clerical
以下では、形容詞「clerical」について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
英単語: clerical
品詞: 形容詞 (adjective)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 事務的な場面や宗教的な場面で使われることが多く、日常会話でもやや専門的な語彙として扱われるイメージです。
意味
英語: Relating to office or routine administrative work.
日本語: 事務的な・オフィス業務に関する。
例:clerical work
(事務作業)というように、書類作成やデータ入力など、一般的なオフィス業務に関して使われる形容詞です。英語: Relating to the clergy or religious orders.
日本語: 聖職者(聖職)に関する。
例:clerical attire
(聖職者の衣服)といったように、教会や聖職者に関する話題で使われます。
「clerical」は普段、事務的な業務を指すニュアンスが強いですが、場面によっては聖職者に関係する意味でも使われるので文脈に注意しましょう。
活用形
形容詞なので時制による活用はありませんが、比較級・最上級は、
- more clerical / most clerical
のように「more / most」を使って表すことができます。
他の品詞
- 「cleric」(名詞): 聖職者
- 「clerk」(名詞): 事務員、または店員(アメリカ英語では店員の意味もある)
- 「clergy」(名詞): 聖職者の総称
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: 「cleric」または「clerk」
- 接尾語: 「-al」
- 「~に関する」「~の性質を持つ」を表す形容詞化の接尾語です。
この「cleric + al」または「clerk + al」の組み合わせが、事務や聖職の性質を表す形容詞「clerical」になったと考えられます。
よく使われるコロケーション(10個)
- clerical work(事務作業)
- clerical duties(事務的な職務)
- clerical staff(事務スタッフ)
- clerical error(事務的なミス、書類上のミス)
- clerical position(事務職)
- clerical support(事務サポート)
- clerical tasks(事務的業務)
- clerical role(事務担当の役割)
- clerical collar(聖職者が着用するカラー)
- clerical hierarchy(聖職者の階級制度)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「cleric」は、「聖職者」という意味で、ラテン語の“clericus”やギリシャ語の“klērikos”に由来するといわれています。
- 中世ヨーロッパでは読み書きできる人が主に聖職者であったため、文書業務や記録係のイメージが聖職者(cleric)に結びつき、それが「clerical(事務的な)」という意味の由来ともされています。
ニュアンス・使用時の注意
- 事務系の意味で使う場合:オフィスワークや文書処理などを指す、比較的フォーマルな印象。
- 聖職者関連の意味で使う場合:厳かな場面や宗教関連の文脈で使う。
- 口語よりは文章やビジネス文書で目にすることが多い単語です。
4. 文法的な特徴と構文
- 「clerical」は形容詞なので、名詞を修飾する形で使われます。
例: clerical work, clerical staff - オフィス文書などで比較的フォーマルな場面で使われることが多いですが、日常会話でも「事務職」「事務」が話題に上るときに出てくることがあります。
- 「clerical error」など、固定的によく使われる表現(collocation)があるのが特徴です。
5. 実例と例文
ここでは、日常会話・ビジネス・学術的な文脈の3パターンで、各3例ずつ示します。
日常会話での例文
“I’m looking for a clerical job because I enjoy organizing documents.”
(文書整理が好きなので、事務職を探しています。)“My sister does some clerical work from home to earn extra money.”
(私の姉は在宅で事務作業をして小遣い稼ぎをしています。)“I made a clerical error when I filled out the registration form.”
(登録フォームを記載するときに事務的なミスをしてしまった。)
ビジネスでの例文
“Our company is hiring more clerical staff to handle the growing paperwork.”
(当社では増加する書類仕事を処理するために、より多くの事務スタッフを雇っています。)“We need to address any clerical issues before we submit these documents.”
(これらの書類を提出する前に、事務的な問題がないか確認する必要があります。)“She excels in managing clerical duties and coordinating schedules.”
(彼女は事務的な業務やスケジュール調整に非常に長けている。)
学術的・専門的な文脈での例文
“Historically, clerical roles were often tied to monasteries where manuscripts were copied.”
(歴史的に、事務的な役割は写本を作成する修道院と密接に結びついていた。)“Clerical hierarchies played influential roles in medieval Europe’s governance structures.”
(中世ヨーロッパの統治構造において、聖職者の階級制度は重要な役割を果たした。)“The data entry team is responsible for all clerical aspects of this project.”
(データ入力チームは、このプロジェクトのすべての事務的な側面を担当している。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- administrative(管理・経営に関する)
- office-related(オフィスに関する)
- secretarial(秘書業務に関する)
- bureaucratic(官僚的な、事務的なニュアンスが強い)
- 「administrative」は管理や運営に関する業務全般を示す幅広い表現。
- 「secretarial」は秘書業務を指し、より秘書的な色が強い。
- 「bureaucratic」は官僚的で、お役所的な煩雑さを含意することがある。
反意語 (Antonyms)
- manual(手作業の)
- technical(技術的な)
- secular(宗教と関係のない) - 宗教的意味での反意。
- 事務的な仕事とは対照的な「manual」「technical」は身体作業や専門技術を要する作業を指す。
- 聖職者関係の意味での反対語としては「secular」(世俗の、非宗教的な)が挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA): /ˈklɛrɪkəl/
- アメリカ英語(米音): 「クレリカル」(KLER-i-kuhl)
- イギリス英語(英音): 「クレリカル」(KLE-ri-kuhl) ほぼ同じ発音です。
アクセント
- 第1音節「cle」に強勢がある: 「CLER-i-cal」。
- 2音節目は「i」の母音がやや弱くなり、「uh」(schwa)のように発音になる場合があります。
よくある間違い
- つづりを
clerical
ではなくcleric**a**l
(正しくは同じですが、余計なeなどを入れてしまう) - 発音で「クリリカル」と言ってしまうなど、
l
とr
の発音が紛らわしくなる場合。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- 「clinical」(臨床の)とのスペリングの混同に注意。
- 「critical」(批判的な/重大な)とも似たアルファベット構成なので誤変換しやすい。
- TOEICや英検などの資格試験では、ビジネス文脈で「clerical duties」や「clerical error」が出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「cleric(聖職者)」→「clerical(聖職者の、または事務的な)」という流れをイメージすると覚えやすいです。
- 「聖職者が古代では書類を扱っていた」という歴史が由来となり、「事務的な」という意味に広がったと覚えると関連性がつかみやすいでしょう。
- スペリングは
cleric
+al
で「cleric-al」。 - 音で覚えるなら「クレリカル(KLER-i-kuhl)」をしっかり区切って、
cleri
+cal
のリズムを意識すると発音しやすいです。
以上が、形容詞「clerical」の詳細解説です。事務作業を表す表現としてビジネス文書などでよく使われる一方、元来は聖職者を指す語から派生している点が特徴的です。日常的な会話でも事務の話題が出る場合に用いられることがあるので、文脈に合わせて上手に使ってみてください。
聖職者の,牧師の
事務員の書記の