元となった辞書の項目
frame
IPA(発音記号)
解説
以下では、動詞 “frame” について、できるだけ詳しく解説していきます。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 「to frame」:
- (写真や絵などを)枠に入れる
- (計画などを)組み立てる、形作る
- (人を)陥れる、罪をでっち上げる
- (写真や絵などを)枠に入れる
「写真や絵を枠にはめる」場面や、「計画や意見をまとめる、形作る」状況で使われるほか、誰かに罪をなすりつけるような動作を表すときに使われる動詞です。ニュアンスや文脈によって、ポジティブ(何かをきれいにまとめる)にもネガティブ(誰かを陥れる)にもなるため、状況に応じて注意して使います。
品詞
- 動詞(Verb)
活用形
- 原形:frame
- 三人称単数現在形:frames
- 現在分詞・動名詞:framing
- 過去形・過去分詞形:framed
他の品詞
- 名詞 “frame”
意味:枠、骨組み、フレームなど。たとえば「picture frame(写真立て)」のように使われます。
CEFRレベルの目安
- B2(中上級)
日常会話の中でも使える単語ですが、多義的でさまざまな文脈で使われるため、ある程度語彙の幅が必要になる印象があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語や接尾語は特に含まれていません。単語そのものが語幹と考えられます。
主な派生語
- framed (形容詞的に):「枠に入れられた」「陥れられた」
- reframe (動詞):「再構成する、視点を変える」
- framework (名詞):「枠組み、体制」
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- frame a picture(写真を枠に入れる)
- frame a question(質問をうまく組み立てる)
- frame someone for a crime(人に罪を着せる)
- frame the issue(問題を整理して提示する)
- frame in words(言葉でまとめ上げる)
- frame the concept(概念を形作る)
- frame up evidence(証拠をでっち上げる)
- frame a proposal(提案をまとめる)
- frame a policy(方針を立案する)
- be framed by society(社会的に枠づけられる/固定観念を押し付けられる)
3. 語源とニュアンス
語源
「frame」は古英語 “framian” (進む、成功する)に由来し、もともとは「形作る」「作り上げる」という感覚を含んでいました。
中世以降は「枠(frame)を作る」といった具体的な意味に加えて、「事を(うまく)組み立てる」「策略を巡らす」など、より広範な抽象的なニュアンスが付与されました。
ニュアンスと使用時の注意
- ポジティブな文脈:
・計画や考えを「まとめる/形作る」
・絵や写真を「美しく飾る」 - ネガティブな文脈:
・「誰かを陥れる」「罪をでっち上げる」
場合によっては非常に重い意味合いになるため注意が必要です。
カジュアルかフォーマルか
- 「枠にはめる/飾る」「概念をまとめる」などの意味では、ビジネスや日常会話、アカデミックな文脈でも幅広く使われます。
- 「罪をでっち上げる」意味では、どちらかといえば会話のほうが多いかもしれませんが、ニュースや新聞などでも見かける表現です。
4. 文法的な特徴と構文
1) 他動詞として使う
- “frame something” → 「~を枠にはめる/形作る/陥れる」
- 目的語に人や物、抽象的な概念が来る場合があります。
2) イディオム・定型表現での使用例
- “frame up” : 証拠を捏造する、でっち上げる
例) “They framed him up.”(彼らは彼を陥れた) - “frame of mind” : これは名詞 “frame” の表現(「心の状態」の意)で、動詞ではありませんがよく使われます。
3) フォーマル/カジュアル
- 計画を「まとめる」「構築する」という文脈で使う場合にはビジネスシーンでもフォーマル寄りです。
- 「陥れる」意味は日常会話やスラングっぽいニュアンスの出るドラマ・映画などでよく登場します。
5. 実例と例文
日常会話の例文(3つ)
- “I’m going to frame this photo of us to hang in my living room.”
(リビングに飾るために、私たちの写真を額に入れるつもりだよ。) - “Could you help me frame my thoughts on this topic? I’m stuck.”
(このトピックについて考えをまとめるのを手伝ってくれない?行き詰まってるんだ。) - “I think someone tried to frame me for that broken vase.”
(誰かがあの壊れた花瓶の件で、私に罪を着せようとしてる気がする。)
ビジネスシーンの例文(3つ)
- “Let’s frame our key objectives clearly before starting the project.”
(プロジェクトを始める前に、まず主要な目標を明確にまとめましょう。) - “We need to frame the proposal in a more concise way for the board meeting.”
(役員会議用に、提案をより簡潔にまとめる必要があります。) - “Make sure no one can accuse us of trying to frame our competitor unfairly.”
(競合他社を不当に陥れようとしていると思われないように注意してください。)
学術的/アカデミックシーンの例文(3つ)
- “Researchers often frame their hypotheses based on prior studies.”
(研究者はしばしば先行研究に基づいて、自らの仮説を組み立てる。) - “We should carefully frame the question to avoid bias in our survey.”
(調査にバイアスが入らないように、質問の立て方を慎重に組み立てるべきです。) - “In his paper, he attempts to frame the debate through a historical lens.”
(彼の論文では、歴史的観点から議論を組み立てようとしている。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “structure”(構造化する)
→ 「形作る」「組み立てる」という点で似ていますが、より「要素の配置」を重視するニュアンスです。 - “organize”(整理する)
→ 「整理する」「まとめる」という意味で「frame」と近いですが、「組織化する」というニュアンスがやや強いです。 - “compose”(構成する)
→ 芸術や文章を「作り上げる」のに使われ、もう少しクリエイティブな感じがあります。 - “set up”(設置する、やり方を整える)
→ 「frame」にある「陥れる(set someone up)」の意味が重なることもありますが、日常では「準備する」の意味が中心。
反意語
- “exonerate” (免れさせる、罪を晴らす)
「誰かを陥れる (frame)」の反意語として、「無罪を証明する」といった意味合いで対比されます。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- アメリカ英語・イギリス英語共通: /freɪm/
アクセント
- 1音節の単語なので、アクセントは「frame」の最初の “fr” に自然ときます(フレイム)。
- アメリカ英語・イギリス英語共に大きな違いはありませんが、アメリカ英語では “r” の音がやや強めに発音されます。
よくある発音の間違い
- “from” と混同しないように注意。
「frame」は「フレイム」、一方「from」は「フロム」です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “frame”を “framme”や“fram”などと打ち間違えることがあるので注意してください。
- “frame”を “framme”や“fram”などと打ち間違えることがあるので注意してください。
- 同音異義語との混同
- 「flame(炎)/fleɪm/」と混同しやすいですが、スペルも発音も微妙に違います。
- 「flame(炎)/fleɪm/」と混同しやすいですが、スペルも発音も微妙に違います。
- 意味の取り違え
- 絵を「枠に入れる」意味か、計画を「形作る」意味か、人を「陥れる」意味か、文脈で正しく判断してください。
- 絵を「枠に入れる」意味か、計画を「形作る」意味か、人を「陥れる」意味か、文脈で正しく判断してください。
- 資格試験など
- TOEICや英検などでは、ビジネス文脈で “frame an idea/proposal” のように使われる問題が出ることがあります。
- 「陥れる」の方の意味は、読解問題やストーリ形式の問題文などで登場するかもしれません。
- TOEICや英検などでは、ビジネス文脈で “frame an idea/proposal” のように使われる問題が出ることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「写真のフレーム(額縁)」を思い浮かべると、何かをきれいに包み込み、形作るイメージで「frame」をとらえやすいです。
- 「フレーム・アップ(frame-up)」という表現は、ドラマや映画でよく聞こえる「でっち上げ」、「罠にはめる」という意味。「人を馬鹿にする(pull one’s leg)」といった軽めの冗談ではなく「深刻に陥れる」感じがあるので強い意味だと覚えましょう。
- “reframe” という表現も、頭の中のイメージを取り替える(リフレーミング)と覚えると、より使いやすくなります。
以上が、動詞 “frame” の詳細な解説です。枠にはめるイメージから、抽象的に物事を組み立てるニュアンス、そして人を陥れるような意味まで、多彩な用法がある点が特徴的です。文脈や目的語によって意味合いがガラリと変わるので、しっかり使い分けられるように注意して学習してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(組み合わせて)…‘を'形作る,組み立てる;(ある目的などに合うように)〈人・物〉‘を'作り上げる
意味(2)
〈考え・構想など〉‘を'心に抱く
意味(3)
〈絵など〉‘を'粋に入れる,縁どる
意味(4)
〈言葉など〉‘を'言う
意味(5)
《話》〈人〉‘に'ぬれぎぬを着せる