unheard
1. 基本情報と概要
単語: unheard
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): “not heard,” “not listened to,” or “unnoticed or ignored”
意味(日本語): 「聞かれない(耳に入らない)」、「(声や意見などが)無視される」、「まったく未知の」というニュアンスを持っています。
たとえば、誰かが何かを言っても注意を払われず、「その声が届かない」イメージで使われます。あるいは「今まで聞いたことがない」という未知のものを指す際に用いられることもあります。
主な活用形:
- 形容詞: unheard
- 比較級や最上級の形を取ることは稀ですが、文脈によって「さらに無視される」「最も無視される」のように表現する場合は
more unheard,
most unheard
の形が使われることがあります(非常にまれな用法です)。
- 比較級や最上級の形を取ることは稀ですが、文脈によって「さらに無視される」「最も無視される」のように表現する場合は
- 「hear」から派生した過去分詞「heard」に否定の接頭語「un-」がついてできた形容詞です。
他の品詞形:
- 動詞
hear
(聞く)の派生で、「heard」は過去形・過去分詞形です。 unheard
は形容詞としてのみ用いられます。
CEFR レベル: B2(中上級)
- 意味自体はシンプルですが、ニュアンスを理解しながら自然に使いこなすには少し上級レベルの応用力が必要です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成:
- 接頭語 un- : 「否定」を表す接頭語。
- 語幹 heard : 動詞
hear
の過去・過去分詞形。
派生語や類縁語:
- unheeded(無視される、顧みられない)
- unnoticed(気づかれない)
- unheard-of(前代未聞の、聞いたことがない → 表現としての set phrase)
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- go unheard(声が届かない/無視される)
- remain unheard(聞き届けられないままである)
- unheard request(聞き入れられない要望)
- unheard complaint(無視される苦情)
- virtually unheard(ほとんど知られていない/聞かれない)
- previously unheard(かつて耳にしたことがない)
- an unheard accusation(聞き届けられない告発)
- unheard opinion(無視される意見)
- unheard voice(届かない声)
- be unheard of(聞いたことがない、前例がない)
3. 語源とニュアンス
語源:
- 「hear(聞く)」の過去分詞形である「heard」に、否定の意味を持つ接頭語「un-」が付いて、「聞かれない」「耳に届かない」という意味を形成しました。
ニュアンスのポイント:
- 1) 「声や意見が無視される」→ 無力感や残念さの含みがあることが多い
- 2) 「未知の」「ほとんど誰も知らない」→ かなり珍しい、あるいは存在が知られていないという印象
- カジュアル/フォーマルともに使用できますが、「誰も耳を傾けなかった」というやや深刻・感傷的な文脈で使われる傾向があります。書き言葉でも話し言葉でも使われますが、日常会話では少しドラマチックな響きがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞として主に名詞を修飾するか、補語として使われます。
- 例) Her plea went unheard.(彼女の嘆願は無視された)
- 例) Her plea went unheard.(彼女の嘆願は無視された)
- 「~は誰にも聞かれなかった/届かなかった」という構文では、しばしば “go (or remain) + unheard” の形が使われます。
<可算・不可算などは動詞ではないため特筆点なし>
hear
自体は他動詞(何かを聞く)ですが、それとは別に形容詞unheard
として使う際には目的語は取りません。
5. 実例と例文
以下、日常会話・ビジネス・学術的な文脈での例文を3つずつ紹介します。
5.1 日常会話
“I tried to warn them about the slippery floor, but my voice went unheard.”
- (床が滑りやすいと警告しようとしたのに、誰も聞いてくれなかった。)
- (床が滑りやすいと警告しようとしたのに、誰も聞いてくれなかった。)
“My complaints about the noisy neighbors remained unheard.”
- (うるさい隣人についての私の苦情はまったく届かなかった。)
- (うるさい隣人についての私の苦情はまったく届かなかった。)
“It's almost unheard-of to see this type of bird in our backyard.”
- (うちの裏庭でこの種類の鳥を見るなんて、ほとんどあり得ないことだ。)
5.2 ビジネス
“All of my suggestions concerning the project went unheard by the upper management.”
- (プロジェクトに関する私の提案は、経営陣にはまったく取り合ってもらえなかった。)
- (プロジェクトに関する私の提案は、経営陣にはまったく取り合ってもらえなかった。)
“We can’t let important feedback go unheard if we want to improve our services.”
- (サービスを向上したいなら、大事なフィードバックを無視するわけにはいきません。)
- (サービスを向上したいなら、大事なフィードバックを無視するわけにはいきません。)
“The concerns of the junior staff remained unheard, leading to low morale in the team.”
- (若手スタッフの懸念は聞き入れられず、チームの士気が下がってしまった。)
5.3 学術的
“Many historical discoveries remained unheard until they were revisited by modern scholars.”
- (多くの歴史的発見は、現代の学者が再検証するまで世に知られないままだった。)
- (多くの歴史的発見は、現代の学者が再検証するまで世に知られないままだった。)
“The study’s results went largely unheard due to lack of proper publication.”
- (その研究結果は、適切に発表されなかったためほとんど知られることがなかった。)
- (その研究結果は、適切に発表されなかったためほとんど知られることがなかった。)
“In some fields, groundbreaking theories go unheard for decades before gaining recognition.”
- (分野によっては、画期的な理論が認められるまで何十年も知られないままになることがある。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- unheeded(無視される)
- 「警告や助言などが無視される」というニュアンスが強い。
- 「警告や助言などが無視される」というニュアンスが強い。
- ignored(無視される)
- より直接的に「わざと無視する」時に使われやすい。
- より直接的に「わざと無視する」時に使われやすい。
- unnoticed(目立たない、気づかれない)
- 「目に留まらない、気づかれない」視覚的な意味合いが強い場合に用いられる。
- 「目に留まらない、気づかれない」視覚的な意味合いが強い場合に用いられる。
反意語 (Antonyms)
- heard(聞かれる、耳を傾けられる)
- acknowledged(認められる)
- noticed(気づかれる)
「unheard」と「unnoticed」の違いとしては、「unheard」は「音声や意見などが聞かれない・無視される」ニュアンスが中心である一方、「unnoticed」は「視覚的あるいは存在自体が知られない/気づかれない」ニュアンスが強いです。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号 (IPA): /ˌʌnˈhɜːrd/
- アクセント: “un-” は弱め、 “heard” の「-heard」部分に強勢がきます。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- アメリカ: /ʌnˈhɝːrd/(r の発音が明瞭)
- イギリス: /ʌnˈhɜːd/(r は弱く、ɜːの母音を長めに発音)
- アメリカ: /ʌnˈhɝːrd/(r の発音が明瞭)
- よくある誤り: 「un-herd(家畜の群れがいない?)」のように綴りを誤解しないこと。発音は「アンハード」に近いイメージです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “unheard” を “unheared” と書いてしまうミスが起こりがち。
- 意味混同: 「unheard-of」と「unheard」の違い。 “unheard-of” は「前代未聞の、非常に珍しい」という強調された表現です。
- 同音異義語: 特にありませんが、「unherd(存在しない綴り)」と混同しないよう注意。
- 試験対策: TOEICや英検で大きく問われる単語ではありませんが、Readingセクションで「無視された」「知られていない」という意味を適切に理解する必要があるかもしれません。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 耳(hear)に届いていない → unheard
- 「声が届かない」というイメージで覚えるとわかりやすいです。
- 「unheard-of」のフレーズも合わせて覚えると、一気に「聞いたことがない/前代未聞だ」という流れでイメージが定着しやすいでしょう。
たとえば、「私の声が(アンハード)になってしまった」と頭の中でストーリーを作ってイメージすると印象に残りやすいです。
聞こえない
聞いてもらえない弁明を許されない