dime
以下では、アメリカ英語の硬貨「dime」について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味
- 英語: “dime” – A US coin worth ten cents (10¢).
- 日本語: 「10セント硬貨」 – アメリカの通貨で10セントに相当するコインです。
「dime」はアメリカで使われる10セント硬貨のことで、物理的には一番小さいサイズの硬貨です。「たいへん小さい額ながらも何枚も集まればある程度の額になる」というニュアンスも含まれます。英語圏、とくにアメリカの文脈で日常的によく登場するとても身近な単語です。
品詞と活用形
- 品詞: 名詞 (noun)
- 単数形: dime
- 複数形: dimes
他の品詞への転用例
- 動詞形や形容詞形は一般的にありません。ただし「dime store (dime-store)」という形容詞的ニュアンスのフレーズ(「安っぽい」「安い」というニュアンス)が一部で使われる場合があります。
CEFRレベル目安
- B1(中級)程度
日常会話で通貨の話をするときなどに出てくるため、日常生活のシチュエーションを学んでいるlearnersには覚えておいても損のない単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語・接尾語・語幹
「dime」は単独の語で、はっきりした接頭語・接尾語には分解しづらい単語です。もともとは古いフランス語などが由来となってできあがった単語のため、現代英語では派生要素に分けられません。
他の単語との関連性
- dime store / dime-store: 「安価な商品を扱うお店」(今でいうところの“$1 shop”のようなイメージ)
- a dime a dozen: 「どこにでもある」「いくらでもある」のイディオム(後述)
コロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- “spare a dime” – 「10セントを恵む」
- “fake dime” – 「偽物の10セント硬貨」
- “dime collection” – 「10セントコインのコレクション」
- “dime roll” – 「ダイムの束」
- “every dime counts” – 「10セントでも大事にする/小さなお金でも大切」
- “drop a dime” – (俗)「タレコミをする、密告する」
- “save your dimes” – 「小銭を貯める」
- “pay a dime” – 「10セントを払う」
- “diners for dimes” – 「(募金活動などで)ダイナーでダイムを集める」
- “turn on a dime” – 「その場で小回りがきく、急に方向を変える(車・動きなどの比喩)」
3. 語源とニュアンス
語源
- 「dime」は、フランス語の “disme”(10分の1を意味するラテン語 “decima” から派生)に由来しています。アメリカで10セント硬貨の名称として定着し、硬貨そのものの呼び名になりました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 主にアメリカ英語で使用されるため、イギリスや他の英語圏で使うときは「アメリカの10セント硬貨」という理解が必要です。
- 普段の会話ではごくカジュアルに使われます。ビジネスシーンでも「アメリカ通貨」という文脈であれば自然に登場します。
- スラング表現(“drop a dime”など)は主に口語的表現で、カジュアルなニュアンスが強いです。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として可算名詞(countable noun)です。例えば “one dime”, “two dimes” と数えられます。
- “a dime a dozen” というイディオムがあります。これは「大量にある」「どこにでもある」という比喩表現で、ネイティブの日常表現としてよく登場します。
一般的な構文例
- “I have a dime.” (これは「手元に10セント硬貨があります」という直接的な意味)
- “They are a dime a dozen.” (「それらはどこにでもありふれているものです」)
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“Do you have a dime to make a phone call?”
(公衆電話でコインが必要な場合を想定して)
「電話かけるのに10セント硬貨持ってる?」“I found a dime under the couch.”
「ソファの下で10セントを見つけたよ。」“Every dime counts when you’re saving up for a trip.”
「旅行のために貯金するなら、小さな金額でも大事だよ。」
(2) ビジネスシーンでの例文
“The budget is so tight that we need to account for every dime.”
「予算が非常に厳しいので、すべての10セント単位まで計算しないといけません。」“Please check if the register is missing any dimes.”
「レジに10セント硬貨の不足がないか確認してください。」“We donated every dime from the fundraiser to the charity organization.”
「募金活動で集まったお金はすべて慈善団体に寄付しました。」
(3) 学術的な/フォーマルな文脈での例文
“A historical analysis reveals the evolution of the dime's design over time.”
「歴史的分析によって、ダイムのデザインが時代とともにどのように変化してきたかがわかる。」“The dime serves as a critical element of U.S. coin circulation.”
「ダイムはアメリカの硬貨流通において重要な役割を果たしている。」“Researchers studied consumer behavior toward smaller denominations, such as dimes and nickels.”
「研究者たちはダイムやニッケルなどの小額硬貨に対する消費者行動を調査した。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
“nickel” (ニッケル) – 5セント硬貨
- 意味: アメリカの5セント硬貨
- ニュアンス: dimeより少し大きい額というよりは、5セントなので額は低いが、物理的なサイズ感はdimeより大きい硬貨です。
- 意味: アメリカの5セント硬貨
“quarter” (クォーター) – 25セント硬貨
- 意味: アメリカの25セント硬貨
- ニュアンス: dimeより額が大きく、日常的にもよく使用されます。
- 意味: アメリカの25セント硬貨
“penny” (ペニー) – 1セント硬貨
- 意味: アメリカ最小額の硬貨
- ニュアンス: dimeよりもさらに小さい額ですが、サイズとしてはdimeより大きいです。
- 意味: アメリカ最小額の硬貨
反意語
- 通貨の概念でいう「反意語」はあまりありませんが、高額紙幣の “bill” や “note” (紙幣) は硬貨と対極にあるような立ち位置です。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /daɪm/
- アメリカ英語とイギリス英語での発音差はほとんどありません。
- アクセントは一音節の単語なので /daɪm/ に強勢がきます。
- 「ダイム」と発音し、「ディム」ではないので注意が必要です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “dime” を “dimee” や “dimee” と書いてしまうなどの誤りに注意。
- 同音異義語との混同はほとんどありませんが、耳で聞くと “time” と紛らわしい場合があります。
- “drop a dime” = 「密告する」のスラングは、文字どおりに「10セントを落とす」と訳さないように。
- TOEICや英検などではあまり頻繁には登場しませんが、アメリカの通貨単位を問う問題や文化的背景を問うリーディングで出る場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「dime」は“ディスプレイの「ダイ」(die) + ム(m) = ダイム” というようなカタカナ発音で覚えましょう。
- 「10セント」という数字をイメージすると、「10」を表すラテン語 “decima” の名残だと連想を広げられます。
- “a dime a dozen” という表現はイディオムとして超有名で、頭に残りやすいフレーズなのでセットで覚えてください。
- サイズは最も小さい硬貨だけれど価値は1セントよりは高い、というギャップも覚えると印象に残ります。
以上がアメリカ英語の名詞「dime」の詳細な解説です。アメリカでは日常的に見かけるコインなので、英語学習者にとっても文化理解を深める上で役立つ単語です。ぜひ日常表現やイディオムとあわせて覚えてください。
ダイム(米国およびカナダの10セント銀貨)