yet
1. 基本情報と概要
単語: yet
品詞: 主に接続詞 (conjunction)、副詞 (adverb)
英語の意味:
- (conjunction) “but at the same time,” “however”
- (adverb) “up to now,” “so far,” “still”
日本語の意味:
- (接続詞) 「しかしながら、それでもなお」
- (副詞) 「まだ、いまだに、これから先」
「yet」は「しかし」「それでも」というニュアンスで、前の内容を受けながら新しい、あるいは対照的な情報を付け加えたいときに使います。副詞としての「yet」は、主に「まだ」という意味で、何かがまだ起きていない、完了していないことを指し示すときに使われます。
活用形:
- 接続詞には活用形はありません。
- 副詞としても時制変化や活用はしません。
他の品詞になった場合の例:
- 形容詞・名詞としての用法は一般的ではありません。主に接続詞と副詞で使われます。
CEFRレベルの目安: B1(中級)
- A1: 超初心者
- A2: 初級
- B1: 中級(日常会話でもよく使われる表現の習得段階)
- B2: 中上級
- C1: 上級
- C2: 最上級
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「yet」は短く、はっきりした接頭語や接尾語、語幹に分解できる単語ではありません。古い英語やゲルマン系に由来するとされています。
具体的な意味
接続詞
- 前文との対比や逆説を示す。「しかし、それでも」の意味。
例: “I’m tired, yet I still want to finish this project.”
- 前文との対比や逆説を示す。「しかし、それでも」の意味。
副詞
- 「まだ」「いまだに」「今なお」の意味。
例: “I haven’t finished my homework yet.”
- 「まだ」「いまだに」「今なお」の意味。
派生語・類縁語
- 「not yet」(まだ~ない):副詞的なフレーズ
- 「as yet」(今のところまだ~ない): ややフォーマルな表現
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- “Not yet” – まだ(何かが完了していない)
- “Have yet to do” – まだ~していない
- “Yet again” – またしても
- “And yet” – にもかかわらず、それでもなお
- “Still yet” – それでもまだ(やや強調形)
- “Yet another” – さらにもう一つの
- “Yet to come” – まだこれから(先に起こる)
- “As yet unknown” – まだ知られていない
- “Yet somehow” – それでもなおかつ
- “And yet it moves” – (有名な引用)「それでも地球は回る」などの逆説的な用法
3. 語源とニュアンス
語源
「yet」は古英語の“gē t” (古期英語やゲルマン系の“gīet”など) が由来とされています。もともとは「さらに」「まだ」といった意味を持っており、時代を経て「しかしながら」「それでも」と逆説の使い方が接続詞として定着しました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 接続詞の“yet”
「but」の代わりに用いることが多く、少し強調がある逆説表現になります。“but”よりも文語的・書き言葉での使用がやや多い傾向がありますが、口語でも自然に使えます。 - 副詞の“yet”
主に否定文や疑問文で登場し、「まだ起こっていない・完了していない」意味を持ちます。
フォーマル/カジュアル
- フォーマル: 論文やレポートなど、書き言葉で逆説を強調したいときに“yet”をよく使用。
- カジュアル: 日常会話では関係詞節や逆説の接続などで気軽に使われます。副詞としては「まだ~していない」という表現で非常によく用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
一般的な構文
接続詞として
“(文), yet (文).”
例: “He was tired, yet he kept working.”副詞として
“(否定文・疑問文で) + yet”
例: “I haven’t finished my report yet.”
(注意) 肯定文で使う場合は「まだ先」という意味を強調するニュアンスで、“The best is yet to come.”などが挙げられます。
イディオム
- “have yet to (動詞の原形)” :「まだ~していない」という定型表現。
例: “I have yet to see the new movie.”
文法上のポイント
- 接続詞の“yet”は、前の文との間にコンマを置くことが多い。(例: “He is nice, yet he can be strict at times.”)
- 副詞の“yet”は、否定文や疑問文で“already”と対照的に使われる。
- “I haven’t done it yet.” (まだ終わっていない)
- “Have you done it yet?” (もう終わった?)
- “I haven’t done it yet.” (まだ終わっていない)
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
“I haven’t eaten lunch yet. Do you want to grab something together?”
- まだ昼ごはんを食べていないんだ。一緒に何か食べに行かない?
“I’m tired, yet I still have to do my laundry.”
- 疲れてるけど、それでも洗濯しなきゃいけないんだ。
“Have you seen the latest episode yet?”
- 新しいエピソード、もう見た?
ビジネスでの例文 (3つ)
“We have yet to finalize the contract, but we should close the deal by next week.”
- まだ契約を最終決定していませんが、来週までには契約成立する見込みです。
“The deadline is approaching, yet the team seems to be on schedule.”
- 締め切りは近づいていますが、それでもチームはスケジュール通りのようです。
“We haven’t reached our sales target yet, so let’s focus on promotion.”
- まだ売上目標に達していないので、プロモーションに力を入れましょう。
学術的な文脈 (3つ)
“The hypothesis seems valid, yet more empirical data is required to confirm it.”
- 仮説は有効に思われるが、それでも立証するにはさらなる実験データが必要である。
“Researchers have yet to discover a complete solution to the climate crisis.”
- 研究者たちは気候危機への完全な解決策をまだ見つけていない。
“The theory is elegant, yet it lacks sufficient experimental backing.”
- その理論は優れているが、それでも実験的裏付けが十分ではない。
6. 類義語・反意語と比較
類義語(接続詞として)
- but (しかし)
- 一般的な逆説。「yet」に比べるとニュアンスの強調がやや弱い。
- 一般的な逆説。「yet」に比べるとニュアンスの強調がやや弱い。
- however (しかしながら)
- 文頭に置くことが多い。よりフォーマルで改まった響きがある。
- 文頭に置くことが多い。よりフォーマルで改まった響きがある。
- still (それでも、やはり)
- 副詞的用法が多いが、逆説を示すときには“still”も使える。
類義語(副詞として)
- still (まだ)
- 「立ち止まっている」ニュアンスを含んで「依然として続いている」感じ。
- 「立ち止まっている」ニュアンスを含んで「依然として続いている」感じ。
- already
- 「すでに」という意味で、肯定文に使われる場合が多い(反意的)。
- 「すでに」という意味で、肯定文に使われる場合が多い(反意的)。
反意語
- 接続詞としての反意語は特に挙げにくいが、強いて言えば「therefore(それゆえに)」のような結果・順接を示す語は対照的。
- 副詞“yet”の対義のイメージとしては、「already(すでに)」が逆の状態です。
7. 発音とアクセントの特徴
発音記号(IPA)
- American English (米音): [jɛt]
- British English (英音): [jet]
アクセント(強勢)は一貫して “yet” の一音節のみで、第一音節にアクセントがあります。
(one-syllable wordなので、特にズレることはありません)
よくある発音の間違い
- “y” の音を“ee”のように引っ張って [iːt] と発音してしまうミス。
- 子音が弱く、[jət]のように曖昧に発音してしまうミス。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス
- “yet”を“yett”などと書いてしまうミス。
- “yet”を“yett”などと書いてしまうミス。
- 語順の間違い
- 副詞“yet”を頻度副詞の後ろに置くことが多いが、時制や否定形との組み合わせを誤る場合がある。
- 副詞“yet”を頻度副詞の後ろに置くことが多いが、時制や否定形との組み合わせを誤る場合がある。
- “already”との混同
- 肯定文と否定文・疑問文での使い分けに注意。
- 肯定文と否定文・疑問文での使い分けに注意。
- 試験対策
- TOEICや英検で「逆説の接続詞を選ぶ問題」、「現在完了の否定文との組み合わせ」などでよく狙われるポイント。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「Yet = まだ/それでも」という二重の意味を意識する。
接続詞「but」と並べて、「butよりも少し文語的・強調された逆説」と覚えると使いやすいです。 - 「まだ」の意味の副詞として「否定文とセットになりやすい」と意識すると、使いどころをつかみやすいです。
- 「The best is yet to come.(最高の時はまだこれから)」というフレーズを思い浮かべると、ポジティブなイメージと共に記憶できます。
以上が、接続詞および副詞として使われる「yet」の詳細な解説です。
使い分けのコツを押さえて、日常からビジネス、学術まで幅広く活用してみてください。
それにもかかわらず,ではあるが,がしかし