元となった辞書の項目
nought
IPA(発音記号)
解説
名詞 “nought” の詳細解説
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “nought” → “nothing” または “zero” を意味します。
- 日本語: 「無」「ゼロ」「何もないこと」を表す名詞です。
「nought」は、主にイギリス英語圏で「ゼロ」や「何もない状態」を表すときに使われます。やや古風な響きを持ち、「nothing」や「zero」のフォーマル/詩的バージョンのようなニュアンスがあります。
品詞
- 名詞 (noun)
活用形
- 不可算名詞として扱われるのが一般的です。
→ 複数形がないため、複数形 “noughts” は通常使いません。
他の品詞形
- 同じ語源から派生した “naught” というスペリングも存在しますが、意味は同様です(“nothing” としての意味)。
- 形容詞形や動詞形は存在しません。
CEFR レベルの目安
- B2 (中上級)
- 日常会話より文学的・詩的な表現や、ややフォーマルな文脈で目にする可能性があるため、中上級レベルの単語として捉えるとよいでしょう。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- “nought” は古英語の “nāwiht” に由来します。
- “nā” (no, not) と “wiht” (thing) が合わさった形と考えられています。
関連語・派生語
- “naught”: スペリング違いですが、ほとんど同じ意味で、“nought” と同源です。
- “nothing”: 現代ではこちらが圧倒的に一般的です。
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- come to nought(無駄になる・だめになる)
- bring to nought(無に帰す)
- all for nought(すべて無駄になる)
- set at nought(無視する、軽視する)
- count for nought(何の役にも立たない)
- avail nought(まったく役に立たない)
- turn to nought(無に帰する)
- go for nought(価値がない、効果がない)
- hold as nought(価値がないとみなす)
- profit nought(利益にならない)
3. 語源とニュアンス
語源
- “nought” は古英語の “nāwiht” から派生し、“nā” (no) + “wiht” (thing) → “no thing” の意味がもとになっています。この単語は「何もない」を表す非常に古い表現としてヨーロッパ中世の文献などにも登場します。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「nought」は、イギリス英語圏で「zero」の意味で数学の文脈でも用いられることがありますが、現代ではやや古風に聞こえます。
- 「nothing」と比べると文語的・詩的・格式ばった響きがあり、日常会話ではあまり頻繁には使われません。
- カジュアルなシーンよりは、文語調の表現や特別な強調をしたいとき、文学作品などで目にすることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞(不可算名詞)として使用するため、冠詞 “a” は基本的につけません。
- 構文例:
- “All their efforts came to nought.” = 「彼らの努力はすべて無駄になった。」
- “He set her complaints at nought.” = 「彼は彼女の不満を無視した。」
- “All their efforts came to nought.” = 「彼らの努力はすべて無駄になった。」
フォーマル/カジュアル
- フォーマル寄り、もしくは文学的表現で使われることが多い単語です。
- 日常的には “nothing” が圧倒的に一般的です。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアルシーン)
- “I wanted to do something important today, but it all came to nought.”
- 「今日は大事なことをしたかったのに、全部無駄になったよ。」
- 「今日は大事なことをしたかったのに、全部無駄になったよ。」
- “We fought for nought in the end.”
- 「結局、僕たちは何のために戦っていたのかわからなくなったんだ。」
- 「結局、僕たちは何のために戦っていたのかわからなくなったんだ。」
- “They tried to fix the broken TV, but their efforts were for nought.”
- 「壊れたテレビを修理しようとしたけど、努力はむなしかったね。」
ビジネス (ややフォーマル)
- “Our negotiations came to nought due to last-minute changes in management.”
- 「経営陣の土壇場での方針転換により、我々の交渉は無に帰しました。」
- 「経営陣の土壇場での方針転換により、我々の交渉は無に帰しました。」
- “The contract was rendered nought by legal complications.”
- 「法的な問題により、その契約は無効となりました。」
- 「法的な問題により、その契約は無効となりました。」
- “All their marketing efforts amounted to nought, as the product failed to launch.”
- 「製品の発売が失敗に終わったため、彼らのマーケティング努力はすべて無意味になりました。」
学術的な文脈
- “In the equation, if x = nought, all terms cancel each other out.”
- 「この方程式では、もし x がゼロであれば、すべての項が互いに打ち消し合います。」
- 「この方程式では、もし x がゼロであれば、すべての項が互いに打ち消し合います。」
- “Philosophers have long debated the concept of everything and nought.”
- 「哲学者たちは長い間、「すべて」と「無」の概念について議論を重ねてきました。」
- 「哲学者たちは長い間、「すべて」と「無」の概念について議論を重ねてきました。」
- “The sample size was so small that the statistical significance was nought.”
- 「サンプルサイズがあまりに小さかったので、統計的な有意性はゼロとなりました。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “nothing” (何もない)
- 一般的で日常的に使う表現。
- 一般的で日常的に使う表現。
- “zero” (ゼロ)
- 数学的・数値的に「0」を表す際によく用いられます。
- 数学的・数値的に「0」を表す際によく用いられます。
- “nil” (ゼロ・無)
- スポーツのスコアや正式な文書などで「0」を表すときに使われる。イギリス英語でサッカーの得点などによく登場。
→ いずれも「何もない」という意味を持ちますが、日常会話では “nothing” が最も一般的、数値としては “zero”、“nil” は英語圏のスポーツ報道などでよく目にします。
反意語
- “something” (何か)
- “everything” (すべて)
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA: /nɔːt/ (イギリス英語), /nɑːt/ または /nɔt/ (アメリカ英語)
- 強勢(アクセント)は 1 音節しかないので、単語全体にアクセントが置かれます。
- イギリス英語の発音は “ノート” に近く、アメリカ英語の発音は “ナート” ないし “ノート” に近い形です。
よくある間違い
- “nought” と “naught” および “not” のスペリング混同
- “not” は「~ではない」を意味する否定詞、一方で “nought” / “naught” は「何もない」。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “nought” と “naught” が同義ですが、試験やライティングで混同しないように注意。
- 発音の混同: “not” と似ているので混同しないように注意。
- 試験での出題: TOEIC・英検などではあまり頻繁には登場しませんが、読解問題で古典的な文章や詩が引用される場合には出てくる可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- スペルとしては “n + ough + t” で「ノート」とも読めるので、日本語カタカナ表記と発音の差に注意すると覚えやすいかもしれません。
- 「何もない (no thing) → nought」という由来を頭に入れておくと、スペルと意味を同時にイメージできます。
- 文学作品や詩を読むときに「“nought” = “nothing”」と覚えておくと、スムーズに理解につながります。
以上が名詞 “nought” の詳細解説です。
文学的・ややフォーマルな響きのある単語なので、作品や歴史的文献を読むときに役立ちます。
日常会話では “nothing” が基本、と覚えておくとスムーズでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
=naught