oppress
以下では、動詞 “oppress” について、学習者にもわかりやすいように詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
単語: oppress
品詞: 動詞 (transitive verb: 他動詞)
活用形:
- 原形: oppress
- 三人称単数現在: oppresses
- 過去形: oppressed
- 過去分詞: oppressed
- 現在分詞: oppressing
意味(英語): “to keep someone down by the unjust use of authority or power; to burden someone psychologically or spiritually.”
意味(日本語): 「権力や力を不当な形で使って人々を抑圧する、心を重くする・苦しめる」
→ 「権力で圧迫するようなイメージの動詞です。特に政治的・社会的に力の弱い人を抑えつけるような状況を表します。また、精神的に重苦しくする意味合いでも使われます。」
難易度 (CEFR): B2 〜 C1
- B2(中上級): 日常の複雑な話題や時に抽象的なテーマも扱えるレベル
- C1(上級): 専門的内容や政治・社会問題などを流暢かつ的確に表現できるレベル
なお、名詞形として “oppression” (抑圧)、形容詞形として “oppressive” (抑圧的な) などの派生語があります。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 接頭語 “op-” はラテン語由来で「〜に対して」などのニュアンスをもつことが多い形です。
- 語幹 “press” は「押す、圧迫する」という意味です。
- “oppress” は「押しつける、抑圧する」というニュアンスを強調した動詞となっています。
よく使われるコロケーション(共起表現)10選
- oppressed people (抑圧された人々)
- oppressive regime (抑圧的な政権)
- feel oppressed by the system (システムに抑圧されていると感じる)
- oppress dissent (異議を抑圧する)
- historically oppressed groups (歴史的に抑圧されてきた集団)
- oppressive environment (圧迫感のある環境)
- racial oppression (人種的抑圧)
- oppress freedom of speech (言論の自由を抑圧する)
- oppressive leader (抑圧的な指導者)
- oppression of women (女性の抑圧)
3. 語源とニュアンス
“oppress” はラテン語の “opprimere” (op- + premere「押す」) に由来し、「押しつぶす、圧迫する」イメージがあります。歴史的には、主に権力者が弱い立場の人々を苦しめる・自由を奪う意味として使われてきました。
- 社会的・政治的文脈: 不正な権力行使、独裁などを表すフォーマルな語彙
- 精神的・心理的文脈: 重苦しさを与える、息苦しくさせる場合にも用いる
フォーマルな文脈で使われやすく、日常会話でも社会問題・人権問題・歴史的状況について話すときなどに登場します。カジュアルにはあまり使われませんが、「息苦しさを感じる」というニュアンスを伝えるときには少しオーバーな文脈でも使うことがあります。
4. 文法的な特徴と構文
他動詞 (transitive verb): 目的語(人や集団、権利など)を直接取ります。
例:- “They oppressed the people.”
- “The government continues to oppress its citizens.”
- “They oppressed the people.”
フォーマル寄りの表現で、政治・社会問題に関連する論文や演説などでも頻繁に登場します。日常的な「圧力をかける」よりも、より深刻・強硬な印象です。
同じ「抑圧する」という意味でも “suppress” は「外部からの圧力で感情・表現などを抑える」、 “repress” は「自分自身の感情や欲求を押さえ込む」というニュアンスが強く、 “oppress” は社会的・政治的な強い支配下に置くニュアンスが強いです。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
“I feel oppressed by the constant expectations from my parents.”
- 「両親からの絶え間ない期待に押しつぶされそうな気がする。」
- 「両親からの絶え間ない期待に押しつぶされそうな気がする。」
“Living under these strict rules can be mentally oppressive.”
- 「こんな厳しい規則の下で生活するのは精神的に圧迫感があります。」
- 「こんな厳しい規則の下で生活するのは精神的に圧迫感があります。」
“Don’t let negative thoughts oppress you; talk to someone you trust.”
- 「ネガティブな思考に抑圧されないで。信頼できる人に話してみて。」
- 「ネガティブな思考に抑圧されないで。信頼できる人に話してみて。」
(2) ビジネスでの例文
“An oppressive work environment can significantly reduce employee morale.”
- 「抑圧的な職場環境は、従業員の士気を大きく下げかねません。」
- 「抑圧的な職場環境は、従業員の士気を大きく下げかねません。」
“If a manager micromanages every step, it might oppress creativity.”
- 「もしマネージャーがすべてを細かく管理しすぎると、創造性を抑圧してしまうかもしれません。」
- 「もしマネージャーがすべてを細かく管理しすぎると、創造性を抑圧してしまうかもしれません。」
“We should avoid any policies that might be seen as oppressing staff members.”
- 「スタッフを抑圧していると見なされる恐れがある方針は避けるべきです。」
- 「スタッフを抑圧していると見なされる恐れがある方針は避けるべきです。」
(3) 学術的・公的な文脈での例文
“Throughout history, various regimes have oppressed minority groups to maintain power.”
- 「歴史を通して、多くの政権が権力を維持するために少数派集団を抑圧してきました。」
- 「歴史を通して、多くの政権が権力を維持するために少数派集団を抑圧してきました。」
“In her research, she explores how social structures can oppress individual mental health.”
- 「彼女の研究では、社会構造がどのように個人のメンタルヘルスを抑圧するかが探求されています。」
- 「彼女の研究では、社会構造がどのように個人のメンタルヘルスを抑圧するかが探求されています。」
“The study analyzes the psychological impact on communities once oppressed by colonial rule.”
- 「この研究は、かつて植民地支配によって抑圧されていたコミュニティにおける心理的影響を分析しています。」
- 「この研究は、かつて植民地支配によって抑圧されていたコミュニティにおける心理的影響を分析しています。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
suppress(抑圧する)
- 意味:外部から何かを押さえつけるイメージ。抗議運動などを力で鎮圧するなど。
- 例: “The government tried to suppress the protest.”
- 意味:外部から何かを押さえつけるイメージ。抗議運動などを力で鎮圧するなど。
repress(抑え込む)
- 意味:主に感情や欲望を押し殺す、無理に我慢するような文脈。外部要因も場合によって含む。
- 例: “He tried to repress his anger.”
- 意味:主に感情や欲望を押し殺す、無理に我慢するような文脈。外部要因も場合によって含む。
subjugate(服従させる)
- 意味:相手を支配下に置いて、従わせるイメージ。軍事的行動などの文脈も多い。
- 例: “They aimed to subjugate the entire region.”
- 意味:相手を支配下に置いて、従わせるイメージ。軍事的行動などの文脈も多い。
反意語
liberate(解放する)
- 意味:束縛を解き放つ、抑圧から解放する。
- 例: “They fought to liberate the oppressed people.”
- 意味:束縛を解き放つ、抑圧から解放する。
empower(力を与える)
- 意味:権限を与える、力を強化する、地位を向上させる。
- 例: “The new policy aims to empower local communities.”
- 意味:権限を与える、力を強化する、地位を向上させる。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /əˈprɛs/
- アクセントは後ろの “press” の部分にあります。
- アクセントは後ろの “press” の部分にあります。
- アメリカ英語・イギリス英語 ともに大きな違いはありません。“ə” の音が曖昧母音(シュワ)として発音されます。
- 間違いやすいポイントとして、最初の “o” を強く発音しすぎて “o-press” にならないように注意しましょう。あくまで「アプレス」のような音になります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “oppress” と “suppress” “repress” は似たスペリングと意味を持つため混同しがちですが、使われる文脈や目的語が異なります。特に英作文で誤用しやすいので注意が必要です。
- スペルミスでは “opres” や “opPress” のように p を抜かす・大文字小文字を混在させる誤りが起きやすいです。
- 英検・TOEIC・IELTS でも政治や社会問題などの長文読解の中で見かける可能性があります。特に「社会的・倫理的な課題」を扱うテーマの中に出てくることが多いです。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「押しつける (press)」+「逆方向や上から (op-)」という感覚で “oppress”。何か重いものを上からずっと押しつけられた状態、とイメージすると覚えやすいです。
- “oppress” = “押す (press) + 上から (op-)” という「圧迫感」を頭に思い浮かべると意味がすんなり入ってきます。
- スペリングでは最初の “o” と “pp” の二重子音に着目して、確実に書き取れるよう練習しましょう。
以上が、動詞 “oppress” の詳細解説です。政治・社会問題や歴史的文脈でしばしば登場する重要な単語なので、使われる場面やニュアンスをしっかりつかんでおきましょう。
〈人や権力などが〉〈人〉‘を'虐げる,圧迫する
《しばしば受動態で》〈心配などが〉〈人〉‘に'重くのしかかる,‘を'悩ます