indignity
名詞 “indignity” の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語: indignity
日本語: 侮辱、屈辱、冷遇など(人の尊厳を傷つける扱い・出来事を表す)
品詞: 名詞 (countable, uncountable 両方で使われることがあります)
「indignity」は、人が尊厳や誇りを踏みにじられたり、自分の価値を下げられたりしたと感じるような扱いや出来事を指します。たとえば、他者から不当な扱いを受けたり、意図的に侮辱されるような状況で使われることが多いです。強めの言葉であり、悔しさや恥ずかしさを伴うニュアンスになります。
活用形:
名詞なので動詞のように変化はありません。ただし、可算か不可算かによって使い方が若干変わります。
- 「an indignity」(可算) → 具体的なひとつの侮辱行為や屈辱の出来事を指す
- 「indignity」(不可算) → 屈辱そのもの、侮辱行為全般を指す
他の品詞形:
- 形容詞形: 直接の形容詞はありませんが、“indignant (怒った, 憤慨した)”や“indign (古語: 不名誉な)”という形容詞があります。
- 名詞形関連: “indignation (憤り、憤慨)”
CEFR レベルの目安: C1(上級)
→ 一般的な日常会話よりも少しフォーマル・文章的に使われることが多いため、上級の単語として位置付けられます。
2. 語構成と詳細な意味
接頭語・接尾語・語幹
- in-: ここでは “not” や “反対の” を示す接頭語として働いています。
- dignity: 「尊厳」「威厳」を意味します。
- indignity は「尊厳を否定すること」「尊厳を損ねる行為」を表す名詞です。
派生語・類縁語
- dignity (名詞): 尊厳、威厳
- indignant (形容詞): 憤慨した
- indignation (名詞): 憤り、憤慨
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- “suffer an indignity” - (屈辱を受ける)
- “subject someone to indignity” - (誰かに屈辱を味わわせる)
- “the final indignity” - (とどめの侮辱)
- “a sense of indignity” - (屈辱感)
- “indignity of being dismissed” - (解雇されるという屈辱)
- “public indignity” - (公の場での侮辱)
- “face indignity” - (侮辱に直面する)
- “endure indignities” - (何度も侮辱を耐えしのぐ)
- “treat someone with indignity” - (侮辱的な態度で扱う)
- “shame and indignity” - (恥と屈辱)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “indignitas” に由来し、もとは “in-”(否定)+ “dignus”(価値がある、ふさわしい)という組み合わせ。
- 「価値ある状態ではない」「相応しくない扱い」といった意味合いが転じて、「(人の尊厳を傷つけるような)侮辱・屈辱」を表すようになりました。
微妙なニュアンスや使用時の注意
- 「indignity」は非常に強い屈辱感を伴う言葉です。
- 文章語・フォーマルな場で使われることが多いですが、ニュース記事やエッセイなどでも見られます。日常会話では「insult」や「embarrassment」の方がよく使われる場合もあります。
- 「怒り」だけでなく、「自尊心を傷つけられた」という感情が含まれやすく、書き言葉で相当のインパクトを出す表現です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算/不可算:
- 「an indignity」(具体的な一件の侮辱)
- 「indignity」(侮辱行為全般、あるいは抽象的な屈辱感)
- 「an indignity」(具体的な一件の侮辱)
- 用法: 主に前置詞 “of”, “to”, “upon” などと共に使われることが多いです。
- フォーマル/カジュアル: ややフォーマル寄り。スピーチや文章で使われることが多いです。
- 定冠詞 “the” を伴って “the indignity of ~” の形で使うと、特定の屈辱的状況を強調できます。
一般的な構文やイディオム
- “the indignity of doing something”
→ 「~するという屈辱」 - “be forced to endure indignity”
→ 「屈辱を強いられる」
5. 実例と例文
日常会話での例文 (カジュアルなシーン)
“I can’t believe I had to go through the indignity of apologizing when it wasn’t my fault.”
- 「私のせいでもないのに、わざわざ謝らされるなんて、本当に屈辱だよ。」
“She complained about the indignity of waiting in line for two hours.”
- 「彼女は2時間も並ばなきゃいけないのが屈辱的だって文句を言ってたよ。」
“Having my phone searched was quite an indignity, if you ask me.”
- 「私に言わせれば、携帯を調べられるなんて相当な屈辱だったよ。」
ビジネスシーンでの例文
“He expressed the indignity he felt after being publicly reprimanded by his supervisor.”
- 「上司にみんなの前で叱責されたことで感じた屈辱を、彼ははっきりと示しました。」
“Employees should not have to suffer any form of indignity in the workplace.”
- 「従業員は職場でどんな形の屈辱も味わう必要があってはなりません。」
“Apologizing for a minor error in front of the entire team was an indignity he struggled to accept.”
- 「ほんの些細なミスに対してチーム全員の前で謝罪させられたのは、受け入れがたい屈辱だったのです。」
学術的な文脈での例文
“The study highlights the psychological impact of repeated indignities on individuals in marginalized groups.”
- 「その研究は、社会的弱者集団において繰り返される侮辱が人々に与える心理的影響を明らかにしています。」
“Historians have documented the many indignities endured by prisoners of war throughout history.”
- 「歴史家たちは、戦争捕虜が歴史を通して耐え忍んできた数々の屈辱を記録しています。」
“The analysis focuses on indignities in institutional settings and their long-term effects on self-esteem.”
- 「この分析は、施設環境で起こる屈辱行為と、それが自己評価に与える長期的な影響に焦点を当てているのです。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- humiliation (恥辱)
- “humiliation” は「恥をかかせること」「非常に恥ずかしい思い」を中心に表します。より感情的な恥の側面が強調されます。
- “humiliation” は「恥をかかせること」「非常に恥ずかしい思い」を中心に表します。より感情的な恥の側面が強調されます。
- insult (侮辱)
- “insult” は言葉や態度による直接的な侮辱行為を指します。日常会話での用例が多いです。
- “insult” は言葉や態度による直接的な侮辱行為を指します。日常会話での用例が多いです。
- dishonor (不名誉)
- “dishonor” は名誉・信用を傷つける行為に焦点が当たります。社会的立場が傷つくようなニュアンス。
- “dishonor” は名誉・信用を傷つける行為に焦点が当たります。社会的立場が傷つくようなニュアンス。
- offense (侮辱, 攻撃)
- “offense” は傷つける( offend )行為や、感情を害するような行為を広く指します。
- “offense” は傷つける( offend )行為や、感情を害するような行為を広く指します。
反意語 (Antonyms)
- honor (名誉)
- respect (尊敬)
- dignity (尊厳)
いずれも「尊厳を守る/尊重する」という対立的なイメージです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɪnˈdɪɡnəti/
- アメリカ英語・イギリス英語ともに基本的には同じ発音です。
- 強勢は “-dig-” の部分(第2音節)に来ます。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに基本的には同じ発音です。
- よくある間違い:
- “-dig-” の部分を濁らせず “ディグ” のように発音せず、[dɪɡ] をはっきりと発音すると良いでしょう。
- “g” を「グ」ではなく「ジ」や「ギ」と混同しないように注意します。
- “-dig-” の部分を濁らせず “ディグ” のように発音せず、[dɪɡ] をはっきりと発音すると良いでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “indignity” と “indign*a*tion” を間違いやすい(韻が似ているため)
- 同音異義語: “indignant” (憤慨している) は形容詞系で意味が異なるので混同に注意。
- 試験対策: TOEIC や英検などで出題される場合、長文読解や文脈から “屈辱的な扱い” のイメージをとらせる語として登場する可能性があります。特に上級レベルの読解問題で出やすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “in- + dignity(尊厳) → 尊厳が否定される” と覚えると理解しやすいです。
- スペリングで「dignity」と「indignity」を対比すると、前に “in-” が付いて「尊厳を失わせるもの」という意味になる、とイメージしておくとよいでしょう。
- 勉強テクニック: 「dignity(尊厳)」を先に覚えてから「in-」の否定的ニュアンスを意識すると、自然と意味が繋がるようになります。
以上が名詞 “indignity” の詳細解説です。文章やスピーチなどフォーマルな文脈でも目にする語なので、書き手が意図する強いニュアンスをしっかり読み取れるようにしておきましょう。
〈U〉軽べつ(侮辱)すること;〈C〉軽べつの言葉(行為)
〈U〉面目のないこと;〈C〉面目のない行為