元となった辞書の項目
misfortune
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: misfortune
品詞: 名詞 (countable/uncountable どちらでも使用可。ただし、一般的には不可算名詞として使われることが多い)
意味(英語): bad luck; an unfortunate event or circumstance
意味(日本語): 「不運」「災難」「不幸」などを表します。「良くない出来事に遭遇した」「運が悪かった」というニュアンスで使われます。
「misfortune」は個人の人生場面や出来事に対して「不運な状態」や「不幸な出来事」を指すときに使われる単語です。誰かが不運に見舞われたり、よくない状況に陥ったりしたとき、「He had a misfortune」や「We experienced misfortune」などと表現します。
- 活用形: 名詞ですので、複数形は “misfortunes” となる場合もあります(ただしあまり多用されません)。
- 他の品詞例:
- 形容詞: unfortunate (例: “It was an unfortunate event.”)
- 形容詞: fortunate (反意形容詞) 「幸運な」を意味します。
- 副詞: unfortunately (例: “Unfortunately, we missed the train.”)
- 形容詞: unfortunate (例: “It was an unfortunate event.”)
CEFRレベル: B2(中上級)
- B2レベルは、日常的なトピックはもちろん、抽象的なトピックや複雑な話題についても理解し、自分の意見を比較的流暢に表現できる段階です。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語: “mis-”
- 古英語などで「誤った」「悪い」といった否定的・逆の意味を表す接頭語です。
- 古英語などで「誤った」「悪い」といった否定的・逆の意味を表す接頭語です。
- 語幹: “fortune”
- 本来は「運」「幸運」「運勢」を意味する語です。
関連語や派生語
- fortune: 「富」「運勢」「財産」を表す名詞
- fortunate: 「幸運な」を表す形容詞
- unfortunate: 「不運な」を表す形容詞
- fortunately: 「幸運にも」を表す副詞
- unfortunately: 「残念ながら」「不幸にも」を表す副詞
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10例)
- suffer misfortune(不運に苦しむ)
- experience misfortune(不幸を経験する)
- a stroke of misfortune(思いがけない不運)
- due to misfortune(不運によって)
- overcome misfortune(不運を乗り越える)
- a series of misfortunes(一連の不幸)
- brought by misfortune(不運がもたらした…)
- despite one’s misfortune(不運にもかかわらず)
- face misfortune(不運に直面する)
- share misfortune(不幸を分かち合う)
3. 語源とニュアンス
- “misfortune” は、接頭語「mis-」(悪い、誤った) とフランス語・ラテン語由来の “fortune” (運命・運勢) が組み合わさって出来た語です。
- 歴史的には、「幸運(fortune)が変質した悪い運」というニュアンスで使われてきました。
- 感情的には、自分や他人の「不幸」を客観的に述べるときに使います。深刻な同情や悲嘆のニュアンスを帯びることもありますが、淡々と事実として表すときにも使われます。
- カジュアル、フォーマルを問わず使えますが、カジュアルな会話では “bad luck” などのほうが使われることが多いです。公的な書き言葉や歴史的・文学的文脈では “misfortune” が好まれます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 原則的には不可算扱いが多いですが、「複数の災難」を数えるときに “misfortunes” と複数形が使われる場合もあります。
- 構文例:
- “He suffered great misfortune after losing his job.”
- “They overcame one misfortune after another.”
- “He suffered great misfortune after losing his job.”
“misfortune” は「~によって何かを被る」際の目的語としてよく使われます。
- フォーマル/カジュアル: フォーマルからカジュアルまで幅広く使えますが、日常会話では “bad luck” もよく使われます。文章では “misfortune” のほうが端的でかしこまった印象を与えます。
5. 実例と例文
以下、日常会話・ビジネス・学術的文脈のそれぞれでの例文を示します。
日常会話(3例)
- “I had the misfortune of locking my keys in the car this morning.”
- 今朝、鍵を車の中に閉じ込めるという不運があったんだ。
- 今朝、鍵を車の中に閉じ込めるという不運があったんだ。
- “Sometimes people face misfortune without any warning.”
- ときどき人は何の予兆もなく不運に見舞われるものだよ。
- ときどき人は何の予兆もなく不運に見舞われるものだよ。
- “It’s just a bit of misfortune; don’t let it ruin your day.”
- ただのちょっとした不運だよ。1日を台無しにしないで。
ビジネス(3例)
- “Despite the recent misfortune in our sales department, we remain optimistic.”
- 最近の営業部門での不運な出来事にもかかわらず、私たちは楽観的でいる。
- 最近の営業部門での不運な出来事にもかかわらず、私たちは楽観的でいる。
- “The company faced a series of misfortunes but managed to recover quickly.”
- その会社はいくつもの不運に直面したが、迅速に立て直すことができた。
- その会社はいくつもの不運に直面したが、迅速に立て直すことができた。
- “We must be prepared for any misfortune that may affect our supply chain.”
- サプライチェーンに影響するかもしれないあらゆる不運に備えなければなりません。
学術的文脈(3例)
- “In the study of psychology, how individuals cope with misfortunes is a key area of research.”
- 心理学の研究において、人々が不運にどう対処するかは重要な研究分野です。
- 心理学の研究において、人々が不運にどう対処するかは重要な研究分野です。
- “Historical accounts reveal that outbreaks of disease and famine were considered severe misfortunes.”
- 歴史的記録によると、疫病や飢饉の発生は深刻な不運だと考えられていた。
- 歴史的記録によると、疫病や飢饉の発生は深刻な不運だと考えられていた。
- “Philosophers often debate whether misfortune is solely random or influenced by one’s actions.”
- 哲学者たちは、不運が純粋に偶然なのか、それとも人間の行為に左右されるのかをよく議論します。
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- bad luck(悪運)
- よりカジュアルで会話的。単純に「悪い運」を意味する。
- adversity(逆境)
- 「困難」や「苦難」というニュアンスが強く、「不運」だけではなく全般的に厳しい状況を指すことが多い。
- hardship(苦難)
- 経済的・身体的に厳しい状態を指す傾向が強い。
- tragedy(悲劇)
- 深刻度が高く、人の死や取り返しのつかない損失など重大な不幸を示すときに使われる。
反意語 (Antonyms)
- fortune(幸運)
- 運の良い出来事、資産や富を指す場合もある。
- luck(運、幸運)
- “bad luck” に対して “good luck” というように「良い運」を指し、よりカジュアル。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA (アメリカ英語): /mɪsˈfɔːr.tʃən/
- IPA (イギリス英語): /mɪsˈfɔː.tʃuːn/または/mɪsˈfɔː.tʃən/
- アクセントは “for” の部分に置かれます → mis-FOR-tune
- よくある間違い: “misfortune” の “-for-” をあいまいに発音して /mɪsˈfɚ-/ のようにしてしまう場合があります。しっかりと「フォー」「フォーチュン」と発音すると自然です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “misfortune” の “mis-” と “fortune” を混同して “misfortun” などと書かないように注意してください。
- 意味の混同: 「少しの困難」くらいの意味で誤って使うことがありますが、実際には「不運な出来事」「不幸」を意味するので、程度が大きめのニュアンスが含まれます。
- 試験対策: TOEIC や英検などで必ずしも頻出単語ではありませんが、文章で「不運」「不幸」を描写する際に見かけることがあります。読解問題などで意味を覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “mis-” + “fortune” → 「誤った幸運=悪運」 という連想で覚えるとイメージしやすいです。
- 「ミスフォーチュン」の音から「ミス(失敗)+フォーチュン(運)」という流れを思い浮かべると、何か「運が失敗した」→「不運」と連想できます。
- 「fortune」を中心に関連単語(fortunate, unfortunately など)とまとめて学ぶとスペルや意味の区別が整理しやすくなります。
以上が、名詞「misfortune」の詳細な解説です。日常的な使用にも、ややフォーマルな場面にも対応できる便利な単語です。ぜひ、そのニュアンスと関連語をあわせて覚えてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉不運,不幸
意味(2)
〈C〉(…にとっての)不幸(不運)なでき事,災難(calamity)《+of+名》