元となった辞書の項目
tragic
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: tragic
品詞: 形容詞 (adjective)
意味(英語): causing or characterized by extreme distress or sorrow
意味(日本語): 「悲惨な」「悲劇的な」という意味で、非常に悲しい状況や結果を描写するときに使われます。「とても悲惨で胸が痛むような場面やできごとを表すときに使われる形容詞」です。
活用形: 形容詞のため、数や時制による変化はありません。副詞形は“tragically”、名詞形は“tragedy”です。例として:
- 形容詞: tragic (悲劇的な)
- 副詞: tragically (悲惨にも、悲劇的にも)
- 名詞: tragedy (悲劇)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- B2: 中上級 … 複雑な内容の文や抽象的な話題を理解したり、自分で説明できるレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 特別な接頭語・接尾語はありませんが、語幹は「trag-」に由来します。
- 同じ語根を持つ単語としては “tragedy” や “tragically” があります。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- tragic accident → 悲惨な事故
- tragic event → 悲劇的な出来事
- tragic consequences → 悲惨な結果
- tragic death → 悲劇的な死
- tragic loss → 痛ましい喪失
- tragic ending → 悲劇的な結末
- tragic mistake → 取り返しのつかない大きな失敗
- tragic story → 悲惨な物語/話
- tragic hero → 悲劇の主人公
- tragic result → 悲劇的な結果
これらの表現は、悲しみや痛ましさを強く伴うシーンで使われます。
3. 語源とニュアンス
語源
- “tragic” は古代ギリシャ語の「tragikos(悲劇の、山羊の歌を意味する “tragoidia” より)」に由来し、ギリシャ悲劇を指す言葉から派生しています。
ニュアンス
- 「悲劇的」「悲惨」といった強い感情を伴う響きがあり、主に深い悲しみやかけがえのないものを失った状況を指します。
- フォーマルにもカジュアルにも使えますが、どちらかといえば文章やニュースなど、やや正式な場面でよく目にする表現です。また文学作品(特に悲劇のストーリー)を語る際にも多用されます。
4. 文法的な特徴と構文
- 形容詞 (adjective) なので、名詞を修飾する際に使われます。
- 例: a tragic accident, the tragic consequences
- 例: a tragic accident, the tragic consequences
- 叙述的用法でも使用します。
- 例: The results were tragic. (その結果は悲惨だった。)
イディオムや一般的な構文例
- “It’s tragic that 〜” → 「〜なのは悲しいことだ」
- 例: It’s tragic that so many lives were lost.
- 例: It’s tragic that so many lives were lost.
- “turn (out) tragically” → 「悲惨な結末を迎える」
- 例: The celebration turned tragically when a fire broke out.
フォーマル性:
- 「tragic」は記事や論文、スピーチなどで使われる頻度が高く、文章上でも自然です。日常会話でも強調したいときには使われることがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文
- “It was tragic to see the old theatre burn down.”
(古い劇場が焼失するのを見るのはとても痛ましかった。) - “His reaction was tragic; he couldn’t stop crying.”
(彼の反応は本当に悲惨だったよ。泣きやまなかった。) - “I heard about the tragic accident on the highway.”
(高速道路で起きた悲惨な事故の話を聞いたよ。)
ビジネスシーンでの例文
- “The tragic loss of our CEO has deeply affected the entire company.”
(CEOを失った痛ましい出来事は、会社全体に大きな影響を与えました。) - “We must ensure there are no tragic oversights in our safety protocols.”
(安全手順に悲惨な見落としがないよう徹底しなければなりません。) - “The merger turned tragic when key stakeholders withdrew at the last moment.”
(主要関係者が土壇場で手を引いたため、合併は悲惨な結末になりました。)
学術的/文芸的な例文
- “Shakespeare’s ‘Hamlet’ is considered one of the most tragic plays in English literature.”
(シェイクスピアの『ハムレット』は英文学の中でも最も悲劇的な戯曲の一つと考えられています。) - “The novel depicts the tragic downfall of a once-powerful family.”
(その小説はかつて権力を握っていた一家の悲劇的な没落を描いています。) - “Her research highlights several tragic consequences of climate change in coastal regions.”
(彼女の研究は、沿岸地域における気候変動の悲惨な結果をいくつも明らかにしています。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- sorrowful (悲しみに満ちた)
- 「感情としての深い悲しみ」を表すときに使います。
- 「感情としての深い悲しみ」を表すときに使います。
- heartbreaking (胸が張り裂けるような)
- 「胸を締めつけるような悲しみ」を強調するときに使います。
- 「胸を締めつけるような悲しみ」を強調するときに使います。
- catastrophic (壊滅的な)
- 「大惨事を招くような重大な結果」を強調するときに使います。
- 「大惨事を招くような重大な結果」を強調するときに使います。
- devastating (衝撃的なほど破壊的な)
- 個人/集団にとってひどい打撃となる場合に使います。
反意語
- comic (喜劇的な)
- 「笑いを誘うような」性質を表すときに使います。
- 「笑いを誘うような」性質を表すときに使います。
- fortunate (幸運な)
- 悲惨とは反対に「幸運」「恵まれた状況」を伴う場合に使います。
- 悲惨とは反対に「幸運」「恵まれた状況」を伴う場合に使います。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /ˈtrædʒɪk/
- アクセント: 第1音節「trá」に強勢があります。
- アメリカ英語とイギリス英語: 両方ともほぼ同じ発音です。
- アメリカ英語: [ˈtrædʒɪk]
- イギリス英語: [ˈtrædʒɪk]
- アメリカ英語: [ˈtrædʒɪk]
- よくある発音ミス: “tra-”の音を[tra]でなく[tre]のように発音してしまう人がいますが、実際には「トラ」に近い音です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 「tragic」を「tragical」や「traggic」などと間違えないように注意しましょう。
- 同音異義語との混同: 同音異義語は特になく、「tragedy」と混同しやすいですが、こちらは名詞です (“tragic” は形容詞)。
- 試験対策: TOEICや英検などでも、“tragic accident” や “tragic event” などの表現で出題されることがあります。特に文脈から正しい品詞を判別させる問題やコロケーション問題で出題されやすいです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「tra(トラ) + gic(ジック)」という音の響きで「トラが泣いている悲しい場面」と関連づけて覚えると印象に残りやすいかもしれません。
- 「悲劇」という言葉を思い浮かべやすい「tragedy」とセットで把握しておくと、名詞と形容詞のどちらも理解しやすくなります。
- 作文やスピーチでインパクトを持たせたいとき、悲惨さや深刻さを強調する表現として意識して使うと覚えやすいです。
以上が、形容詞 “tragic” の詳しい解説です。深い悲しみや痛ましさを伴う状況を描写するときに便利な単語なので、スペリングや用法をしっかりおさえるとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
悲劇の
意味(2)
悲劇的な,悲惨な