scar
以下では、名詞 scar
(スカー)について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英語での意味
“scar” = A mark left on the skin or within body tissue after a wound has healed.
日本語での意味
「傷跡」という意味を持つ名詞です。ケガややけど、手術の跡など、完全に治った後に残る痕のことを指します。「転んでできた足の傷跡」や「手術の縫い跡」など、身体的な範囲はもちろん、比喩的に「心の傷跡」という表現にも使われます。
「傷跡」というだけでなく、経験による深いトラウマなど、精神的な“残ってしまった痕”を表す時にも用いられます。
- 品詞: 名詞 (countable noun: 可算名詞)
- 活用形: 通常は「scar(s)」と複数形になります。
例)I have a scar. / I have two scars. - 他の品詞例: 動詞としても「to scar」として使われ、「傷跡を残す」の意味で使います。
例)That accident scarred him for life.(あの事故は生涯にわたる傷跡を彼に残した。)
CEFRレベル
B1(中級)程度の語彙
・日常会話で出てくる可能性があり、多少専門的な文脈でも登場する単語です。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語・接尾語: 特に明示的な接頭語・接尾語はありません。
- 語幹: “scar”
- 他の単語との関連性: “scarred” (形容詞・動詞の過去形)、 “scarring” (動名詞・形容詞的用法) などがあります。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- facial scar(顔の傷跡)
- emotional scar(心の傷跡)
- deep scar(深い傷跡)
- scar tissue(瘢痕組織)
- leave a scar(傷跡を残す)
- permanent scar(永久的な傷跡)
- psychological scar(心理的な傷跡)
- scar removal(傷跡除去)
- scar on one’s heart(心の傷)
- scar over(傷跡が固まる・塞がる)
3. 語源とニュアンス
語源
“scar”は中英語(Middle English)で“skar”として現れ、さらに古ノルド語(Old Norse)の“skarð”=「切れ込み」や「切り込み跡」に由来するとされています。
ニュアンス
- 【身体的な傷跡】と【心理的な傷跡】の両方に用いられる。
- 比喩的に使う場合は「過去の痛ましい出来事が心に残した影響」というニュアンスが強まります。
使用される場面
- カジュアルでもフォーマルでもどちらでも使われる語です。医療現場の説明でも、個人の日常会話でも登場しやすい単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (countable): 通常「a scar」「two scars」として用いられます。
- 他動詞形 (to scar): “to cause a scar” → 「傷跡を作る」「ダメージを残す」
一般的な構文やイディオム
- “leave a scar on 〜”
- 例)The war left a deep scar on both countries. (その戦争は両国に深い傷跡を残した。)
- 例)The war left a deep scar on both countries. (その戦争は両国に深い傷跡を残した。)
- “scar over”
- 例)The wound eventually scarred over. (傷口は最終的に塞がった。)
- 例)The wound eventually scarred over. (傷口は最終的に塞がった。)
- “scarred for life”
- 例)He was scarred for life by the accident. (彼はその事故のせいで一生心の傷を負った。)
5. 実例と例文
① 日常会話での例文
- “I have a small scar on my knee from when I fell off my bike.”
- 自転車から転んだときにできた膝の小さな傷跡があるよ。
- 自転車から転んだときにできた膝の小さな傷跡があるよ。
- “She’s a bit self-conscious about the scar on her forehead.”
- 彼女は額の傷跡を少し気にしているんだ。
- 彼女は額の傷跡を少し気にしているんだ。
- “That movie really left a scar on my mind; it was so disturbing.”
- あの映画は本当に心に傷を残したよ。すごく不気味だったからね。
② ビジネスシーンでの例文
- “Our company’s reputation still bears the scar of the previous scandal.”
- わが社の評判は、まだ以前のスキャンダルの傷跡を負っている。
- わが社の評判は、まだ以前のスキャンダルの傷跡を負っている。
- “Even minor conflicts can leave deep scars in a team if not handled properly.”
- 小さな衝突でも、適切に対処しないとチームに深い傷跡を残しかねない。
- 小さな衝突でも、適切に対処しないとチームに深い傷跡を残しかねない。
- “We want to address any scars left by this restructuring process.”
- 今回のリストラクチャリングで残った傷跡を解決したい。
③ 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “This type of surgery often results in minimal scarring.”
- この種類の手術は、通常、傷跡が最小限に抑えられる。
- この種類の手術は、通常、傷跡が最小限に抑えられる。
- “Psychological scars from traumatic experiences can persist for decades.”
- トラウマ的な経験から生じる心理的な傷跡は何十年も続くことがある。
- トラウマ的な経験から生じる心理的な傷跡は何十年も続くことがある。
- “Researchers studied scar formation in regenerative medicine to improve healing outcomes.”
- 研究者たちは再生医療の分野で治癒効果を高めるために傷跡の形成過程を調査した。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- mark(印)
- 一般的に何かが付いた痕を指す。必ずしも傷ではない。
- 一般的に何かが付いた痕を指す。必ずしも傷ではない。
- blemish(欠点・汚れ・しみ)
- 肌や物にできた“しみ”や“汚れ”を指す場合が多い。
- 肌や物にできた“しみ”や“汚れ”を指す場合が多い。
- disfigurement(外観を損なうもの)
- 元の状態を損なう傷で、より外見的なダメージを強調する。
- 元の状態を損なう傷で、より外見的なダメージを強調する。
- wound(傷)
- ケガや外傷そのもの。治癒前の生きた痛みを含むニュアンス。
- ケガや外傷そのもの。治癒前の生きた痛みを含むニュアンス。
- trauma(トラウマ)
- 心理的ダメージを指す時によく使われ、そのダメージ自体を表す。
反意語
厳密な反意語は存在しませんが、強いて言えば「healed skin(完治した肌)」や「unblemished skin(傷のない肌)」「intact skin(損なわれていない肌)」などが挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
IPA(国際音声記号):
- 米音: /skɑr/
- 英音: /skɑː/
- 米音: /skɑr/
アクセント: 「スカー」で一音節。語頭の “s” に続く「カァ」の部分がやや強めに発音されます。
アメリカ英語とイギリス英語の違い: アメリカ英語は “r” がはっきり発音され、発音が「スカー」に近い。一方イギリス英語では最後の “r” はあまり強く発音されず、「スカー(rはほぼ聞こえない)」のようになります。
よくある間違い: “score” (スコア) など別単語と混同することがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “scar” と “scare” (怖がらせる) を混同しがちなので注意してください。
- 同音異義語ではありませんが、スペリングが似ているためタイプミスが起こりやすいです。
- 試験対策(TOEIC・英検など)では、身体的傷跡だけでなく「過去の出来事による心理的ダメージ」を指す文脈で出題されることもあるため、比喩的な使い方も押さえておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「スカー」=「“スカッ”と切り跡が残る感じ」とイメージすると覚えやすいかもしれません。
- 形やスペルが似ている「scare(怖がらせる)」と区別するときは、a と r の位置(scar vs. scare)を意識しましょう。
- また、「心の傷跡」として使われる際にも頻出するため、映画や物語など心の傷を扱うシーンを思い出すと覚えやすいでしょう。
以上が名詞 scar
(スカー)の詳細解説です。身体的な傷跡だけではなく、比喩的に「心の傷」という意味合いでもよく使われる単語なので、ぜひ例文やコロケーションとあわせて覚えてみてください。
(皮膚の)傷跡;(物の表面の)傷跡
心の傷跡,痛手;(名誉などを傷つける)汚点
(植物の茎などに残る)葉印,葉痕(ようこん)