tin
1. 基本情報と概要
単語: tin
品詞: 名詞 (countable/uncountable の両方で使われる場合があります)
英語での意味:
1) A chemical element (symbol: Sn) that is a silvery, malleable metal.
2) A container made of thin metal, often used for storing food or other items (British English).
日本語での意味:
1) すず(金属元素)
2) (主にイギリス英語で)缶
「tin」は、金属としては「すず」を指し、銀色で柔らかい性質を持つことが特徴です。また、日常生活では「缶詰の缶」としても使われる言葉です。イギリス英語では「缶詰の缶」を指して “tin” と言う場面がよくありますが、アメリカ英語では “can” と表現するのが一般的です。
活用形:
- 名詞なので、複数形は “tins” となります。
- 不可算(素材としてのすずの場合)として扱う場合は “tin” のままで使われます。
他の品詞での例:
- 形容詞形: “tinned” 「缶詰にした」「缶入りの」
例: “tinned food” (缶詰の食品) - 動詞としてはあまり一般的ではありませんが、「缶詰にする」という意味で “to tin something” と使われることもあります。
CEFRレベル: B1(中級)
度々日常生活で目にする単語でありながら、素材として金属そのものを指す場合などはやや専門的なニュアンスも含むため、中級レベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 語幹: “tin”
- 特段の接頭語や接尾語はありません。
詳細な意味・派生語
- tin (すず)
- 金属元素Snを指す科学的な文脈で使われる。
- 金属元素Snを指す科学的な文脈で使われる。
- tin (缶)
- 金属製の容器を指し、イギリス英語で特に「缶詰の缶」を指す。
派生語・類縁語
- tinfoil: “アルミホイル”的に使われるが、本来は「すず箔」の意味。
- tinplate: すずでコーティングされた薄鋼板。
よく使われるコロケーションやフレーズ(10選)
- “tin can” – (金属製の) 缶
- “tin foil” – すず箔 (現在はアルミホイルとして使われることが多い)
- “tin of beans” – 豆の缶詰
- “tin opener” – 缶切り
- “tin roof” – トタン屋根
- “tin mine” – すず鉱山
- “tin soldier” – すずの兵隊
- “tin plate” – ブリキ板(薄い鉄板にすずをめっきしたもの)
- “tin content” – すず含有量
- “tin box” – すずめっきの箱、またはブリキ箱
3. 語源とニュアンス
語源:
- 古英語 “tin” から由来し、さらにゲルマン祖語などを経て来ています。古くから金属名として使われており、衝突・酸化しにくい金属として重要な位置を占めてきました。
ニュアンス:
- “tin” as a metal: やや専門用語的ニュアンス、金属学や工業分野で使われることが多いです。
- “tin” as a container: イギリス英語ではとても日常的で、カジュアルに “a tin of soup” のように使われます。アメリカ英語では “can” が一般的なので、アメリカ英語圏では “tin” と言うとややイギリス的響きがあります。
使用時の注意点としては、アメリカ英語では「缶」を “can” と言う場合が圧倒的に多いため、イギリス英語を意識して使うかどうかに留意します。逆にイギリス圏では “tin” と言って差し支えありません。
4. 文法的な特徴と構文
- 名詞として使われる際、素材としての「すず」は不可算名詞 (例: “Tin is used to make cans.”)。
- 容器としての「缶」は可算名詞 (例: “There are three tins on the shelf.”)。
一般的な構文
- “a tin of + 食品名” → 〜の缶 (例: “a tin of tuna”)
- “tin + 名詞” → すずでできた〜 / 缶の〜 (例: “tin roof”)
イディオム
- “to have a tin ear” → 「音感が悪い」「音痴である」(比喩表現)
フォーマル / カジュアル
- 金属として説明する場合は学術的・フォーマルな印象もある一方、「缶」を指すときは日常的でカジュアルに使われます。
5. 実例と例文
日常会話 (カジュアル)
- “Could you get me a tin of tomatoes from the cupboard?”
→ 食器棚からトマト缶を取ってきてもらえますか? - “I always keep a spare tin of biscuits for guests.”
→ お客さん用に予備のビスケット缶をいつも置いています。 - “I stepped on a tin can and it made a loud noise.”
→ 缶を踏んで大きな音がしました。
ビジネス (ややフォーマル)
- “Our company recycles tin as part of its sustainability efforts.”
→ 当社では、持続可能性の取り組みの一環としてすずをリサイクルしています。 - “We source high-grade tin for our electronics production.”
→ 電子機器生産のために高品質のすずを調達しています。 - “Please ensure the tin packaging meets safety standards.”
→ すず製(ブリキ)の包装が安全基準を満たしているかご確認ください。
学術的 (フォーマル / 技術的)
- “Tin is often alloyed with copper to form bronze.”
→ すずはしばしば銅と合金化されて青銅が作られます。 - “The study investigates the corrosion resistance of tin coatings.”
→ その研究は、すずめっきの耐食性を調査しています。 - “Early civilizations valued tin for its low melting point and malleability.”
→ 初期の文明では、すずの低融点と可鍛性が高く評価されていました。
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- can (缶)
- アメリカ英語で一般的。生活の中で「缶詰の缶」の意味でよく使われる。
- アメリカ英語で一般的。生活の中で「缶詰の缶」の意味でよく使われる。
- aluminium can (アルミ缶)
- 素材がアルミニウムである缶。アルミ缶を明確に示す場合に使う。
- 素材がアルミニウムである缶。アルミ缶を明確に示す場合に使う。
- metal container (金属容器)
- “tin” より広い意味の「金属製の容器」。
反意語
「金属」や「缶」に対して直接的な反意語はありませんが、対比としては “plastic container” (プラスチック容器) や “glass jar” (ガラス瓶) など、素材が異なる容器が挙げられます。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /tɪn/
- アクセント: 第1音節 (「tin」の1音節のみ)
- アメリカ英語とイギリス英語の違い:
- 基本的にどちらも /tɪn/ でほぼ同じ発音です。
- 基本的にどちらも /tɪn/ でほぼ同じ発音です。
- よくある発音ミス: “teen” (/tiːn/) と混同しないように、短い /ɪ/ を意識します。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “tin” を “ten” (数字の10) と書いてしまう間違いに注意。
- 同音異義語との混同: “tin” (すず/缶) と “thin” (薄い) はスペルも発音も異なるので気をつける。
- 試験対策: アメリカ英語重視の試験(TOEICなど)では “tin” より “can” が頻出。ただし、イギリス英語の読解問題などに “tin” が出る場合あり。
- 文脈判断: “tin” が「すず」なのか「缶」なのか文脈で判断する必要あり。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “tin” は “10” (ten) に似ているようで異なる、短い /ɪ/ の音を意識して発音すると覚えやすいです。
- 童話「すずの兵隊 (The Steadfast Tin Soldier)」を思い出すと、「tin=すず」と関連付けて記憶しやすくなります。
- イギリスでは “tin of tuna” と言う、アメリカでは “can of tuna” と言う、とセットで覚えると混乱しにくいです。
これで「tin」の解説は以上です。すず(金属)としての一面と、缶(容器)としての一面をあわせて、使い方に応じて覚えてみてください。
〈U〉錫(金属元素;化学記号はSn)
〈U〉ブリキ(tin plate)
《英》=can