元となった辞書の項目
desolation
IPA(発音記号)
解説
以下では、名詞「desolation」について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
英語: desolation
品詞: 名詞 (noun)
CEFRレベルの目安: C1(上級)
- 理由: 「desolation」は、日常会話というよりも文学や深刻な状況を表す文脈などで用いられる、やや難易度の高い単語です。
意味(英語+日本語)
- 英語: a state of complete emptiness or destruction; sorrow or loneliness
- 日本語: 「完全な荒廃・荒涼感」や「深い悲しみ・孤独感」を指し示す語
「嵐による町の破壊や、激しい戦争の爪痕で広がる荒れ果てた光景、または心の中の深い絶望感や孤独感を表すときに使われます。文学的で感情的な強いニュアンスを持つ名詞です。」
活用形や他品詞との関係
- 名詞形: desolation(不可算名詞として扱われることが多い)
- 形容詞形: desolate(「荒涼とした」「寂れた」という意味)
- 動詞形: desolate(あまり一般的ではありませんが、「~を荒廃させる」という動詞として使う場合もあり)
- 副詞形: desolately(「荒涼とした様子で」「寂しそうに」 などの意味)
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: desolate (荒廃した、寂れた)
- 接尾語: -ion (状態や行為、結果を示す名詞を作る接尾語)
「desolate (形容詞)」に名詞化の接尾語「-ion」が付いた形です。「荒涼とした状態」や「深い悲しみに包まれた状態」を強調しています。
関連語・派生語
- desolate (形容詞): 荒涼とした、寂れた
- desolately (副詞): 荒涼とした様子で、寂しそうに
- desolating (動名詞的表現): 荒廃させること
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10個)
- a scene of desolation(荒涼とした光景)
- complete desolation(完全な荒廃)
- desolation of the soul(魂の荒涼感、心の深い空虚)
- utter desolation(全くの荒廃、全くの絶望)
- feeling of desolation(荒涼感、絶望感)
- the desolation after war(戦後の荒廃)
- in desolation(荒廃した状態で / 絶望状態で)
- silent desolation(静まり返った荒れ地 / 静かながら重い絶望感)
- emotional desolation(感情的荒廃、精神的な荒涼)
- overwhelming desolation(圧倒的な荒廃、どうしようもない絶望)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の「dēsolāre」(「孤独にする、荒れ地にする」の意)に由来し、それがフランス語を経て英語に入ってきたとされます。
- ラテン語の “solus”(一人で)も関連し、「孤独」や「打ち捨てられた感じ」を根幹としています。
ニュアンス・使用時の注意
- 「desolation」は「荒廃した光景」や「激しい悲しみ」など、かなり強く陰鬱なイメージを持ちます。したがって、通常の日常会話よりは文学や詩的表現、または深刻な話題で用いられることが多いです。
- カジュアルな口語表現ではあまり使用されず、フォーマルあるいは文語的なシーン、あるいは深い悲しみや絶望を表すときに好まれます。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算・不可算: 多くの場合 不可算名詞扱い(a desolation とするのはあまり一般的でなく、the desolation, complete desolation,など特定・抽象的に使う)。
構文例:
- “The desolation of the landscape was overwhelming.”
- (土地の荒廃が圧倒的だった)
- “She felt a profound desolation after the tragedy.”
- (その悲劇の後、彼女は深い絶望感を味わった)
- “The desolation of the landscape was overwhelming.”
イディオム的な成句として特に決まったものは少ないですが、文学作品で “desolation and despair” といった並べ方がよく見られます。
5. 実例と例文
日常会話(カジュアル)での例文
- “I’m not just sad; it feels like pure desolation.”
- 「ただ悲しいだけじゃなくて、完璧に心が荒んでいる感じだよ。」
- 「ただ悲しいだけじゃなくて、完璧に心が荒んでいる感じだよ。」
- “The empty street at night gave me a sense of desolation.”
- 「夜の誰もいない通りが、なんだか荒涼感を与えたよ。」
- 「夜の誰もいない通りが、なんだか荒涼感を与えたよ。」
- “I’ve never experienced desolation like that before.”
- 「あんな絶望感は初めてだった。」
→ ただし、日常のカジュアルな会話で使うにはやや強い表現です。
ビジネス向けの例文
- “The factory’s closure led to the desolation of the entire neighborhood.”
- 「工場の閉鎖が地域全体の荒廃を招きました。」
- 「工場の閉鎖が地域全体の荒廃を招きました。」
- “We must address the economic desolation caused by the financial crisis.”
- 「金融危機によって引き起こされた経済的荒廃に対処しなければなりません。」
- 「金融危機によって引き起こされた経済的荒廃に対処しなければなりません。」
- “The investors were concerned about the area’s desolation.”
- 「投資家たちは、その地域の荒れ具合を懸念していました。」
学術的・文語的な例文
- “In the aftermath of the war, the desolation spanned several regions, affecting human settlement patterns.”
- 「戦争の後、複数の地域にわたり荒廃が広がり、人々の居住形態に影響を与えた。」
- 「戦争の後、複数の地域にわたり荒廃が広がり、人々の居住形態に影響を与えた。」
- “The concept of spiritual desolation is frequently discussed in theology.”
- 「精神的荒廃の概念は神学の領域でよく議論されている。」
- 「精神的荒廃の概念は神学の領域でよく議論されている。」
- “The novel’s depiction of societal desolation reveals the author’s critical stance on industrialization.”
- 「その小説に描かれた社会の荒廃は、工業化に対する著者の批判的立場を示している。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- devastation (破壊・荒廃、強い影響による打撃)
- 「desolation」は心情的・感情的要素が強く、「devastation」は物質的破壊を強調するニュアンス。
- 「desolation」は心情的・感情的要素が強く、「devastation」は物質的破壊を強調するニュアンス。
- ruin (廃墟、崩壊)
- 「ruin」は崩れた建物・文明などを指す具体性が高く、「desolation」はより広範な精神的感覚を含む。
- 「ruin」は崩れた建物・文明などを指す具体性が高く、「desolation」はより広範な精神的感覚を含む。
- bleakness (希望のなさ、暗い感じ)
- 「bleakness」は「希望や活気がない、弱々しいニュアンス」で、より形容詞的用法(bleak)との関連が強い。
- 「bleakness」は「希望や活気がない、弱々しいニュアンス」で、より形容詞的用法(bleak)との関連が強い。
- loneliness (孤独)
- 「loneliness」は主観的な感情の孤独感に重きが置かれるのに対し、「desolation」は外的状況(荒廃)+内的絶望感を合わせた意味を含むことが多い。
反意語
- hope (希望)
- comfort (慰め、安心)
- consolation (なぐさめ、安堵)
これらの言葉は「desolation」が示すような荒涼感や絶望感の対極に位置します。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˌdɛs.əˈleɪ.ʃən/
- アクセント: 第三音節「-la-」に強勢があります (des-o-LA-tion)。
- アクセント: 第三音節「-la-」に強勢があります (des-o-LA-tion)。
- アメリカ英語とイギリス英語の差異: 大きな違いはほとんどなく、両方とも /ˌdɛs.əˈleɪ.ʃən/ で発音されることが多い。
- よくある間違い:
- “desolátion” のように第二音節にアクセントを置いてしまう。
- “desol-ation” と分割して“o”を /oʊ/ ではなく /ɒ/ と発音するなども混乱しやすい。
- “desolátion” のように第二音節にアクセントを置いてしまう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
- “desolasion” や “desoletion” など、“-ation” のつづりを間違えやすい。
- “desolasion” や “desoletion” など、“-ation” のつづりを間違えやすい。
- 同音異義語との混同:
- 近い発音の単語はあまりないものの、「desolation」と「dissolution(分解、解散)」を混同する可能性に注意。
- 近い発音の単語はあまりないものの、「desolation」と「dissolution(分解、解散)」を混同する可能性に注意。
- 試験対策:
- 文学的文章や高度な英文読解(英検準1級以上、TOEICハイスコア向け)で出ることがある。特に全体の文脈として「深い絶望」や「荒んだ状況」を読み取る際にキーワードとなりやすい。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- コアイメージ: “荒れ果てた土地に自分が一人ぼっちでいるイメージ”
- スペリングの覚え方:
- 「deso + l + ation」 → 「desolate(寂れた)」に「-ion」がついて名詞形になった、とイメージする。
- 「deso + l + ation」 → 「desolate(寂れた)」に「-ion」がついて名詞形になった、とイメージする。
- 勉強テクニック:
- 似た形容詞 “desolate” とセットで覚えると、品詞が違っても意味のつながりを理解しやすい。
- 「ソロ(=solo)の中にいるイメージ」と、ラテン語の “solus” (孤独)が関連する、と連想すると印象に残りやすい。
- 似た形容詞 “desolate” とセットで覚えると、品詞が違っても意味のつながりを理解しやすい。
「desolation」は「荒涼とした状態」や「深い絶望感」を表す名詞で、文学や深刻な文脈でよく用いられます。スペリングやアクセントに注意しつつ、同じ語族の形容詞「desolate」と比較・セットで覚えると便利です。
意味のイメージ
意味(1)
〈U〉荒廃させること,荒廃している状態;破壊,破滅
意味(2)
〈U〉悲しみ,わびしさ;孤独,心細さ
意味(3)
〈C〉荒れた(もの寂しい)場所,荒れ地,廃墟