haunt
以下では、動詞 haunt
について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語
- 英語: haunt
- 日本語: “(幽霊などが)出没する”、“(嫌な思い出・考えが)つきまとう”、“よく行く” など
品詞
- 動詞 (Verb)
意味の概要 (英語 / 日本語)
- 英語の説明: To appear or occur repeatedly in someone’s mind or to frequently manifest in a place (often used for ghosts or unpleasant memories).
- 日本語での説明: 幽霊がよく姿を見せる、あるいは過去の嫌な思い出や考えが頭から離れずにつきまとう、または人がしばしば訪れるといった意味で使われます。
「幽霊が出る場所に出没する」という雰囲気もありますが、「頭から離れない嫌な記憶」というニュアンスでもよく使われます。
活用形
- 原形: haunt
- 三人称単数現在形: haunts
- 過去形: haunted
- 過去分詞形: haunted
- 現在分詞形 / 動名詞: haunting
他の品詞形
- haunted (形容詞): “幽霊が出る”、“取り憑かれたような” という形容詞
- haunting (形容詞): “心に残る”、“不気味なほど印象的な” といった意味合いをもつ形容詞
CEFRレベル目安
- B2(中上級): 一般的な文章やニュースなどでも出現し、抽象的な話題にも使用される。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語や接尾語は特にありません。「haunt」は語根そのものが動詞として機能しています。
詳細な意味とニュアンス
- (幽霊・霊などが)出没する
例: A ghost haunts the old castle. (古い城に幽霊が出る) - (場所を)しばしば訪れる/よく行く
例: This café is often haunted by students. (このカフェは学生がよく訪れる) - (思い出・感情などが)つきまとって離れない
例: The painful memory still haunts me. (その辛い思い出は今でも私につきまとう)
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ(10選)
- be haunted by …(…に取り憑かれる / …が頭から離れない)
- haunt one’s dreams(夢に現れる)
- haunted house(幽霊屋敷)
- haunt the scene(現場に出没する)
- haunt one’s memory(記憶にこびりつく)
- a haunting melody(心に残る旋律)
- haunted look(憑かれたような表情)
- a favorite haunt(よく行くお気に入りの場所)
- ghosts haunt …(…に幽霊が出没する)
- feeling haunted by guilt(罪悪感に苛まれる/取り憑かれる)
3. 語源とニュアンス
語源
haunt
は古フランス語のhanter
(しばしば訪れる / 付きまとう) に由来し、中英語を経て現在の形になりました。- 元々は「しばしば出入りする場所に行く」という意味合いをもっていましたが、のちに幽霊が場所を「しょっちゅう出入りする」というニュアンスにも転じました。
ニュアンスや使用上の注意点
- 感情的なニュアンスとしては「気味が悪い」「どうしても忘れられない」など、ややネガティブまたは不気味な感じがあります。
- 文脈によって「悔恨・罪悪感・恐怖」などを表現する時にもよく使われます。
口語・文章表現
- 口語でも「That memory still haunts me.」のように会話でよく使われますが、やや文語的、ドラマチックな表現としても頻繁に登場します。
- ホラーやゴシックな文脈では特にしばしば用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 動詞 “haunt” は他動詞の用法を持つ場合と、自動詞のように振る舞う場合があります。
- Ghosts haunt the old castle. (他動詞的に “the old castle” を目的語としている)
- Memories haunt. (目的語を直接とらず、「思い出がつきまとう」というニュアンス)
- Ghosts haunt the old castle. (他動詞的に “the old castle” を目的語としている)
一般的な構文・イディオム
- haunt + 場所
- 例: Tourists claim that ghosts haunt this hotel.
- 例: Tourists claim that ghosts haunt this hotel.
- haunt + 人
- 例: These regrets have been haunting me for years.
- 例: These regrets have been haunting me for years.
- be haunted by + 思い出/感情
- 例: She was haunted by feelings of guilt.
フォーマル/カジュアルシーン
- フォーマルな文脈でも、研究や文学作品で「歴史の影がつきまとう」などの表現に活用。
- カジュアルな会話でも、恐怖体験や嫌な思い出を語るときに使用。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
“I can’t watch horror movies anymore; the scenes always haunt me at night.”
(ホラー映画はもう見られないよ。夜になるとあの場面がいつも頭から離れないんだ。)“That abandoned house is said to be haunted by a woman in white.”
(あの廃屋には白い服の女性の幽霊が出るって言われているよ。)“My childhood mistakes still haunt me sometimes.”
(子供の頃の失敗が、今でもときどき頭をよぎってつきまとうんだよね。)
ビジネスでの例文 (3つ)
“The fear of a previous failure haunted the negotiations.”
(以前の失敗への恐れが、交渉に暗い影を落としていた。)“Financial losses continued to haunt the company for years.”
(財務上の損失が、何年もの間その会社を苦しめ続けた。)“That decision may come back to haunt us if we don’t evaluate the risks carefully.”
(リスクを注意深く評価しないと、その決定はあとで私たちを苦しめることになるかもしれない。)
学術的な文脈での例文 (3つ)
“Archaeologists suggest that legends of ghosts haunting the ruins have cultural significance.”
(考古学者たちは、廃墟に出没する幽霊伝説には文化的な意義があると示唆している。)“His controversial theories continue to haunt the scientific community’s discourse.”
(彼の物議を醸した理論は、科学者たちの議論に今でも影響を残している。)“Historical traumas often haunt collective memory across generations.”
(歴史的なトラウマは、世代を超えて集団的な記憶に影響を及ぼし続けることが多い。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
torment (苦しめる)
- “The same doubts tormented him for weeks.” (同じ疑念が何週間も彼を苦しめた。)
- “haunt” ほど幽霊や潜在的な「出没」を強調しないが、苦しめる点で近い。
- “The same doubts tormented him for weeks.” (同じ疑念が何週間も彼を苦しめた。)
disturb (不安にさせる)
- “The thought of losing her jacket disturbed her.” (ジャケットをなくすかもしれないと思うと落ち着かなかった。)
- 「haunt」よりも心の平穏を乱す程度のニュアンス。
- “The thought of losing her jacket disturbed her.” (ジャケットをなくすかもしれないと思うと落ち着かなかった。)
plague (絶えず苦しめる)
- “Rumors about the scandal plagued the politician for months.” (スキャンダルの噂が何ヶ月にもわたり政治家を苦しめた。)
- 長期的に苦しめる点で似るが、「幽霊が出る」意味は含まない。
- “Rumors about the scandal plagued the politician for months.” (スキャンダルの噂が何ヶ月にもわたり政治家を苦しめた。)
obsess (取りつかれる)
- “She’s obsessed with the idea of success.” (彼女は成功の考えに取りつかれている。)
- “haunt” の持つ「幽霊・場所に出没する」要素はなく、ほぼ頭の中の思考への強い執着というニュアンス。
- “She’s obsessed with the idea of success.” (彼女は成功の考えに取りつかれている。)
反意語 (Antonyms)
- comfort (安心させる)
- reassure (安心させる)
- forget (忘れる)
- dismiss (退ける/無視する)
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA)
- アメリカ英語: /hɔːnt/ または /hɑːnt/
- イギリス英語: /hɔːnt/
強勢(アクセント)の位置
- 動詞 “haunt” の場合、アクセントは単音節なので強勢はひとつだけ (haunt の [hɔːnt] 部分にかかります)。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
- イギリス英語は /hɔːnt/(“ホーント”)に近い発音。
- アメリカ英語は /hɑːnt/(“ハーント”)や /hɔːnt/(“ホーント”)で地域や話者により変化があります。
o
がやや「アー」寄りになるか、「オー」寄りになるかの違い。
よくある発音の間違い
- “hand” や “hunt” と混同して発音する人がいますが、しっかり [ɔː] か [ɑː] を入れて伸ばすようにしましょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルは「haunt」で、a と u の位置を混同しがち (“h-a-u-n-t”)。
- 同音異義語はあまりありませんが、つづりの似ている “taunt” (からかう) と混同しないよう注意。
- 試験 (TOEIC・英検) などでは、文章読解問題などで出現し、文脈から「つきまとう」や「幽霊が出る」の意味を問われる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「ホーン(t)」という音から、幽霊がホール(hall)やお城に出てくるイメージを連想すると覚えやすいかもしれません。
- “haunt” は「嫌な思い出が頭をこっそりのぞきにくる」イメージで理解すると、つきまとうニュアンスが分かりやすいでしょう。
- スペリングは “h-a-u-n-t” で「オーに近い アーの音」を伸ばして読む発音を意識するとよいです。
以上が、動詞 haunt
の詳細な解説です。幽霊の出没や嫌な思い出がつきまとう感覚を表すときに、とても便利な単語ですので、ぜひ覚えて使ってみてください。
…‘に'しばしば行く
《しばしば受動態で》(幽霊などが)…‘に'出没する
《通例受動態で》〈考え・思い出などが〉〈人・人の心〉‘に'付きまとう