元となった辞書の項目
fancy
IPA(発音記号)
解説
以下では、動詞「fancy」をさまざまな観点から詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語・日本語)
- 英語: “to fancy (something or someone)” = “to want something,” “to like or be attracted to someone or something,” “to feel a desire for,” “to imagine.”
- 日本語: 「~がほしいと思う」「~を好む、魅力を感じる」「~を想像する」という意味です。
「I fancy a cup of tea.」というと「紅茶が飲みたい」や「紅茶を欲している」というニュアンスになります。少しカジュアルで感覚的な「好き・欲しい」という表現に使われます。
品詞と活用
- 品詞: 動詞 (他に形容詞、名詞としても使われますが、ここでは動詞として解説します)
- 活用形:
- 現在形: fancy
- 過去形: fancied
- 過去分詞: fancied
- 現在分詞/動名詞: fancying
- 現在形: fancy
他の品詞例
- 形容詞: fancy (例: “a fancy dress” 「華やかなドレス」)
- 名詞: fancy (例: “take a fancy to something” 「何かを気に入る」)
CEFRレベル目安
- B2(中上級): 文脈によっては日常会話や読み物で出てきますが、「like/want」などの基本的な単語では物足りない場面などでも使われやすい単語です。
- B2(中上級): 語彙がかなり身に付いて、自由にコミュニケーションを図れるレベル。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
「fancy」の大もとの語源は「fantasy(幻想)」や「phantasia(ギリシャ語で想像)」に由来します。直接的に接頭語や接尾語が付いているわけではありませんが、「fancy」はイメージとして「想像する・心から欲する」といった意味合いにつながっています。
派生語・類縁語
- fantasy(幻想)
- fantastic(素晴らしい、幻想的な)
- fantasize(空想する)
コロケーション・関連フレーズ(例10個)
- fancy a cup of tea?
- (紅茶はいかが?)
- (紅茶はいかが?)
- fancy doing something
- (何かをしたい気がする)
- (何かをしたい気がする)
- fancy seeing you here!
- (こんなところで会うなんて驚きだ!)
- (こんなところで会うなんて驚きだ!)
- fancy yourself (as) something
- (自分を~だと思いこむ)
- (自分を~だと思いこむ)
- feel fancy towards someone
- (誰かに好意を抱く)
- (誰かに好意を抱く)
- fancy a quick bite
- (軽く何か食べたい気がする)
- (軽く何か食べたい気がする)
- fancy a chat
- (ちょっとおしゃべりしたい)
- (ちょっとおしゃべりしたい)
- fancy something new
- (何か新しいものが欲しい気がする)
- (何か新しいものが欲しい気がする)
- fancy a challenge
- (挑戦したいと思う)
- (挑戦したいと思う)
- fancy a change
- (気分転換したいと思う)
3. 語源とニュアンス
語源
- 中英語の「fantasie」、古フランス語の「fantaisie」、さらにさかのぼるとラテン語「phantasia」、ギリシャ語「φαντασία (phantasía)」=「イメージ、想像」から来ています。
- もともとは「空想する、想像する」という意味合いが強かったところから、「心に描いて欲する」「いいなと思う」というニュアンスに派生しました。
ニュアンス・使用上の注意
- 「fancy」は口語的な場面でよく使われます。「like」や「want」をもう少し感覚的・くだけた表現で言いたいときに便利です。
- 「Would you fancy going out tonight?」は「いかがでしょうか?」「どう思う?」とやや丁寧に誘うニュアンス。
- 英国英語では特にカジュアルに使われる単語で、ちょっとした好みや欲求を表すときに広く用いられます。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞としての用法
- “I fancy a drink.”(飲みたいな)
- 目的語を直接とります。
- “I fancy a drink.”(飲みたいな)
- “fancy + -ing” の形
- “Do you fancy going for a walk?”(散歩に行かない?)
- “Do you fancy going for a walk?”(散歩に行かない?)
- 否定文・疑問文
- “I don’t fancy staying up late.”(夜更かしする気はない)
- “Do you fancy joining me?”(一緒に行きたい?)
- “I don’t fancy staying up late.”(夜更かしする気はない)
フォーマル/カジュアル
- フォーマルな場面よりはカジュアルな場面でよく使われます。ビジネスメールなどかしこまった状況では「would like」などを使うことが多いです。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “Do you fancy a snack?”
- (何か軽く食べたい?)
- (何か軽く食べたい?)
- “I fancy watching a movie tonight.”
- (今夜は映画を観たい気分だな。)
- (今夜は映画を観たい気分だな。)
- “Fancy meeting up later?”
- (後で会わない?)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “I fancy discussing this idea further in tomorrow’s meeting. Would that suit you?”
- (明日の会議でこのアイデアをさらに話し合いたいんですが、大丈夫ですか?)
- (明日の会議でこのアイデアをさらに話し合いたいんですが、大丈夫ですか?)
- “Do you fancy taking on the new project with me?”
- (新しいプロジェクトを私と一緒にやりたいと思いますか?)
- (新しいプロジェクトを私と一緒にやりたいと思いますか?)
- “If you fancy more responsibility, let me know.”
- (もっと責任ある仕事をしたいなら教えてください。)
(3) 学術的な文脈での例文
- “Some scholars fancy that this theory could apply to multiple fields.”
- (この理論は複数の分野に応用できると考える学者もいる。)
- (この理論は複数の分野に応用できると考える学者もいる。)
- “He fancied a new approach to the problem, which led to a breakthrough.”
- (彼は問題に取り組む新しい手法を思いつき、画期的な解決につながった。)
- (彼は問題に取り組む新しい手法を思いつき、画期的な解決につながった。)
- “If you fancy an alternative hypothesis, please present supporting data.”
- (別の仮説を提示したいなら、裏付けとなるデータを示してください。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- like(好む)
- “like”は最もシンプルな「好き」。一方“fancy”は「もっと気分的な好き」というニュアンス。
- “like”は最もシンプルな「好き」。一方“fancy”は「もっと気分的な好き」というニュアンス。
- want(欲しい・~したい)
- “want”は単純に「必要としている、欲している」の意味。
- “want”は単純に「必要としている、欲している」の意味。
- feel like(~したい気がする)
- “feel like”は口語で「~の気分だ」を強調。
- “feel like”は口語で「~の気分だ」を強調。
- desire(強く欲する)
- “desire”はフォーマルかつ強めの「願望」。
- “desire”はフォーマルかつ強めの「願望」。
- be into(~にハマっている)
- “be into”はカジュアルで「趣味などにのめり込む」。
- “be into”はカジュアルで「趣味などにのめり込む」。
反意語
- dislike(嫌う)
- hate(大嫌い)
いずれも「fancy」が持つ「ちょっと気軽な好み・欲求」とは反対の意味合いです。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈfæn.si/
- アクセントは最初の音節「fan」に置きます。
- アクセントは最初の音節「fan」に置きます。
- アメリカ英語: [ˈfæn.si]
- イギリス英語: [ˈfæn.si] (大きな違いはありません)
よくある発音の間違い
- アクセントを後ろに置いて「fan-SY」とならないように注意しましょう。
- /fæn/ の “æ” の発音が曖昧になりやすいので意識するとよいです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペル: 「fancy」は普段あまり混同されにくいですが、形容詞の「fancy」と同じ綴りなので、文脈で見分ける必要があります。
- 同音異義語は特になし。
- テストでよく問われるポイント: イギリス英語圏の会話表現として「fancy + 名詞 / fancy + -ing」の用法を聞かれる場合があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「fancy」は「fantasy(ファンタジー)」と同じ語源。「ちょっと空想して心が動く感じ」とイメージすると覚えやすい。
- 自然な会話で“fancy a...?”「~はいかが?」というフレーズが頻出なので、丸ごと覚えておくと便利です。
- 「気まぐれ・ちょっとした欲求」という柔らかいイメージを持つと感覚的に使いやすくなります。
以上が動詞「fancy」の詳細解説です。日常会話やちょっとカジュアルなシーンで、相手を誘ったり、自分の「今の気分」を表現するときに便利な単語なので、ぜひ“fancy”してみてください。
意味のイメージ
意味(1)
(~を)心に描く,想像する,空想する
意味(2)
~を好む,~を気に入る,~に魅力を感じる,~したい気がする
意味(3)
心に描く,想像する,空想する