slow
1. 基本情報と概要
単語: slow
品詞: 副詞 (ただし、本来は形容詞 “slow” に -ly をつけた “slowly” が一般的な副詞形)
CEFRレベルの目安: A2(初級)
※「slow」はもともと形容詞として「遅い」という意味で使われますが、口語的・カジュアルな表現として副詞的にも用いられます。正式には「slowly」が標準的な副詞形です。
意味(英語): at a low speed; without hurrying
意味(日本語): 低速で、ゆっくりと
「slow」は「遅く、ゆっくりとしたスピードで」というニュアンスを持つ副詞です。ただし、文法的には「slowly」が正しい副詞形であるため、フォーマルな文章やスピーチでは「slowly」を使うほうが望ましいです。一方、口語や歌の歌詞などカジュアルな文脈では「slow」が副詞として使われることがあります。
活用形
- 副詞:「slow」のまま (口語・カジュアル)
- 一般的な副詞形:「slowly」
- 形容詞:「slow」
- 比較級 (形容詞・副詞とも):「slower」
- 最上級 (形容詞・副詞とも):「slowest」
他の品詞への変化
- 形容詞: slow (例: a slow car「遅い車」)
- 副詞: slow (口語), slowly (標準的・文法的)
- 動詞 “slow”: 他動詞/自動詞として “to slow (down)”「速度を落とす、遅くなる」
2. 語構成と詳細な意味
- 語幹: “slow”
- 古英語の “slāw” が語源とされ、「遅い・怠慢な・鈍い」といった意味を持っていました。
関連・派生表現
- slowly (副詞): 正式な形
- slow down (句動詞): 速度を落とす
- slowness (名詞): 遅さ
よく使われるコロケーション(副詞用法としての「slow」慣用・口語表現含む)10選
- drive slow – 「ゆっくり運転する」
- go slow – 「ゆっくり行く」
- walk slow – 「ゆっくり歩く」
- take it slow – 「ゆっくりやる/焦らずにやる」
- move slow – 「動作をゆっくり行う」
- speak slow – 「ゆっくり話す」
- start slow – 「ゆっくり始める」
- talk slow – 「ゆっくり話す」
- eat slow – 「ゆっくり食べる」
- play it slow – 「(楽曲や演奏を)ゆっくり演奏する」
※上記の多くは会話表現で、正式文では “slowly” の方が自然です。
3. 語源とニュアンス
- 語源: 古英語 “slāw”に由来し、「遅い、のろまな」といった意味。ゲルマン語派の古い形から変化してきました。
- 歴史的背景と使われ方: 中世英語期から形容詞としての「slow」は一般的に使われ、動作や変化が遅いことを表してきました。副詞の形で「slow」が使われるのは口語的用法であり、比較的新しいカジュアル表現とされます。
- 使用時の注意点: カジュアルな会話では違和感なく使われますが、ビジネスメールや公的な文書では “slowly” を使うのが一般的です。カジュアル・口語的/音楽やスローライフなどの表現では「Go slow」などが使われる場合があります。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞としての位置: 動詞の後ろにおいて「ゆっくりと~する」という意味を表すことが多いですが、文頭や文末にも置かれます。
- 例: “Drive slow,” “He walked slow.” (カジュアル表現)
- 例: “Drive slow,” “He walked slow.” (カジュアル表現)
- フォーマル/カジュアル差:
- フォーマル: “He walked slowly.”
- カジュアル: “He walked slow.”
- フォーマル: “He walked slowly.”
- 他動詞・自動詞の区別 (動詞 “slow”):
- 自動詞:“The car slowed.”(車の速度が落ちた)
- 他動詞:“He slowed the car.”(彼は車の速度を落とした)
- 自動詞:“The car slowed.”(車の速度が落ちた)
5. 実例と例文
以下、すべて副詞として「slow」を使った文例ですが、口語的・カジュアルなニュアンスが強いです。フォーマル度が高い場面では「slowly」を推奨します。
日常会話 (カジュアル) 3例
- “Drive slow around the neighborhood; there are kids playing.”
- (近所は子どもが遊んでるから、ゆっくり運転してね。)
- (近所は子どもが遊んでるから、ゆっくり運転してね。)
- “Hey, walk slow so Grandma can keep up.”
- (おばあちゃんがついて来られるように、ゆっくり歩いて。)
- (おばあちゃんがついて来られるように、ゆっくり歩いて。)
- “Take it slow, don’t rush into a decision.”
- (焦らずに、ゆっくり決めたほうがいいよ。)
ビジネス 3例 (カジュアルなメールや同僚間など、やや口語寄り)
- “Let’s go slow with the new rollout to avoid errors.”
- (ミスを避けるために、新しい導入はゆっくり進めましょう。)
- (ミスを避けるために、新しい導入はゆっくり進めましょう。)
- “We should move slow on this negotiation and gather more information first.”
- (この交渉は、まず情報収集をしてゆっくり進めるべきです。)
- (この交渉は、まず情報収集をしてゆっくり進めるべきです。)
- “Try explaining the process again, but talk slow for clarity.”
- (手順をもう一度説明してください。ただ、はっきり伝わるようにゆっくり話してね。)
学術的/フォーマルな文脈 3例
※実際には “slowly” を使うことが多いですが、ここではあえて “slow” を使用。
- “The researcher advised students to proceed slow with the experiment, ensuring accuracy.”
- (研究者は学生に、正確さを期すために実験をゆっくり進めるようアドバイスした。)
- (研究者は学生に、正確さを期すために実験をゆっくり進めるようアドバイスした。)
- “When reading complex texts, it’s best to go slow and take comprehensive notes.”
- (複雑な文章を読むときは、ゆっくり読んでしっかりメモを取るのがベストです。)
- (複雑な文章を読むときは、ゆっくり読んでしっかりメモを取るのがベストです。)
- “If the reaction doesn’t occur, increase the temperature slowly or, in casual terms, go slow.”
- (もし反応が起きなければ、温度を段階的に上げる、または言い換えればゆっくり進めること。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (意味が近い単語)
- slowly(ゆっくりと)
- 標準的かつ正確な副詞形。フォーマルでもカジュアルでも使える。
- 標準的かつ正確な副詞形。フォーマルでもカジュアルでも使える。
- unhurriedly(焦らずに)
- 文語的でフォーマルな響きがある。
- 文語的でフォーマルな響きがある。
- gradually(徐々に)
- 「段階的に」というニュアンスが強い。
反意語
- fast(速く)
- quickly(素早く)
- rapidly(急速に)
いずれも「スピード」や「速度」について言及する場合は、反対の意味としてこれらを用います。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /sləʊ/ (英国), /sloʊ/ (米国)
- アクセント: 単音節語なので、特定のアクセント位置はありません。母音がイギリス英語では /əʊ/、アメリカ英語では /oʊ/ と変化する点に注意。
- よくある間違い: 母音部分を短く /slɔ/ や /slɑ/ のように発音してしまうと通じにくくなる場合があるので、/oʊ/ をはっきり意識する。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- “slow” と “slowly” の混同:
- 文法的には副詞形は “slowly” が正しいが、日常会話や歌詞などで “slow” が副詞のように使われる。TOEICや英検などの試験問題では、正式な紛らわしい選択肢として “slowly” が正解の場合が多いので要注意。
- 文法的には副詞形は “slowly” が正しいが、日常会話や歌詞などで “slow” が副詞のように使われる。TOEICや英検などの試験問題では、正式な紛らわしい選択肢として “slowly” が正解の場合が多いので要注意。
- スペルミス: “srow”や“slwo”などとつづりを間違えやすい。
- 用法の違和感: 文面がフォーマルな場合「slow」は副詞としてはややカジュアルすぎる印象を与える。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “Slow” と “Low”: どちらも “-ow” で終わるので、発音が似ている。スピードを落とすイメージを「音を伸ばす」感じで「スロー」と言うと記憶しやすい。
- 文字数が少ない割に活用や派生形が多いため、以下のように整理すると覚えやすい:
- 形容詞: slow
- 副詞: slowly (正式), slow (口語)
- 動詞: slow (down)
- 形容詞: slow
- イメージ連想: ゆっくり系のイメージを持つ英単語 (“sloth”: ナマケモノ, “sluggish”: のろい) とセットで覚えると良い。
「slow」は本来、形容詞としての意味「遅い」が中心ですが、口語の副詞用法として「ゆっくり」というニュアンスでも使われます。正式には「slowly」を副詞として使ったほうが文法的に正しいので、特にテストやフォーマルな文書では「slowly」を優先してください。
遅く,ゆっくり(slowly)