元となった辞書の項目
erupt
IPA(発音記号)
動詞
〈火山灰・間欠泉などが〉噴出する,〈火山が〉噴火する / 〈争いなどが〉突然起こる;〈感情が〉爆発する / 〈溶岩・熱湯など〉‘を'噴出させる / 〈怒りなど〉‘を'爆発させる
解説
1. 基本情報と概要
単語: erupt
品詞: 動詞 (Verb)
活用形:
- 現在形: erupt / erupts
- 過去形: erupted
- 過去分詞形: erupted
- 現在分詞形: erupting
英語での意味
“Erupt” means “to explode, burst forth, or suddenly release energy or substances (such as lava or emotion).”
日本語での意味
「爆発する」「噴出する」「(感情が)急に噴き出す」という意味です。
例えば、火山が噴火する時や、人が感情的になって急に怒りが噴出する場合などに、この「erupt」という単語が使われます。突発的に何かがバーッと外に出るようなニュアンスがあります。
- CEFRレベル目安: B2(中上級)
B2レベルはある程度複雑な表現を理解でき、会話にも応用できる段階です。
他の品詞形
- 名詞形: eruption(噴火、爆発)
- 形容詞形: eruptive(噴火の、爆発的な)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- e-: 「外へ」「外に向かって」というラテン系の接頭辞(ex- が変化した形とされる)
- rupt: 「破裂する」「壊す」を意味するラテン語由来の語根(break に相当する)
関連語や派生語
- “irrupt”: 「侵入する、乱入する」
- “interrupt”: 「邪魔をする、中断する」
- “corrupt”: 「堕落させる、買収する」
これらはいずれも「rupt(壊す、破裂する)」に異なる接頭辞を組み合わせた形になります。
よく使われるコロケーション(10個)
- a volcano erupts(火山が噴火する)
- emotions erupt(感情が爆発する)
- protests erupt(抗議活動が突発的に起こる)
- violence erupts(暴力行為が勃発する)
- cheers erupt(歓声が沸き起こる)
- conflict erupts(紛争が勃発する)
- riot erupts(暴動が起こる)
- laughter erupts(笑いが突然起こる)
- tension erupts into violence(緊張が暴力へと噴出する)
- applause erupts(拍手が沸き起こる)
3. 語源とニュアンス
“Erupt”はラテン語の「ex-(外へ)」+「rumpere(破裂する)」が語源とされています。元々は「内部にあるものが破れて外に出てくる」というイメージです。
- ニュアンス: 何かが突然・激しく爆発するイメージ。
- 使用上の注意: 感情表現で使われる時は「急に感情爆発した」という、少し荒々しい印象を与える場合があります。火山や爆竹などの物理的な爆発にも多用します。
- 使用シーン: 口語・文章どちらでも使われます。ニュースやレポートなどの記事(ややフォーマル)から、日常会話の感情表現(カジュアル)まで幅広く使われます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞/自動詞の区別:
一般には自動詞として「何かが自然に爆発、噴出する」として用いられます。
「The volcano erupted.(その火山が噴火した)」の場合、目的語をとりません。 - 構文:
- “S + erupt(s).”
- “S + erupt(s) with + O.” (何かと共に爆発的に起こる)
- “S + erupt(s).”
イディオム・慣用句
- “erupt in laughter” = 「突然笑いが起こる」
- “erupt into applause” = 「突然拍手が巻き起こる」
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)
- “My sister suddenly erupted in anger when she saw the mess.”
(妹は散らかった部屋を見て急に怒りを爆発させた。) - “Everyone erupted into laughter at his joke.”
(みんなが彼のジョークに大笑いした。) - “Tensions erupted over who would do the dishes.”
(誰が皿洗いをするかで急にケンカが起こった。)
ビジネス(ややフォーマル)
- “The meeting erupted into a heated debate over the new policy.”
(会議は新ポリシーをめぐって激しい議論へと発展した。) - “The auditorium erupted in applause after the presentation.”
(プレゼンテーションの後、講堂は拍手喝采に包まれた。) - “Negotiations erupted into conflict when both sides refused to compromise.”
(両者が歩み寄りを拒否したことで交渉は衝突に発展した。)
学術的(フォーマル)
- “The volcano last erupted approximately 100 years ago.”
(その火山はおよそ100年前に最後の噴火をした。) - “Geologists study how magma chambers develop before they erupt.”
(地質学者たちは、噴火前にマグマだまりがどのように形成されるかを研究している。) - “Social unrest tends to erupt after prolonged periods of economic hardship.”
(経済的困窮が長期化すると、社会的不安が噴出する傾向がある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “explode” (爆発する)
- 「erupt」とほぼ同義。「物理的に破壊力を伴う爆発」のニュアンスが強い。
- 「erupt」とほぼ同義。「物理的に破壊力を伴う爆発」のニュアンスが強い。
- “burst” (破裂する、急に飛び出す)
- 液体や感情などが「ぷつんと破れるように飛び出す」という印象。
- 液体や感情などが「ぷつんと破れるように飛び出す」という印象。
- “break out” (勃発する、急に始まる)
- 争いや戦争、病気などが急に始まる時によく使われるフレーズで、やや規模が大きい文脈が多い。
- 争いや戦争、病気などが急に始まる時によく使われるフレーズで、やや規模が大きい文脈が多い。
反意語
- “calm down” (静まる、落ち着く)
- “subside” (静まる、沈下する)
どちらも「激しさが収まる」ニュアンスです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ɪˈrʌpt/
- アメリカ英語・イギリス英語ともに、主要な違いはあまりありませんが、イギリス英語では最初の母音が /ɪ/ より若干 /ə/ に近くなる場合もあります。
- アメリカ英語・イギリス英語ともに、主要な違いはあまりありませんが、イギリス英語では最初の母音が /ɪ/ より若干 /ə/ に近くなる場合もあります。
- アクセント(強勢): 第2音節 “-rupt” にアクセントがあります(i-RUPT)。
- よくある間違い: “interrupt” と発音・スペルを混同しないように注意。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス: “erupt” の “e” を書き忘れて “rupt” となってしまうなどのミス。
- 同音異義語との混同: “irrupt”(侵入する) との混同に注意。“erupt” と似ていますが、接頭辞が “i-” か “e-” かで大きく意味が異なります。
- 試験対策: TOEICや英検で、火山や社会不安、感情動詞として出題されることがあります。「感情・状況変化を表す動詞」の一例として覚えておくと便利です。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源イメージ: “e” は外へ、 “rupt” は破裂 → 中から外へ一気に「破裂して飛び出す」イメージ。
- 覚え方: “erupt” は “break out” と似た意味・イメージの単語、と関連づける。
- 勉強テク: “interrupt” (間に割り込む) と “erupt” (外へ破裂する) の意味の違いをセットで覚えると、両方とも “rupt” のイメージが頭に残りやすくなります。
以上が動詞 “erupt” の詳細解説です。火山の噴火だけでなく、感情や状況の急な爆発にも幅広く使える便利な単語です。ぜひ、状況や文脈を考えながら使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈火山灰・間欠泉などが〉噴出する,〈火山が〉噴火する
意味(2)
〈争いなどが〉突然起こる;〈感情が〉爆発する
意味(3)
〈溶岩・熱湯など〉‘を'噴出させる
意味(4)
〈怒りなど〉‘を'爆発させる