preoccupy
以下では、「preoccupy」という英単語について、なるべく詳しく解説します。まず前提として、「preoccupy」は動詞であり、副詞ではないため、その点をご承知おきください。
1. 基本情報と概要
単語: preoccupy
品詞: 動詞 (verb)
意味(英語 / 日本語)
- 英語: “to occupy one’s mind or thoughts excessively; to dominate one’s attention or concern”
- 日本語: 「(人の)心や思考を強く占めること。ある事柄への気がかりや関心を大きくさせること。」
「preoccupy」は、「何かが頭から離れずに心を占める」「気になって仕方がない」というニュアンスで使われる動詞です。たとえば、テストの結果が気になってずっと頭にあるような状況を表す表現です。
主な活用形
- 現在形: preoccupy (主語が三人称単数の場合は “preoccupies”)
- 現在分詞 / 動名詞: preoccupying
- 過去形 / 過去分詞: preoccupied
他の品詞になった場合の例
- 形容詞: preoccupied (例: “He seems preoccupied with his own thoughts.”)
- 名詞形: preoccupation (例: “His main preoccupation is his upcoming exam.”)
CEFRレベル目安: B2(中上級)
→ B2は中上級レベルなので、ある程度英語に慣れてきた学習者が、抽象的な話や複雑な状況を理解する際に必要な語彙感覚です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 前置要素(接頭語): “pre-” (「前もって」「先に」という意味)
- 語幹: “occupy” (「占める」「ふさぐ」という意味)
「preoccupy」は「前もって占める」というニュアンスで、「心が先に占有されてしまう」→「ひとつのことにとらわれる」という意味になっています。
派生語や類縁語
- preoccupation (名詞) : 「心配事」「気がかり」「没頭」
- preoccupied (形容詞) : 「心が他に奪われている」「没頭している」
よく使われるコロケーションや関連フレーズ(10個)
- be preoccupied with … / …に気を取られている
- preoccupy one’s mind / (人)の心を占める
- main preoccupation / 主な懸念・関心事
- perpetual preoccupation / 絶え間ない気がかり
- deeply preoccupied with … / …に深く没頭している
- somewhat preoccupied / いくらか気を取られている
- preoccupied look / 何かにとらわれた表情
- preoccupied state / 没頭した状態
- preoccupy someone’s attention / (人)の注意を引き付け続ける
- renewed preoccupation / 新たな気がかり
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語 “praeoccupare”(「前もって占める」)に由来します。時間や心を「先取り」するイメージで、一つのことが強く意識を奪うというニュアンスを生み出しています。
使用時のニュアンス・注意点
- ある事柄に意識を奪われている、集中しているために、他のものが見えなくなっているようなニュアンスがあります。
- カジュアル、フォーマルどちらでも使われます。ただし、日常会話では「He’s worried about…」や「He’s thinking about…」が使われることも多いです。「preoccupy」は、やや文字や会話の中で意識的・抽象的に表現したい場合に使われるイメージです。
4. 文法的な特徴と構文
動詞: 他動詞としての使い方
- “to preoccupy someone” の形で「(ある事柄が)人の心を占める」という他動詞として使われます。
- 目的語として「人」の心や意識を取ることが多いです。
- “to preoccupy someone” の形で「(ある事柄が)人の心を占める」という他動詞として使われます。
受け身構文
- “be preoccupied with …” (…に心を奪われている)
- 形容詞「preoccupied」を使った表現としてよく登場します。
- “be preoccupied with …” (…に心を奪われている)
イディオム的表現
- “get preoccupied with …” → 「…に夢中になる」「頭がいっぱいになる」
- “preoccupy oneself with …” → 「…に没頭する」
- “get preoccupied with …” → 「…に夢中になる」「頭がいっぱいになる」
フォーマル/カジュアルともに使えますが、前述のとおり日常会話では “worry” 等に置き換える場合も多いです。
5. 実例と例文
(A) 日常会話での例文
“I’ve been preoccupied with my exam schedule lately, so I haven’t been able to relax.”
- 「最近、試験の日程のことで頭がいっぱいで、リラックスできないんだ。」
“He looked so preoccupied that he didn’t even notice I was there.”
- 「彼はとても考え込んでいて、私がそこにいることさえ気づかなかった。」
“Sorry, I was preoccupied with texting. Could you repeat what you said?”
- 「ごめん、メッセージに気を取られてた。もう一度言ってもらえる?」
(B) ビジネスでの例文
“The upcoming merger seems to preoccupy everyone in the office.”
- 「今度の合併の件で、オフィスの誰もが頭がいっぱいのようです。」
“I’m afraid the CEO is too preoccupied with the latest financial reports to discuss your proposal right now.”
- 「CEOは最新の財務報告で手一杯で、今はあなたの提案について話し合う余裕がなさそうです。」
“Our main preoccupation is ensuring the new product meets quality standards.”
- 「私たちの一番の懸念は、新製品が品質基準を満たすことです。」
(C) 学術的な文脈での例文
“Psychologists study how certain thoughts can preoccupy patients with anxiety disorders.”
- 「心理学者は、特定の思考が不安障害の患者にどのように強い影響を与えるかを研究します。」
“The researcher’s preoccupied mind led him to focus exclusively on one hypothesis.”
- 「その研究者は頭がそのことばかりで、ひとつの仮説にばかり集中するようになった。」
“Her preoccupation with experimental data overshadowed other aspects of the project.”
- 「実験データへの彼女の強い執着は、プロジェクトの他の面を見えなくしてしまった。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語(Synonyms)
- obsess → 「取りつかれる」
- “obsess” は「頭から離れずに取りついている」というニュアンス。やや強い精神的支配を表す。
- “obsess” は「頭から離れずに取りついている」というニュアンス。やや強い精神的支配を表す。
- engross → 「没頭させる」
- “engross” は「完全に夢中にしてしまう」というニュアンス。肯定的にも否定的にも使われる。
- “engross” は「完全に夢中にしてしまう」というニュアンス。肯定的にも否定的にも使われる。
- occupy → 「占める」
- “occupy” はより広い意味で「場所・時間・心などを占める」。
- “occupy” はより広い意味で「場所・時間・心などを占める」。
- concern → 「懸念する、関係する」
- “concern” は「心配・関心」という意味が強く、「preoccupy」ほど強迫的ではない印象。
- “concern” は「心配・関心」という意味が強く、「preoccupy」ほど強迫的ではない印象。
反意語(Antonyms)
- distract → 「気をそらす」
- 「preoccupy」とは逆に、注意や意識を他に向けるニュアンス。
- 「preoccupy」とは逆に、注意や意識を他に向けるニュアンス。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /priˈɑːkjʊpaɪ/
- イギリス英語: /priˈɒkjʊpaɪ/
強勢(アクセント)の位置
- “pre-O-ccu-py” の第二音節「oc」に主なストレスが置かれ、[prɪ-ˈɒk-jʊ-paɪ] のように発音します。
よくある発音の間違い
- “preoccupy” の “oc” 部分を軽く発音しすぎたり、ストレスを間違えると通じにくくなる場合があります。
- アメリカ英語とイギリス英語での母音の差 (/ɑː/ vs /ɒ/) に気をつけましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルの間違い
“preoccupy” は “pre” + “occupy” ですが、稀に “preocupy” や “preoccupie” などと表記ミスが起こりやすいです。 - 意味の取り違え
- 「心配(worry)」と混同しやすいですが、「preoccupy」はもう少し「没頭する」「思考を強く支配する」ニュアンスがあります。
- 「心配(worry)」と混同しやすいですが、「preoccupy」はもう少し「没頭する」「思考を強く支配する」ニュアンスがあります。
- TOEICや英検などの試験対策
- ビジネスシーンでの文脈(会議やプロジェクトへの関心など)で「be preoccupied with…」という形が出題される場合があります。
- 語句整序や穴埋め問題で、文脈上「worry」などの類義語との区別を求められることがあります。
- ビジネスシーンでの文脈(会議やプロジェクトへの関心など)で「be preoccupied with…」という形が出題される場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “preoccupy” = “pre-” (先に) + “occupy” (占める) という組み合わせを思い出すと、「何かに先んじて意識を奪われる」のイメージで覚えやすいでしょう。
- 「心を先取りされてしまう感覚」を思い浮かべると、視覚的に理解しやすいです。
- フラッシュカードやアプリで「preoccupy」→「何かに奪われて他を見れない人の絵」などと視覚的にセットで覚えると定着しやすくなります。
以上が、動詞「preoccupy」の詳細な解説です。副詞ではない点にご注意の上、日常やビジネス、学術研究など、さまざまなシーンで使い分けられるようにしてみてください。
《しばしば受動態で》〈人・人の心〉‘を'いっぱいにする