覚えるとよいでしょう。
- 「どもる」というシーンをドラマや映画で見聞きすると、イメージと一緒に単語を記憶へ結びつけやすくなります。
- 鏡の前で、自分でどもる演技をして(実際に “stammer” を使って)発話練習すると、実際の発音も定着しやすいです。
以上が、動詞 “stammer” の詳細な解説です。日常会話からビジネス・研究領域まで幅広く使われる単語ですが、使うときは相手の状況に配慮しながら正しく使うことが大切です。
意味のイメージ
意味(1)
どもる,口ごもる
意味(2)
…‘を'どもりながら言う《+out+名,+名+out》
意味(3)
どもり,口ごもり