元となった辞書の項目
initial
IPA(発音記号)
解説
以下では、形容詞「initial」について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
- 英語: “initial”
- 日本語: 「最初の」「初期の」「冒頭の」など
「initial」は、「一番最初に起こること・状態」を表す形容詞です。たとえば、物事の最初のステップや段階について言及するときに使います。会話の中では「初期の状態」「最初の症状」といったニュアンスで用いられます。
品詞と活用
- 品詞: 形容詞 (adjective)
- 比較変化: initial(原級)- more initial(比較級)- most initial(最上級)
(ただし、形容詞 “initial” は「最初の/初期の」を表すため、比較級・最上級としてはほとんど使われません。)
他の品詞への派生例
- 名詞 “initial” : 頭文字
例: “Please write your initials at the bottom of the page.” - 動詞 “to initial” : イニシャルを記入する/サインする
例: “Please initial each page of the contract.”
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
実務的な文章や会話でよく出てくる単語ですが、CEFRではより高度な文書などで使われる印象があり、文脈によっては中上級レベルの単語として位置づけられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “initi-” 「始まり」に関わるラテン語由来の語幹
- 接尾語: “-al” 形容詞を作る一般的な接尾語
詳細な意味
- 「初期の」「始めの」
例: “the initial stage of the project” (プロジェクトの初期段階) - 「冒頭の」「端緒の」
例: “the initial thought” (最初に思いついた考え)
コロケーション (10例)
- initial stage / 最初の段階
- initial phase / 初期段階
- initial symptoms / 最初の症状
- initial reaction / 最初の反応
- initial plan / 当初の計画
- initial idea / 最初のアイデア
- initial test / 初回のテスト
- initial impression / 第一印象
- initial response / 初動 (最初の対応)
- initial findings / 初期の調査結果
3. 語源とニュアンス
- “initial” の語源はラテン語の “initium”(=始まり)や “initialis” に由来します。
- 古くから「物事の始点」を表す言葉として使われてきました。
- 「最初の」「初期の」という意味合いから、何かが始まったばかりの状態であることを示します。
使用時のニュアンス・注意点
- 文章表現では比較的フォーマルに使えますが、日常会話でも「最初の○○」ときちんと説明したい場合には普通に使われます。
- 「initial plan」「initial stage」など、ビジネスや学術の文脈でも非常によく登場します。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞 “initial” は可算名詞・不可算名詞どちらにでもかかる形容詞として使うことができます。
例: “initial plans” (可算), “initial progress” (不可算) - 動詞として使う “to initial” は、「書類などにイニシャルを書く」という意味で使われます。
- 主に修飾語として名詞の前に来るポジションで使われます(attributive use が多い)。
イディオム・構文例
- “from the initial stages to the final outcome”
(初期段階から最終的な結果まで)
5. 実例と例文
日常会話 (3例)
- “My initial impression was that he was very friendly.”
(私の第一印象は、彼がとてもフレンドリーだということでした。) - “We had some initial difficulties, but everything worked out in the end.”
(最初はいくつか困難があったけれど、最終的にはうまくいったよ。) - “I need your initial thoughts on this design.”
(このデザインについて、最初の意見が欲しいんだけど。)
ビジネス (3例)
- “Our initial plan is to expand into the European market by next year.”
(私たちの当初の計画は、来年までにヨーロッパ市場に進出することです。) - “Could you share the initial draft of the report with the team?”
(レポートの初稿をチームと共有してもらえますか?) - “After our initial meeting, we’ll follow up with a detailed proposal.”
(最初の打ち合わせの後、詳細な提案書をお送りします。)
学術的な文脈 (3例)
- “The initial experiment suggested promising results for the hypothesis.”
(最初の実験は、その仮説に対して有望な結果を示唆しました。) - “Initial research focused on the genetics of the species.”
(初期の研究は、その種の遺伝学に焦点を当てていました。) - “The study’s initial findings indicate a strong correlation.”
(研究の初期結果は強い相関を示しています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “first”(最初の)
- よりカジュアルで幅広く使われる単語。「first step」のように日常的にも使う。
- よりカジュアルで幅広く使われる単語。「first step」のように日常的にも使う。
- “primary”(主要な、第一の)
- フォーマル度が少し高い印象。「主要な」「一番重要な」など、意味がやや広がる。
- フォーマル度が少し高い印象。「主要な」「一番重要な」など、意味がやや広がる。
- “preliminary”(予備的な、準備的な)
- 「本格的に入る前の下準備としての最初の段階」を強調するときに使われる。
反意語
- “final”(最終の)
- “last”(最後の)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɪˈnɪʃ.əl/
- 強勢(アクセント)は “ni” の部分にあります(i-NI-shul のように発音)。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに目立った違いはありませんが、イギリス英語では母音の音がややクリアに発音されがちです。
- よくある発音ミスとしては、母音を[i](イ)ではなく[e](エ)にしてしまい/[ɪnˈeɪʃ(ə)l/のようになってしまう可能性があります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:「intial」「initail」などとつづりを間違えやすいので注意が必要です。
- 「initiative」(イニシアチブ)や「initially」(最初は)と混同しやすいので、それぞれの品詞と意味の違いをしっかり区別しましょう。
- 資格試験(TOEICや英検など)のリーディングやリスニングで、「初期計画」や「初期対応」などビジネス文脈で頻出語です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「in(内) + it(行く) + al(形容詞化)」という語構成をイメージして「物事が内側(核)として動き出す=最初の」というふうにつなげると覚えやすいかもしれません。
- 「initial = 最初の部分」を思い浮かべるために、メールの「イニシャル」署名や、誰かの「頭文字(Initial)」を連想すると意味を結びつけやすくなります。
- 書き取りのときは、母音をしっかり「i-n-i-t-i-a-l」と確認して書くことを心がけましょう。
以上が、形容詞「initial」の詳細な解説です。物事の最初の段階や第一印象を表すとても便利な言葉なので、ぜひ使い方をマスターしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
最初の;語頭にある