元となった辞書の項目
grieve
IPA(発音記号)
解説
以下では、英単語「grieve」について、学習者の方にもわかりやすいように段階的に解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
- grieve : to feel or express great sadness, especially because of someone's death.
- grieve : (特に誰かの死に対して)深く悲しむ、嘆き悲しむ。
「grieve」は、人の死や大切なものの喪失など、非常に悲しい状況で使われる動詞です。「悲しみに沈む」「嘆き悲しむ」というニュアンスを持っており、心の痛みにフォーカスした表現です。
品詞
- 動詞 (verb)
活用形
- 原形: grieve
- 三人称単数現在形: grieves
- 現在分詞 / 動名詞: grieving
- 過去形: grieved
- 過去分詞: grieved
他の品詞形
- 形容詞形: grieved (「悲しんでいる」状態を表す形容詞的用法として文脈によって使われることがありますが、普段は過去分詞として使われます)
- 名詞形: grief (名詞「悲しみ」)
CEFRレベルの難易度(推定)
- B2(中上級)
- 感情表現に関連する語であり、文脈の理解がある程度必要なため。
- 感情表現に関連する語であり、文脈の理解がある程度必要なため。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語: なし
- 語幹: 「griev-」
- 接尾語: 「-e」は動詞としての形をとるための部分(英語では厳密な接尾語とは呼びにくいですが、動詞形を示す -e)
派生語や類縁語
- grief (名詞): 悲しみ
- grievous (形容詞): 痛ましい、深刻な(悲惨さや重大さを表す形容詞)
- aggrieved (形容詞): 不当な扱いを受けて苦しんでいる
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- grieve over a loss
- (喪失に対して嘆き悲しむ)
- (喪失に対して嘆き悲しむ)
- grieve for the deceased
- (故人を悼む/深く悲しむ)
- (故人を悼む/深く悲しむ)
- deeply grieve
- (深く悲しむ)
- (深く悲しむ)
- still grieving
- (まだ悲しんでいる)
- (まだ悲しんでいる)
- grieve in silence
- (静かに悲しむ)
- (静かに悲しむ)
- grieve publicly
- (公の場で嘆き悲しむ)
- (公の場で嘆き悲しむ)
- allow oneself to grieve
- (自分が悲しむことを許す/自分の悲しみに向き合う)
- (自分が悲しむことを許す/自分の悲しみに向き合う)
- grieve the passing of ~
- (~の死を嘆き悲しむ)
- (~の死を嘆き悲しむ)
- grieve a relationship’s end
- (関係の終わりを嘆く)
- (関係の終わりを嘆く)
- continue to grieve
- (悲しみ続ける)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「grieve」の語源は、ラテン語の「gravare(重くする)」→「gravis(重い)」に由来すると言われています。フランス語を経由して英語に入った言葉です。「心が重い」という感覚を表す古い時代からの言葉です。
微妙なニュアンスと使用時の注意点
- 「grieve」は、単に「悲しむ」だけでなく、「深く悲しむ」「嘆き悲しむ」といった、より強い感情の動きを示します。
- 主にフォーマル/やや文語的な文脈や、感情をはっきりと表す文脈で使われることが多いです。
- 口語でも使われますが、カジュアルというよりは厳粛・深刻なトーンを表すことが多いです。
4. 文法的な特徴と構文
基本的な構文
- grieve (自動詞): She grieved for weeks after the loss.
- 「~に対して悲しむ」という場合は
grieve for/over + 名詞
の形が一般的です。
- 「~に対して悲しむ」という場合は
- grieve (他動詞) + 目的語: They grieved the death of their friend.
- この場合も「~を嘆き悲しむ」という他動詞的用法になります。
フォーマル / カジュアル
- 「grieve」は比較的フォーマルから幅広いシーンで使えますが、重みのある響きがあるため、日常の軽い話題には向かないことが多いです。
- 「悲しむ」としては「mourn」も近い意味ですが、宗教儀式などややフォーマルなニュアンスがあります。「grieve」は個人的な感情の痛みに焦点があるイメージです。
5. 実例と例文
日常会話での例文(3つ)
- “I still grieve over my dog’s death every now and then.”
- 「時々、いまだに愛犬の死を悲しんでしまうんだ。」
- “She needs some time alone to grieve.”
- 「彼女は悲しみに浸るために少し一人の時間が必要だよ。」
- “It’s natural to grieve any important loss in your life.”
- 「人生で大切なものを失ったら、悲しむのは当然だよ。」
ビジネスの文脈での例文(3つ)
- “We must give employees space to grieve if they lose a loved one.”
- 「社員が身近な人を失った場合は、悲しむための時間を与えなければなりません。」
- “The company offered counseling services for staff members grieving recent layoffs.”
- 「会社は最近のレイオフに関して悲しんでいるスタッフにカウンセリングサービスを提供しました。」
- “Our policy includes paid leave for those who need time to grieve.”
- 「当社の方針では、悲しむために休暇が必要な人に有給休暇を認めています。」
学術的・フォーマルな文脈での例文(3つ)
- “Psychologists examine how individuals grieve differently based on cultural context.”
- 「心理学者は、文化的背景によって個人がどのように異なる悲しみ方をするかを研究しています。」
- “Mourning rituals can help people grieve in a structured and communal way.”
- 「喪に服する儀式は、人々が体系的かつ共同的に悲しむのを助けることがあります。」
- “Grieving is a complex process influenced by personal experiences and social support.”
- 「悲しむという行為は、個人的な経験や社会的支援によって影響を受ける複雑なプロセスです。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- mourn (喪に服する)
- 「grieve」とほとんど同じ意味ですが、宗教的・儀式的なニュアンスが出やすい単語です。
- 「grieve」とほとんど同じ意味ですが、宗教的・儀式的なニュアンスが出やすい単語です。
- lament (嘆き悲しむ、嘆きの言葉を述べる)
- やや文語的で、嘆きの言葉や悲嘆を強く表現するニュアンスがあります。
- やや文語的で、嘆きの言葉や悲嘆を強く表現するニュアンスがあります。
- sorrow (悲しむ)
- 動詞で使われる場合はフォーマルな響きがあり、名詞として「悲しみ」を表す方が一般的です。
反意語
- rejoice (大いに喜ぶ)
- 「悲しむ」の反対として「あふれる喜びを感じる」に相当します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ɡriːv/
- アメリカ英語 (General American): [ɡriːv]
- イギリス英語 (RP): [ɡriːv]
- アメリカ英語 (General American): [ɡriːv]
- アクセント: 「griéve」の “ee” 部分を伸ばして発音します。
- よくある間違い: 誤って「グライヴ」と濁らせたり、「ギリーヴ」と母音を間延びさせたりする場合がありますが、実際は「グリーヴ」が近いです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “grieve” と “grief” を混同しがちです。
- 動詞は “grieve” 、名詞形は “grief” (f で終わる)
- 動詞は “grieve” 、名詞形は “grief” (f で終わる)
- 同音異義語: “grieve” と発音が似ている単語はあまりありませんが、「grievance(不満・苦情)」とは綴りが似ているため混同に注意。
- 試験対策: TOEICや英検などでは、感情を表す語彙問題や読解問題、および文脈把握が問われる問題で出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「grief(悲しみ)」から覚えて、「f → v」にして動詞形となるのが「grieve」。
- 「心が重い(grave)」と結びつけると、悲しみの深さを連想しやすいです。
- 覚えるときは「グリーヴ」と声に出して「悲しみをグリっと胸に感じる」イメージで暗記すると印象に残ります。
以上が「grieve」の詳細な解説です。深い悲しみを示す重要な動詞ですが、日常的に軽く使う表現ではないため、使用する場面やニュアンスに注意して使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
…‘を'悲しませる,悲嘆に暮れさせる
意味(2)
(…を)悲しむ,嘆く《+at(about,for,over)+名(do*ing*)》