元となった辞書の項目
forgive
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: forgive
品詞: 動詞 (他動詞)
CEFRレベル: B2(中上級)
- B2は、「ある程度流暢に会話や文章を理解・表現できる」レベルです。
意味(英語): to stop feeling angry or resentful towards someone for an offense, flaw, or mistake.
意味(日本語): 誰かの過ちや非礼に対して、怒りや恨みの気持ちをやめること、許すこと。
- 「forgive」は、人の失敗や罪を水に流してあげる、そういうあたたかいニュアンスの単語です。心に抱えているマイナス感情を手放すという意味合いがあります。
活用形:
- 現在形: forgive
- 過去形: forgave
- 過去分詞形: forgiven
- 現在分詞・動名詞: forgiving
他の品詞形:
- forgiving (形容詞):「寛容な、許しやすい」
- forgiveness (名詞):「許し、寛容」
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語なし
- 語幹: “forgive”
- 接尾語: なし
“for-” に由来する接頭語は特にありませんが、古英語の段階で “for-” と “give” が組み合わさった形が語源と言われています(後述「語源とニュアンス」参照)。
詳細な意味
- 相手の過ちや失礼を許す
- 自分自身や相手への不満を手放す
- 過去の出来事を引きずらず、新たなスタートを切ること
コロケーション(共起表現)10選
- forgive someone for something
- (人)を(何か)に対して許す
- (人)を(何か)に対して許す
- forgive and forget
- 許して水に流す
- 許して水に流す
- easily forgive
- 簡単に許す
- 簡単に許す
- truly forgive
- 心から許す
- 心から許す
- forgive a debt
- 借金を免除する
- 借金を免除する
- hard to forgive
- 許しづらい
- 許しづらい
- forgive oneself
- 自分自身を許す
- 自分自身を許す
- ask for forgiveness
- 許しを請う
- 許しを請う
- grant forgiveness
- 許しを与える
- 許しを与える
- seek forgiveness
- 許しを求める
- 許しを求める
3. 語源とニュアンス
語源
- 古英語の “forgiefan” は “for-” (完全に、すっかり)+ “giefan” (与える)という要素からなり、「すっかり与える/与えつくす」→「相手の罪を帳消しにする」といった意味合いとして使われていました。
ニュアンス
- 過去に受けた傷や痛みを「水に流す」イメージが強く、精神的にも大きな寛容さを示す表現です。
- 日常会話だけでなく、少しフォーマルなシーンでも使います。
- “excuse” よりも個人的感情を強く伴うイメージです。 “excuse” は「事情を考慮して大目に見る」ニュアンス、一方 “forgive” は「心から許す、なかったことにする」という印象が強いです。
4. 文法的な特徴と構文
文法ポイント
- 動詞 (他動詞) のため、通常「forgive + 目的語」の形式で使います。
- 例: I forgive you.(私はあなたを許します)
- 例: I forgive you.(私はあなたを許します)
よく使われる構文
- forgive + 目的語 + for + doing …
- 例: I forgave him for lying to me.(彼が私に嘘をついたことを許した)
- 例: I forgave him for lying to me.(彼が私に嘘をついたことを許した)
- forgive + 目的語 + for + 名詞
- 例: She forgave me for my mistake.(彼女は私のミスを許してくれた)
- 例: She forgave me for my mistake.(彼女は私のミスを許してくれた)
- forgive + 目的語 (短い形)
- 例: Please forgive me.(どうか私を許してください)
- 例: Please forgive me.(どうか私を許してください)
使用シーン
- 日常会話(カジュアル)、ビジネスメールやスピーチ(フォーマル)どちらでも問題なく使用可能。
5. 実例と例文
① 日常会話での例文(3つ)
- “I’m really sorry for being late. Please forgive me!”
- 「本当に遅れてごめんなさい。許してください!」
- 「本当に遅れてごめんなさい。許してください!」
- “I decided to forgive him because I wanted to move on.”
- 「気持ちを前に進めたかったので、彼を許すことにしました。」
- 「気持ちを前に進めたかったので、彼を許すことにしました。」
- “I hope you can forgive me; I didn’t mean to hurt you.”
- 「許してもらえたら嬉しいです。傷つけるつもりはなかったんです。」
② ビジネスでの例文(3つ)
- “Please forgive the delay in my response; I was out of the office.”
- 「返信が遅れて申し訳ございません。不在にしておりました。」
- 「返信が遅れて申し訳ございません。不在にしておりました。」
- “The company decided to forgive the employee’s minor mistake to keep morale high.”
- 「会社は士気を維持するために、その従業員の些細なミスを許す決断をしました。」
- 「会社は士気を維持するために、その従業員の些細なミスを許す決断をしました。」
- “Forgive me for any inconvenience this might have caused.”
- 「ご迷惑をおかけした場合はご容赦ください。」
③ 学術的な文脈での例文(3つ)
- “The study examined how individuals forgive others in close relationships.”
- 「その研究では、親密な関係の中で人々がどのように相手を許すかを調査しました。」
- 「その研究では、親密な関係の中で人々がどのように相手を許すかを調査しました。」
- “Experts argue that learning to forgive can have significant mental health benefits.”
- 「専門家によると、許すことを学ぶのは精神的健康に大きなメリットがあると言います。」
- 「専門家によると、許すことを学ぶのは精神的健康に大きなメリットがあると言います。」
- “Research on forgiveness often highlights its role in conflict resolution.”
- 「許しに関する研究は、しばしば紛争の解決におけるその役割を強調します。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- pardon (許す)
- 法的・公式的なニュアンスが強い。主に「罪や過ちを公式に帳消しにする」イメージ。
- 法的・公式的なニュアンスが強い。主に「罪や過ちを公式に帳消しにする」イメージ。
- excuse (大目に見る)
- 許すというよりは「事情があるから許容する」というニュアンス。
- 許すというよりは「事情があるから許容する」というニュアンス。
- overlook (見逃す)
- 相手の失敗や不備をあえて問題にしないニュアンス。
- 相手の失敗や不備をあえて問題にしないニュアンス。
- absolve (免責する)
- 宗教的、法的に罪の責任を免ずるイメージ。
反意語 (Antonyms)
- blame (責める)
- condemn (非難する)
- punish (罰する)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /fərˈɡɪv/ (アメリカ英語) /fəˈɡɪv/ (イギリス英語)
- アクセント: “-give”の部分に強勢があります。意識的に「for-GIVE」と発音するとよいでしょう。
- アメリカ英語でもイギリス英語でも大きな違いはありませんが、アメリカ英語では「fər」の部分が「ファー」に近く、イギリス英語のほうがやや「フォー」寄りになる場合があります。
よくある発音の間違い
- /for/-give ではなく /fər/-give と「フェル・ギブ」のように最初の母音があいまいになりがちです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペリングミス:
- “forgive” の “for” を “fore” と誤記することがあるので注意。
- “forgive” の “for” を “fore” と誤記することがあるので注意。
- 同音異義語との混乱は少ないものの、“forget”(忘れる)と混同するケースがあるので要注意。
- 「forgave / forgiven」といった不規則変化を正確に覚えておきましょう。
- TOEICや英検などでは、重要なボキャブラリーとして頻出。特に、動詞の時制や受動態での使い方が出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- イメージ: 「罪や怒りを“ギブ(give)”して手放し、相手に許しを与えてしまう」という連想で覚えると、単語の綴りと意味のつながりがイメージしやすいかもしれません。
- スペリングのポイント: “for-get” と混ざりやすいので、最初の3文字を「for」ではなく「あいまい母音(弱母音)”と意識して発音、綴りも「for + give」と覚えるのがおすすめ。
- 勉強テクニック: 「forgive verbs are forgiven.」のように、リズムで言いながら動詞の変化を頭と口になじませる方法が有効です。
以上が、動詞 “forgive” の詳細解説となります。この単語を身につけると、人間関係を円滑にできるだけでなく、英語表現の幅が広がります。ぜひ、例文やコロケーションを覚えて使ってみてください。
意味のイメージ
意味(1)
〈義務など〉‘を'免除する
意味(2)
許す
意味(3)
〈人・罪など〉‘を'許す,大目に見る