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practically
解説
以下では、副詞「practically」について、学習者向けにやさしく、かつ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語 & 日本語)
- 英語: “practically”
- 日本語: 「事実上は」「ほとんど」「実際には」の意味を持つ副詞です。
日常会話では、「ほぼ~」「ほとんど~」というニュアンスで使われます。例えば “It’s practically impossible.”(それはほとんど不可能です)のように使い、実際にはかなり厳しい状態であることをニュアンスとして伝えます。
品詞と活用形
- 品詞: 副詞 (adverb)
- 形容詞形: “practical” (実用的な、実際的な)
- 副詞形: “practically” (今回の単語)
他の品詞形の例
- 形容詞 “practical”
例: “His advice is very practical.”(彼のアドバイスはとても実用的だ) - 名詞 “practice”
例: “Practice makes perfect.”(練習によって完璧になる) - 動詞 “practice”(米)/ “practise”(英)
例: “I practice my piano every day.”(私は毎日ピアノを練習します)
CEFRレベルの目安
- B2:中上級
日常やビジネス、学習といった多様な文脈で使われ、やや広い語彙力を必要とする単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “practic-” (「実践、実用」を意味する語根)
- 接尾辞: “-ally” (副詞を作るための接尾辞)
「実用的に」「事実上」「ほとんど」のように、状況によって意味が少し変化するのが特徴です。
よく使われるコロケーション(10個)
- practically impossible → ほとんど不可能
- practically the same → ほとんど同じ
- practically no difference → ほとんど違いがない
- practically everything → ほとんどすべて
- practically speaking → 実際問題として
- practically zero → ほぼゼロ
- practically nothing → ほとんど何もない
- practically done → (作業などが) ほぼ終わっている
- practically perfect → ほとんど完璧
- practically unavoidable → ほぼ避けられない
3. 語源とニュアンス
語源
- 「practical」(実用的な、実際的な)+ 副詞化の接尾辞 “-ly”
- 「practice」「practical」はラテン語の “practicus”(行動の、実践的な)に由来します。
ニュアンス・使用時の注意
- 「ほとんど」「だいたい」という意味で使う場合、“nearly”や“almost”と似ていますが、“practically”のほうが「実際面では」「現実問題として」というニュアンスがやや強く響きます。
- くだけた会話から、ビジネスメールなどフォーマルな文章まで幅広く用いられます。
- 「実質的にはそうだよ」として強調するときに便利な表現です。
4. 文法的な特徴と構文
- “practically”は副詞形なので、動詞・形容詞・他の副詞などを修飾します。
- “practically”の位置は、修飾する内容や文意によって文頭・文中・文末に置くことができます。
- 例: “Practically speaking, it’s a waste of time.”
- 例: “Practically speaking, it’s a waste of time.”
- フォーマル/カジュアルの両方で使えますが、会話ではカジュアル寄りの響きで使用されることが多いです。
5. 実例と例文
A. 日常会話での例文(3つ)
- “It’s practically impossible to finish all this work by tomorrow.”
(明日までにこの仕事を全部終わらせるのは、ほとんど不可能だよ。) - “She’s practically moved in with her boyfriend.”
(彼女はほぼ彼氏の家に住んでいる状態だね。) - “We have practically no food left in the fridge.”
(冷蔵庫にはほとんど食べ物が残っていないよ。)
B. ビジネスシーンでの例文(3つ)
- “The new policy is practically the same as the old one.”
(新しい方針は古い方針とほとんど変わりありません。) - “We are practically done with the project, just need final approval.”
(プロジェクトはほぼ完了しています。あとは最終承認が必要なだけです。) - “Practically speaking, this approach might save us time.”
(実際ベースで考えると、この方法のほうが時間を節約できそうです。)
C. 学術的な文脈での例文(3つ)
- “The theory is practically very challenging to implement in real-world settings.”
(理論は実際的には、現実の環境で実装するのが非常に難しいです。) - “Although the method seems elegant, it’s practically unfeasible with current technology.”
(その手法は理論的には優れているように見えますが、現行技術ではほとんど実現不可能です。) - “It took decades before the concept became practically applicable in industry.”
(その概念が工業界で実際に応用可能になるまでに数十年を要しました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- “almost” → 「ほとんど」
- “almost”の方が幅広く使え、少しだけ何かが足りないニュアンスにフォーカス。
- 例: “I almost finished my homework.” (あともう少しで終わる感)
- “almost”の方が幅広く使え、少しだけ何かが足りないニュアンスにフォーカス。
- “nearly” → 「ほとんど、もう少しで」
- “practically”と非常に近い意味だが、ニュアンスとしてはやや数や量に注目するときに使われやすい。
- “practically”と非常に近い意味だが、ニュアンスとしてはやや数や量に注目するときに使われやすい。
- “virtually” → 「事実上、実質的に」
- “practically”よりも少しフォーマルな響き。技術的、科学的な文章でよく見られる。
- “practically”よりも少しフォーマルな響き。技術的、科学的な文章でよく見られる。
反意語 (Antonyms)
- 副詞としての直接的な反意語はあまり多くありませんが、意味的には “theoretically” (理論的には)や “impossibly” (不可能なほど、実行できない)などが、文脈により反意のニュアンスを持ちます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈpræk.tɪ.kli/
- アメリカ英語: [プラクティクリ]
- イギリス英語: プラクティクリ
- アメリカ英語: [プラクティクリ]
- 第1音節 “prac-” にストレス(強勢)があります。
- よくある間違い: “prac-ti-cal-ly” と区切って発音する時に、語尾の “-ally” が曖昧になりやすいですが、/ˈpræk.tɪ.kli/ と滑らかにつなげて発音します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “practically” と “practicaly” (lが抜けたり) などのミスが多いので注意。
- “practice” (米) / “practise” (英) と混同: イギリス英語では名詞と動詞でスペルが変わりますが、「practically」はどちらも “-ally” で同じです。
- “almost” などとの置き換えには注意: 意味的に近いですが、「実質的に」というニュアンスは “practically” でより強調したい場面に向きます。
- TOEICや英検などでも、類義語を問う問題・単語の意味選択問題などで出題される可能性があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「practice(練習・実践)」と同じ語源を持つため、「現実面でほぼそうだよ」というイメージで捉えると覚えやすいです。
- “practic(al) + ally” = 実際的に+副詞化 → 「実際のところ (ほぼ、事実上)」と意識するとよいでしょう。
- スペリングでは “l” が2回出てくるので、“practic + ally” と区切って覚えるとミスを防ぎやすいです。
以上が、副詞「practically」の詳細解説です。
「ほとんど」「事実上」「実質的には」という意味合いを持っていて、さまざまなシーンで活躍する便利な単語です。
意味のイメージ
意味(1)
実質的には,事実上,ほとんど(almost)・実際的に,実用的に,実際的な方法で