元となった辞書の項目
limp
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: limp
品詞: 主に動詞 (自動詞/他動詞としても使われる場合がある)、名詞や形容詞(「ぐったりした」「しなびた」のような意味)としても使われることがあります。
- 動詞の意味 (英語): to walk in a slow or uneven way because of a foot or leg injury or stiffness.
- 動詞の意味 (日本語): 足や脚のケガ、痛み、または硬直のせいでゆっくりまたは不規則に歩くこと。
→ 例えば、足をケガしたときなどに「足を引きずる」イメージで使われます。痛みがあってうまく歩けないようなニュアンスです。
活用形:
- 現在形: limp
- 三人称単数現在形: limps
- 過去形: limped
- 過去分詞形: limped
- 現在分詞形/動名詞: limping
他の品詞:
- 名詞として: 「limp」(歩き方そのものを指し、「足を引きずるような歩き方」という意味)
- 形容詞として: 「limp」(勢いがない、ぐったりした、しおれた、などの意味)
CEFRレベルの目安: B2(中上級)
- 「limp」は日常会話でもよく使われる動作・状態を表す動詞ですが、A1・A2レベルでは頻出しないやや具体的な動詞のため、中上級レベルの単語として考えられます。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「limp」は、短い単語で接頭語・接尾語がついているわけではありません。
単語全体で「足を引きずる」という意味をもつ単語です。
派生語・類縁語
- limping (動名詞・現在分詞形)
- limped (過去形・過去分詞形)
- limpness (名詞形:元気のなさ、ぐったりしている状態などを表す)
よく使われるコロケーション10選
- walk with a limp
- (足を引きずりながら歩く)
- (足を引きずりながら歩く)
- limp back
- (引きずりながら戻る)
- (引きずりながら戻る)
- limp forward
- (引きずりながら前に進む)
- (引きずりながら前に進む)
- limp badly
- (ひどく足を引きずる)
- (ひどく足を引きずる)
- limp slightly
- (少し足を引きずる)
- (少し足を引きずる)
- limp across the floor
- (床を引きずるように歩いて渡る)
- (床を引きずるように歩いて渡る)
- limp through the game
- (試合をなんとか足を引きずりながら続ける)
- (試合をなんとか足を引きずりながら続ける)
- limp along
- (足を引きずりながら何とか歩く、または物事が停滞気味に進む)
- (足を引きずりながら何とか歩く、または物事が停滞気味に進む)
- limp to the finish line
- (ゴールラインまで何とか足を引きずりながら辿り着く)
- (ゴールラインまで何とか足を引きずりながら辿り着く)
- limp back home
- (家まで足を引きずって帰る)
3. 語源とニュアンス
語源
- 「limp」のはっきりとした語源は不明とされていますが、古英語や古ノルド語で「曲がる」「ねじれる」といった意味を示す語から派生した可能性が示唆されています。
歴史的な使用
- 中世頃から、「足や脚に故障があるため不自由に歩く」という意味が定着してきました。
ニュアンス・使用時の注意点
- 「limp」は痛みやケガを連想させるため、文脈によってはあわれみを感じさせる表現にもなります。
- 日常会話はもちろん、文章中でもカジュアルからフォーマルまで幅広く使われますが、痛みを直接的に連想させるので、状況に合わせて丁寧に使うとよいでしょう。
4. 文法的な特徴と構文
自動詞としての「limp」
- 例: “He limped after twisting his ankle.”
- (彼は足首をひねった後、足を引きずって歩いた。)
- 例: “He limped after twisting his ankle.”
他動詞としての「limp」
- あまり一般的ではありませんが、「〜を引きずりながら運ぶ」のような用例が、ごく稀に見られます。ただし、標準的には自動詞として扱われることが多いです。
名詞としての使われ方
- 例: “He has a noticeable limp.”
- (彼は目立つ足の引きずり方をしている。)
- 例: “He has a noticeable limp.”
イディオム的用法
- “limp along” の形で「停滞しながらもなんとか続く」という比喩的表現で使われることがあります。ビジネスや経済の文脈で、業績が思わしくないが辛うじて続いている状態を表す際に用いられることがあります。
- “limp along” の形で「停滞しながらもなんとか続く」という比喩的表現で使われることがあります。ビジネスや経済の文脈で、業績が思わしくないが辛うじて続いている状態を表す際に用いられることがあります。
5. 実例と例文
日常会話での例文 (3つ)
- “I twisted my ankle yesterday and now I’m limping.”
- 昨日足首をひねってしまって、今は足を引きずって歩いてるの。
- 昨日足首をひねってしまって、今は足を引きずって歩いてるの。
- “Why are you limping? Did you hurt your foot?”
- なんで足を引きずってるの? 足をケガしたの?
- なんで足を引きずってるの? 足をケガしたの?
- “He came limping into the room, so I offered him a seat.”
- 彼が足を引きずりながら部屋に入ってきたから、席を譲ったんだ。
- 彼が足を引きずりながら部屋に入ってきたから、席を譲ったんだ。
ビジネスシーンでの例文 (3つ)
- “Our sales seem to be limping along this quarter.”
- 今期の売上はなんとか停滞気味に推移しているようです。
- 今期の売上はなんとか停滞気味に推移しているようです。
- “If we don’t address these problems, the project will just limp along without real progress.”
- これらの問題に取り組まないと、プロジェクトは実質的な進展もなくただ停滞してしまうでしょう。
- これらの問題に取り組まないと、プロジェクトは実質的な進展もなくただ停滞してしまうでしょう。
- “Despite the challenges, the startup continues to limp along, hoping for new investors.”
- いくつもの困難があるにもかかわらず、そのスタートアップは新しい投資家を見込んでなんとか続けている。
- いくつもの困難があるにもかかわらず、そのスタートアップは新しい投資家を見込んでなんとか続けている。
学術的な文脈での例文 (3つ)
- “The patient began limping after the surgery due to muscle weakness.”
- 手術後、筋力の低下により患者は足を引きずるようになった。
- 手術後、筋力の低下により患者は足を引きずるようになった。
- “Observing the subject’s gait, researchers noted a distinct limp on the right side.”
- 被験者の歩き方を観察したところ、右足を特に引きずっていることがわかった。
- 被験者の歩き方を観察したところ、右足を特に引きずっていることがわかった。
- “Her inability to place weight on her foot properly caused her to limp significantly.”
- 足にしっかりと体重をかけられないことが原因で、彼女は顕著に足を引きずっていた。
- 足にしっかりと体重をかけられないことが原因で、彼女は顕著に足を引きずっていた。
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- hobble (足を引きずる、よろよろ歩く)
- 「limp」よりも、より痛そう、または不安定に歩くイメージがある。
- 「limp」よりも、より痛そう、または不安定に歩くイメージがある。
- stagger (よろめく)
- 痛みというよりも、酔いなどでまっすぐ歩けないイメージ。
- 痛みというよりも、酔いなどでまっすぐ歩けないイメージ。
- shuffle (足を引きずって歩く)
- 足を床に引きずるようにして歩くイメージ。足の痛み以外にも疲れなどが原因の場合も多い。
- 足を床に引きずるようにして歩くイメージ。足の痛み以外にも疲れなどが原因の場合も多い。
反意語 (Antonyms)
- stride (大股で歩く)
- march (きびきびと行進する)
- walk normally (普通に歩く)
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /lɪmp/
- アメリカ英語・イギリス英語ともにほぼ同じ発音です。
- アメリカ英語・イギリス英語ともにほぼ同じ発音です。
- アクセント: 「limp」の1音節目にアクセントがあります(といっても1音節なので明確な区切りはありません)。
- よくある発音ミス:
- 日本語で「リンプ」と伸ばし気味に発音してしまうことがありますが、実際は短く「リィンプ」と言うイメージです。子音の /m/ も明確に発音するとよいでしょう。
- 日本語で「リンプ」と伸ばし気味に発音してしまうことがありますが、実際は短く「リィンプ」と言うイメージです。子音の /m/ も明確に発音するとよいでしょう。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: 同じような音を持つ “lump” (塊) と混同しないように注意。
- limp → /lɪmp/
- lump → /lʌmp/
- limp → /lɪmp/
- 同音異義語との混同: 「limp」は同音異義語が特になく紛らわしさは少ないですが、似たスペリングの単語と誤りやすいので注意しましょう。
- 試験対策: TOEICや英検などでは「足を引きずる」「状況が不安定」のような文脈問題で出る可能性があります。動詞だけではなく名詞形の「a limp」も覚えておきましょう。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “I limp when I have a limp.”
- 動詞形でも名詞形でも使われるので、「足を引きずる」というイメージのワンフレーズで覚えると便利です。
- 動詞形でも名詞形でも使われるので、「足を引きずる」というイメージのワンフレーズで覚えると便利です。
- 「歩き方が
ペコペコ
している(痛そうに歩いている)」イメージを連想すると記憶に残りやすいです。 - 語頭の「l」の音をやわらかく、短くまとめて発音すると自然に英語らしくなります。
以上が、動詞「limp」の詳細な解説です。足のケガをして引きずるような様子や、物事が停滞しながらもなんとか続いていく様子を表す便利な単語なので、ぜひ使いこなしてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
びっこを引く
意味(2)
〈物事が〉ちぐはぐになる,もたつく