元となった辞書の項目
paralysis
IPA(発音記号)
解説
以下では、英単語「paralysis(名詞)」について、できるだけ詳細に解説します。
1. 基本情報と概要
英語: paralysis
日本語: 麻痺、まひ(比喩的に、機能不全・行動停止状態にも使われる)
品詞: 名詞(不可算名詞として扱われることが多い)
意味と概要
- 英語: “Paralysis” refers to the loss of the ability to move or feel part (or all) of the body. It can also figuratively mean a state of inactivity or inability to act or function.
- 日本語: 「身体の一部あるいは全身を動かす能力(または感覚)を失った状態」を指します。比喩的には、過度の恐怖や混乱などで“動けない”ほど判断力が鈍る状態も指します。
例えば、「考えがまとまらず行動できない」「恐怖で身がすくむ」などの状況で使われます。
活用形
- 名詞なので動詞のように時制などの活用はありませんが、関連する動詞や形容詞は次のとおりです:
- 動詞: paralyze / paralyse(イギリス英語)
- 形容詞: paralyzed, paralyzing, paralytic
- 動詞: paralyze / paralyse(イギリス英語)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級): 医療や比喩表現など、少し専門的かつ論理的文脈で用いられる単語であり、一般的なトピック以下のレベルではやや難しめです。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語「para-」: “そばに、横に”や“異常な”などのニュアンスを持つギリシャ語由来の要素
- 語幹「lysis」: “緩める、分解する”を意味するギリシャ語 “lysis” に由来
このように「paralysis」は、もともと「横から(あるいは異常に)緩められた状態」というニュアンスを持っています。
関連語や派生語
- paralyze (verb): 麻痺させる
- paralytic (adj): 麻痺の、麻痺した
- paralyzing (adj): 麻痺させるような、動けなくなるほどの
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- partial paralysis(部分的な麻痺)
- total paralysis(完全な麻痺)
- sleep paralysis(金縛り)
- fear-induced paralysis(恐怖による麻痺)
- analysis paralysis(考えすぎて動けなくなる状態)
- sudden onset of paralysis(突然始まる麻痺)
- paralysis of the left side(左半身の麻痺)
- mental paralysis(思考の麻痺)
- overcome paralysis(麻痺を克服する/機能不全状態を克服する)
- induce paralysis(麻痺を引き起こす)
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古代ギリシャ語の「παράλυσις (parálusis)」に由来し、「para-(そばで)」+「lysis(緩める)」という組み合わせから、「身体の一部、あるいは機能を失わせること」の意味が派生しました。
- ニュアンス:
- 医学的には「脳や神経、筋肉などの異常による身体の麻痺」を表します。
- 比喩的には「強い恐怖、混乱、過度な分析などにより、行動不能に陥る状態」を示します。
- フォーマルな文章から日常会話まで、やや硬めながら幅広い文脈で使われます。
- 医学的には「脳や神経、筋肉などの異常による身体の麻痺」を表します。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞(不可算名詞): 通常は「a paralysis」とは言わず、単独で「paralysis」として扱います。
- 「paralysis of ~」の形をよく取り、「~が麻痺している状態」という表現をします。
一般的な構文やイディオム
- analysis paralysis: 考えすぎて結局行動に移せない状態
- be paralyzed with fear: 恐怖で身動きが取れない
5. 実例と例文
日常会話での例文(カジュアル)
- “I felt a brief paralysis when I saw a huge spider in the kitchen.”
「キッチンで大きなクモを見たとき、一瞬体がすくんで動けなかったよ。」 - “He experienced sleep paralysis for the first time last night.”
「彼は昨夜、初めて金縛りに遭ったんだ。」 - “Sometimes I get mental paralysis when I have too many choices.”
「選択肢が多すぎると、ときどき頭がパンクして動きが取れなくなるんだよね。」
ビジネスシーン(少しフォーマル)
- “The project reached a state of paralysis due to a lack of clear direction.”
「明確な指針がなかったため、プロジェクトは機能不全状態に陥りました。」 - “The committee suffered from analysis paralysis, delaying critical decisions.”
「委員会は“考え過ぎで動けない状態”に陥り、重要な決定が遅れました。」 - “We need immediate action to avoid organizational paralysis.”
「組織的麻痺を避けるため、速やかな行動が必要です。」
学術的・医療文脈
- “Spinal cord injury can lead to complete paralysis of the lower limbs.”
「脊髄損傷は下半身の完全な麻痺を引き起こす可能性があります。」 - “Neurologists studied the patient’s paralysis to determine the underlying cause.”
「神経科医は患者の麻痺の原因を特定するために詳しく調べた。」 - “Early intervention is crucial to minimize long-term paralysis.”
「長期的な麻痺を最小限に抑えるには、早期に介入することが重要です。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- immobility(不動)
- 動かせない状態の総称。身体的な動きに限る傾向。
- 動かせない状態の総称。身体的な動きに限る傾向。
- inability to move(体が動かせないこと)
- より直接的に「動けない」ことを説明するフレーズ。
- より直接的に「動けない」ことを説明するフレーズ。
- stasis(停止状態)
- 医学的には血液や体液の停滞、比喩的には状態の停滞を指す。
反意語
- mobility(可動性)
- 自由に動ける状態を指す。
- 自由に動ける状態を指す。
- movement(動き)
- 「まったく動きのない状態」とは対極にある。
類義語との違い:
- “paralysis” は医療的・比喩的に「麻痺し、機能しない状態」を特に強調します。
- “immobility” は「動けないこと」をより広範な意味で指しますが、麻痺の原因まで含意しない場合があります。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(国際音声記号): /pəˈræl.ə.sɪs/
- アメリカ英語でもイギリス英語でも大きな違いはありませんが、強勢は第2音節 “ral” の部分に置かれます。
- アメリカ英語でもイギリス英語でも大きな違いはありませんが、強勢は第2音節 “ral” の部分に置かれます。
- 発音の注意点: “ra” の部分をはっきりと発音し、最後の “-sis” は弱めに [sɪs] と発音します。
- よくある間違い: “paralysis” の “l” を重ねて “parallisis” としてしまうスペルミス。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “paralysis” の “y” を忘れて “paralisis” と書いてしまうなど。
- 動詞との混同: “paralyze” と “paralysis” はつづりが似ていますが、品詞が異なります。
- 資格試験での出題: 医療や心理に関する文章で “sleep paralysis” や “analysis paralysis” が出題されることがあります。文脈から麻痺状態を示すことを見抜きましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「analysis paralysis(考えすぎの麻痺)」というフレーズで覚えると、単語全体のニュアンスが一気に理解しやすくなります。
- スペルのポイントは “para-” + “ly-” + “sis” という3要素に分けて認識すると間違いにくいです。
- 覚え方としては「体が“パッ”と止まるイメージ」で「para-ly-sis」と分解してみましょう。
以上が名詞「paralysis」に関する詳細な解説です。医療文脈だけではなく、心理的・比喩的な場面で使われる機会も多い単語なので、ぜひ上記の例文やコロケーションとあわせて覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(体の)麻痺(まひ),中風
意味(2)
(…の)停滞《+of+名》