元となった辞書の項目
distinctly
IPA(発音記号)
解説
1. 基本情報と概要
単語: distinctly
品詞: 副詞 (Adverb)
意味(英語): clearly, in a way that is easy to understand or recognize
意味(日本語): 明確に、はっきりと
「distinctly」は、「明確に」「はっきりと」といった意味を表す副詞です。たとえば「彼の声がはっきりと聞こえる」のように、主に動作や状態がクリアで分かりやすいことを伝えたい場面で使われます。ニュアンスとしては、「ぼんやりしていない」「曖昧さがない」イメージで、特に「区別できるほどに」という点を強調しています。
活用形
- 副詞のため、原則として活用形はありません。ただし形容詞に変化した場合は以下をご参照ください。
他の品詞形
- 形容詞: distinct (明確な、はっきりした)
- 名詞: distinction (区別、差異)
CEFRレベルの目安
- B2 (中上級): 語彙としては中上級レベル。ややフォーマルな場面での使用にも適しています。
2. 語構成と詳細な意味
- 接頭語 (prefix): なし
- 語幹 (stem):
distinct
- 「はっきりした」「区別できる」という意味をもつ形容詞「distinct」に動詞の修飾を表す副詞の接尾辞
-lyが付いてできた形です。
- 「はっきりした」「区別できる」という意味をもつ形容詞「distinct」に動詞の修飾を表す副詞の接尾辞
- 接尾語 (suffix):
-ly(副詞化)
関連語や派生語
- distinct (形容詞): 明確な、独特の
- distinction (名詞): 区別、差異、優秀さ
- distinguish (動詞): 区別する、人目を引く
よく使われるコロケーション(共起表現)や関連フレーズ10選
- distinctly remember
- 日本語訳: はっきりと覚えている
- 日本語訳: はっきりと覚えている
- hear distinctly
- 日本語訳: はっきりと聞こえる
- 日本語訳: はっきりと聞こえる
- distinctly possible
- 日本語訳: 十分に考えられる (可能性が明確にある)
- 日本語訳: 十分に考えられる (可能性が明確にある)
- distinctly different
- 日本語訳: はっきりと異なる
- 日本語訳: はっきりと異なる
- speak distinctly
- 日本語訳: はっきりと話す
- 日本語訳: はっきりと話す
- distinctly recall
- 日本語訳: はっきりと思い出す
- 日本語訳: はっきりと思い出す
- distinctly aware
- 日本語訳: はっきりと認識している
- 日本語訳: はっきりと認識している
- distinctly British
- 日本語訳: (何かの特徴が) イギリス的である
- 日本語訳: (何かの特徴が) イギリス的である
- distinctly uncomfortable
- 日本語訳: はっきりと不快な (確かな不快感がある)
- 日本語訳: はっきりと不快な (確かな不快感がある)
- be distinctly outlined
- 日本語訳: はっきりと輪郭が示される
3. 語源とニュアンス
- 語源: 「distinct」はラテン語の “distinctus”(区別された)に由来します。そこから派生して副詞形が“distinctly”となっています。
- 歴史的な使い方: 「区別する」「はっきりと分ける」というルーツがあり、古くから「はっきりと見分けられる・聴き分けられる」ニュアンスを伝えるために使われてきました。
- ニュアンスや使用時の注意:
- 「はっきりと・明らかに」という意味合いはやや堅めの響きもあるので、フォーマルな文章でも使いやすいですが、カジュアルな会話の中でも「I distinctly heard that. (確かに聞こえたよ)」のように使われることがあります。
- 曖昧さを排除して「クリアに」強調したい時に用いられます。
- 「はっきりと・明らかに」という意味合いはやや堅めの響きもあるので、フォーマルな文章でも使いやすいですが、カジュアルな会話の中でも「I distinctly heard that. (確かに聞こえたよ)」のように使われることがあります。
4. 文法的な特徴と構文
- 副詞としての使い方: 動詞を修飾したり、文全体を修飾して「明確に」という意味を与えます。
- 例: “She could distinctly see the outline.” (彼女はその輪郭をはっきりと見ることができた)
- 例: “She could distinctly see the outline.” (彼女はその輪郭をはっきりと見ることができた)
- フォーマル/カジュアル:
- フォーマルな文脈: “He expressed his opinions quite distinctly in the meeting.”
- カジュアルな文脈: “I distinctly remember putting my keys here.”
- フォーマルな文脈: “He expressed his opinions quite distinctly in the meeting.”
- 注意点: “distinctly” はあくまで副詞なので、形容詞である “distinct” と混同しないようにしましょう。
5. 実例と例文
(1) 日常会話で使われる例文
- “I distinctly heard someone calling my name.”
- (誰かが私の名前を呼んでいるのをはっきりと聞いたよ)
- (誰かが私の名前を呼んでいるのをはっきりと聞いたよ)
- “You should speak more distinctly so everyone can understand you.”
- (もっとはっきり話したほうがいいよ。そうすればみんなに伝わるから)
- (もっとはっきり話したほうがいいよ。そうすればみんなに伝わるから)
- “I distinctly remember putting my phone on the table, but now it's gone.”
- (テーブルに確かにスマホを置いたのを覚えているのに、今は見当たらない)
(2) ビジネスシーンで使われる例文
- “The manager distinctly stated that deadlines must be met.”
- (マネージャーは締め切りを厳守するようにはっきりと述べました)
- (マネージャーは締め切りを厳守するようにはっきりと述べました)
- “Please outline the key points distinctly in your presentation.”
- (プレゼンで重要なポイントを明確に示してください)
- (プレゼンで重要なポイントを明確に示してください)
- “He distinctly expressed his concerns about the new policy.”
- (彼は新しい方針についての懸念をはっきりと伝えました)
(3) 学術的な文脈で使われる例文
- “The data distinctly show a correlation between the variables.”
- (データは変数間の相関関係をはっきりと示している)
- (データは変数間の相関関係をはっきりと示している)
- “In this study, we aim to distinctly identify the factors affecting climate change.”
- (本研究では、気候変動に影響を与える要因を明確につきとめることを目的とする)
- (本研究では、気候変動に影響を与える要因を明確につきとめることを目的とする)
- “These findings distinctly highlight the need for further research.”
- (これらの発見はさらなる研究の必要性を明確に浮き彫りにしている)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- clearly(明確に)
- “I can clearly see the difference.”
- 「はっきり見て取れる」というニュアンスは似ていますが、
clearly
のほうがややカジュアルです。
- “I can clearly see the difference.”
- plainly(明らかに、わかりやすく)
- “The instructions were plainly stated.”
- やや口語的で、見た目や話し方が「飾り気なくわかりやすい」という感じがあります。
- “The instructions were plainly stated.”
- evidently(明らかに、どうやら)
- “He was evidently upset about the result.”
- 「どうやら〜のようだ」という判断を表すニュアンスが含まれやすいです。
- “He was evidently upset about the result.”
反意語 (Antonyms)
- vaguely(あいまいに)
- “She vaguely remembered the incident.”
- 「ぼんやりと、かすかに」のニュアンスで、「distinctly」の反対にあたります。
- “She vaguely remembered the incident.”
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): /dɪˈstɪŋkt.li/
- アクセント: 第2音節 “stinct” に強勢がきます (dis-TINCT-ly)。
- アメリカ英語とイギリス英語の違い: 大きな違いはありませんが、イギリス英語で母音がやや [ɪ] に寄る場合があります。
- よくある発音ミス: [dɪˈstɪŋk.li] の [k] サウンドをはっきり発音しないと “distinctly” がぼんやり聞こえてしまうことがあります。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
distincly
と “t” を抜かして誤表記してしまうことがあるので注意しましょう。 - 形容詞との区別:
distinct
(形容詞)との混同に要注意。副詞として使いたいときは語尾に “-ly” をつける必要があります。 - 試験対策 (TOEIC, 英検など): 読解問題やリスニング問題で「明確に述べられている」「はっきりと」などの意味として登場する可能性があります。実際の文章中では近義語との言い換えもよく行われます。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- ヒント: “distinct” は「区別(= distinguish)」につながる語根をもっています。「しっかり区別がつく → はっきり・明確に」というイメージで覚えるとわかりやすいです。
- イメージ:「映像のコントラストを上げるイメージ」を持つと良いでしょう。ぼやけていた映像がくっきり見える感じが “distinctly” です。
- 勉強テクニック:
- 例文を音読して、語尾の “-ly” をしっかり発音する練習をしてみましょう。
- 「distinct + ly」で「区別がつくように → 明確に」と結びつけて覚えれば混乱しにくくなります。
- 例文を音読して、語尾の “-ly” をしっかり発音する練習をしてみましょう。
以上が副詞 “distinctly” の詳細解説です。日常会話からビジネス、アカデミックな場面まで幅広く使える表現なので、上手に取り入れてみてください。
意味のイメージ
意味(1)
はっきりと,鮮明に,明確に
意味(2)
確かに,まぎれもなく