元となった辞書の項目
fictional
IPA(発音記号)
解説
以下では、英単語「fictional」について、学習者の方にもわかりやすいように、詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: fictional
- 日本語: 「架空の」「想像上の」
「現実には存在しないものを、想像や作り話の中で作り上げた」というニュアンスを持つ形容詞です。物語や小説、ドラマ、映画などで使われる「フィクション」に由来しており、「実在しない・空想の」という意味で日常的にも使われます。
品詞
- 形容詞 (adjective)
活用形
- 形容詞なので、原則的に「比較級」「最上級」は持ちませんが、強めて言う場合は “more fictional” / “most fictional” という形が使われることもあります。
他の品詞形
- 名詞:fiction(フィクション、小説、作り話)
例: “I like science fiction.”(私はSF小説が好きです) - 動詞:fictionalize(~を小説・フィクション用に作り変える)
例: “He fictionalized his childhood experiences in his novel.”(彼は子どもの頃の経験を小説としてフィクション化した)
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
「fiction」自体は比較的早い段階(B1)で学習することがありますが、「fictional」はもう少し抽象的な文脈で使われるため、B2レベルの単語と見なせます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: fiction (作り話、小説)
- 接尾辞: -al (形容詞化する接尾辞)
“fiction” は、「作り話」や「虚構」を指す名詞で、そこに “-al” がつくことで「架空の」「虚構の」という形容詞になります。
関連語・派生語
- fiction(名詞)
- fictionalize(動詞、~をフィクションとして作り変える)
- fictionalization(名詞、フィクション化、脚色)
よく使われるコロケーションと関連フレーズ(10個)
- fictional character(架空のキャラクター)
- fictional world(空想上の世界)
- fictional setting(架空の設定)
- fictional universe(空想の宇宙・世界観)
- purely fictional(完全に架空の)
- a fictional account(作り話の物語/記述)
- fictional detective(架空の探偵)
- fictional background(架空の背景)
- fictional city(架空の都市)
- fictional timeline(架空の年代順・時間軸)
3. 語源とニュアンス
語源
- “fiction” はラテン語で「作る/こねる」などを意味する “fingere” に由来します。そこから派生して「作られた話」=「フィクション」という意味になりました。
ニュアンス
- 「fictional」は「フィクションに属する」というやや客観的な響きがあり、主に物語や芸術作品などを説明する際に使われます。
- 「実在しないのが前提」となるため、ドキュメンタリーなど事実に基づくものとの対比で用いるときに便利です。
- 日常会話でもよく使われますが、くだけた会話からフォーマルな文脈まで幅広く使える単語です。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文での使い方
- 形容詞として名詞を修飾する:
“He wrote a fictional story about dragons.”(彼はドラゴンについての架空の物語を書いた) - be動詞とともに使う場合:
“That character is purely fictional.”(あのキャラクターは完全に架空の存在だ)
可算/不可算の区別
- 「fictional」は形容詞なので、可算・不可算という区別は名詞「fiction」において考慮されます。
「fiction」は不可算名詞として扱われる場合が多いですが、「a fiction」のように可算的でも使われることがあります(例: “a fiction of his own making”)。
フォーマル/カジュアル
- どちらの文脈でも使えます。論文やレポートなどフォーマルな文章から、日常会話のカジュアルシーンまで幅広く活用可能です。
5. 実例と例文
ここでは日常会話・ビジネス・学術的な文脈の3つの場面をそれぞれ3例ずつご紹介します。
A. 日常会話
- “I love reading fictional stories before bed.”
(寝る前に架空の物語を読むのが大好きなんだ。) - “That movie was entirely fictional, but it felt so real.”
(あの映画は完全にフィクションなんだけど、とてもリアルに感じた。) - “Many people have a favorite fictional hero from their childhood.”
(多くの人は子どもの頃にお気に入りの架空のヒーローがいるよね。)
B. ビジネス
- “Our marketing campaign uses a fictional spokesperson to attract customers.”
(私たちのマーケティングキャンペーンでは、顧客を惹きつけるために架空の広報担当者を起用しています。) - “The design proposal includes a fictional scenario to illustrate the product’s features.”
(デザイン提案では製品の特徴を示すために架空のシナリオを盛り込んでいます。) - “We created fictional case studies for the presentation to demonstrate potential use cases.”
(プレゼン用に想定事例を作成して、利用例を示しました。)
C. 学術的な文脈
- “This paper discusses the role of fictional narratives in cultural transmission.”
(本論文は、文化の伝達における架空の物語の役割について論じます。) - “He extensively analyzes the fictional elements in 19th-century English literature.”
(彼は19世紀イギリス文学における架空要素を徹底的に分析しています。) - “A fictional approach can sometimes reveal deeper truths about society than purely factual reports.”
(純粋な事実報告よりも、時にフィクションの手法が社会の深い真実を明らかにすることがあります。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- imaginary(想像上の)
- 「頭の中で思い描かれた」というイメージが強い
- “He described his imaginary friend.”(彼は想像上の友達について話した)
- 「頭の中で思い描かれた」というイメージが強い
- fictitious(虚構の、作りごとの)
- 「事実に反して創作された」という含みが強い
- “He registered under a fictitious name.”(彼は架空の名前で登録した)
- 「事実に反して創作された」という含みが強い
- invented(作り出された)
- 「事実というより創作したもの」というニュアンスを強調
- “The story was entirely invented for the movie.”
- 「事実というより創作したもの」というニュアンスを強調
反意語 (Antonyms)
- real(現実の)
- factual(事実に基づく)
- non-fictional(ノンフィクションの、実在・事実の)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈfɪk.ʃən.əl/
- アクセントは第1音節の「fic-」におかれます(FIC-tion-al)。
- アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いはありませんが、イギリス英語は “-tion” の部分をややはっきり発音する傾向があります。
- よくある間違いとして、「fic-tion-al」のように「tio」をはっきり「ティオ」と言うのではなく、「シュン」と滑らせる発音になる点に注意しましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミスとして「fiction*nal」や「fictional*l」と綴ってしまう例があるので注意してください。
- 「fiction」と「faction」(派閥) を混同しないように注意。
- 資格試験(TOEICや英検)でも、「架空の」と言いたい場面で “fictional” の代わりに “imaginary” や “fictitious” を選ばせる問題が出ることがあります。スペルや文脈の違いに気をつけて学習しましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「fiction」の語感から「架空の世界がフィクションで作り出されている」とイメージすると覚えやすいです。
- 「fictional」はラテン語 “fingere”(形作る)が由来というのもどこか「指(finger)」とかけて覚えると、頭に残りやすいかもしれません。“Fingere” → “fiction” → “fictional” と連想ゲームで定着を図りましょう。
以上が、形容詞「fictional」の詳しい解説です。「fictional」は想像 العالمや架空キャラクターに関わる文脈で非常に多用される単語なので、ぜひ覚えてぜひ活用してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
作り事の,架空の;小説の