benevolence
1. 基本情報と概要
英語: benevolence
日本語: 慈悲心、善意、寛大さ
品詞: 名詞 (noun)
「benevolence」は「善意」や「慈悲」の感覚を表す言葉で、「他者へ善意を持って接すること」や「親切心を示すこと」のニュアンスがあります。フォーマルな文脈で使われることが多く、高潔さや寛大さを強調するイメージの単語です。
活用形
- 名詞: benevolence (不可算名詞として使われることが多い)
- 形容詞形: benevolent (慈悲深い、善意ある)
- 副詞形: benevolently (慈悲深く、善意をもって)
難易度(CEFR レベルの目安)
- B2(中上級): 日常会話ではあまり頻繁には登場しませんが、文学やフォーマルな文章、スピーチなどで見聞きする可能性があります。上品な響きを持つ表現として覚えておくと便利です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- bene-: ラテン語由来で「良い」「善」という意味
- vol-: ラテン語で「意志」「望む」という意味 (volo=I wish)
- -ence: 名詞を形成する接尾語で、「状態、性質」、つまり抽象名詞を作る役割をもつ
したがって「benevolence」は、語源的には「良い意志(を持つこと)」→「慈悲・善意」を表します。
関連語や派生語
- benevolent (形容詞): 慈悲深い、善意のある
- benefactor (名詞): 恩人、後援者
- benevolently (副詞): 慈悲深く、善意をもって
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- show benevolence → 慈悲を示す
- act of benevolence → 善意の行い
- spirit of benevolence → 善意の精神
- random benevolence → 思いがけない善行
- benevolence towards others → 他者への慈悲心
- pure benevolence → 純粋な善意
- an example of benevolence → 善行の例
- in a spirit of benevolence → 善意をもって
- extend one’s benevolence → 善意を広げる
- reciprocal benevolence → 相互の善意
3. 語源とニュアンス
語源
「benevolence」はラテン語の「benevolentia」から来ており、
- bene = 「良い」
- volō = 「望む(wish)」
が組み合わさって「良きことを望む気持ち」、「善意」という意味に発展しました。
ニュアンス・使用時の注意点
- フォーマルな響き: 日常会話ではあまり頻出しませんが、文学、宗教、スピーチなどで道徳や徳性を強調する際によく使われます。
- 感情的なニュアンス: 「心からの善意」や「相手を助けたいと願う気持ち」が伝わる単語です。
- 使用シーン: 友人同士のカジュアルな会話よりも、式典、演説、学術的な文章などフォーマルな場で見られます。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞 (不可算名詞): 「a benevolence」と言うよりは「benevolence」自体を抽象的な善意の性質として扱うことがほとんどです。
- 場合によっては、「acts of benevolence」のように複数の「善行」を言う時には可算的に使われることもあります。
イディオムや構文例
- (to) show benevolence (toward someone): (人に)善意を示す
- out of benevolence: 慈悲心から、善意から
5. 実例と例文
日常会話の例文
“I really appreciate your benevolence in helping me move today.”
(今日、引っ越しを手伝ってくれたあなたの善意には本当に感謝しているよ。)“Her benevolence is well-known in our neighborhood; she often volunteers at the community center.”
(彼女の善意は近所で有名で、よくコミュニティセンターでボランティアをしているんです。)“A small act of benevolence can brighten someone’s entire day.”
(ちょっとした善意の行いが、誰かの一日を明るいものにすることもあるよ。)
ビジネスシーンの例文
“Our company values benevolence and encourages employees to participate in charitable activities.”
(我が社では善意を大切にしており、従業員の慈善活動への参加を推奨しています。)“In negotiations, benevolence can help build trust and foster long-term relationships.”
(交渉の場では、善意を示すと信頼を築き、長期的な関係を育むのに役立ちます。)“Her benevolence towards her team has led to an open and supportive work environment.”
(チームへの彼女の善意のおかげで、風通しの良い支援的な職場環境が生まれています。)
学術・フォーマルな例文
“Philosophers often debate the origins of benevolence within human nature.”
(哲学者たちはしばしば、人間の本質における善意の起源について議論する。)“Historical records indicate the benevolence of certain rulers who prioritized the welfare of their people.”
(歴史書によると、国民の福祉を最優先にする支配者の善意が記録されている。)“In many religious teachings, benevolence is regarded as a fundamental virtue.”
(多くの宗教的教えにおいて、善意は基本的な徳目の一つとみなされている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- kindness (親切心)
- 「思いやりの心」を広く指すよりカジュアルな単語。日常的に使われる。
- 「思いやりの心」を広く指すよりカジュアルな単語。日常的に使われる。
- generosity (寛容さ、気前の良さ)
- 物質的・精神的に惜しみなく与えるようなイメージ。
- 物質的・精神的に惜しみなく与えるようなイメージ。
- goodwill (好意、厚意)
- ビジネスや外交の場面で公式的に「友好」や「好意」を示すときに使われることが多い。
- ビジネスや外交の場面で公式的に「友好」や「好意」を示すときに使われることが多い。
- compassion (思いやり、同情)
- 苦しんでいる人に対しての同情や思いやりに焦点がある。
- 苦しんでいる人に対しての同情や思いやりに焦点がある。
反意語
- malevolence (悪意)
- 意図的に人を陥れようとする気持ちや邪悪な願望。
- 意図的に人を陥れようとする気持ちや邪悪な願望。
「benevolence」は相手に対する善意や慈悲心を、よりフォーマルかつ崇高な印象で伝える表現、という点で「kindness」と少しニュアンスが異なります。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /bəˈnɛv.əl.əns/
- イギリス英語: /bəˈnev.əl.əns/
強勢と発音のポイント
- 第2音節「nev」に強勢: be-NEV-o-lence
- カタカナで書くと「バネヴァレンス」に近い音ですが、日本語にはない「ə」(シュワー)の音が入るので注意が必要です。
よくある発音の間違い
- 最初の「be」を「ベ」ではなく「バ」に近い音で発音する。
- 「-lence」の部分を「ランス」としてしまうなど、日本人的なクセで母音を強く伸ばしすぎる場合がある。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “benevolence” は “-vo-” と入るため、しばしば “benevalence” や “benevelonce” などの間違いが起きやすいです。
- “benevolence” は “-vo-” と入るため、しばしば “benevalence” や “benevelonce” などの間違いが起きやすいです。
- 「benevolent」(形容詞)との混同
- 名詞は “benevolence”、形容詞は “benevolent”。使い分けに注意しましょう。
- 名詞は “benevolence”、形容詞は “benevolent”。使い分けに注意しましょう。
- フォーマル度
- 話し言葉では余り使われないため、使いどころを誤ると不自然になる場合があります。
- 話し言葉では余り使われないため、使いどころを誤ると不自然になる場合があります。
- 試験対策
- TOEIC や英検などで頻出の単語ではありませんが、上級レベルの読解問題や語彙問題で出る可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 語源の「bene」(良い)+「vol」(望む)から、「良からんと望む心」とイメージすると覚えやすいでしょう。
- 「bene-」は「benefit」や「beneficial」など「良いこと」に関する単語で登場する接頭語なので、セットで覚えると記憶に残りやすいです。
- スペリングは「bene-vo-lence」で区切って意識するとミスを防げます。
上記を参考に、「benevolence」は相手を思いやる心のあり方を端的に表すフォーマルな単語で、英語上級者には欠かせない語彙の一つです。文章やスピーチなどで、相手を称えたり、高潔な精神を表したいときにぜひ使ってみてください。
〈U〉善意,慈悲心,親切心
〈C〉《単数形で》親切な行為