元となった辞書の項目
demand
IPA(発音記号)
解説
動詞「demand」の詳細解説
1. 基本情報と概要
英語: demand
品詞: 動詞 (Verb)
意味(英語):
- To ask for something forcefully, claiming it as a right.
- To require something, often because it is necessary.
意味(日本語):
- 「強く要求する」「権利があるとして求める」という意味です。
- 「何らかの必要性や事情から、『~を必要とする』」という意味でも使われます。
たとえば、「自分の権利として何かを強く求める」「相手に何かをするように厳しく求める」など、力強いニュアンスを持った動詞です。
活用形:
- 原形: demand
- 過去形: demanded
- 過去分詞: demanded
- 現在分詞・動名詞: demanding
他の品詞:
- 名詞: a demand (需要、要求)
- 形容詞: demanding (きつい、骨の折れる、要求が多い)
CEFRレベル: B2
- B2(中上級): 複雑な内容を理解したり、自分の意見をはっきり述べるのに必要なレベルです。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- de-: 「下から上へ」もしくは「完全に」など、ラテン語系の派生語でよく見る接頭辞
- mand: ラテン語の “mandare”(命令する、委任する)から
ほかの単語との関連
- command(命令する)
- recommend(勧める)
- mandatory(義務的な)
これらは、語幹の「mand」を共有しています。
よく使われるコロケーション(共起表現)
以下に10個例を挙げます(カッコ内は日本語訳):
- demand an explanation (説明を要求する)
- demand a refund (返金を求める)
- demand justice (正義を要求する)
- demand payment (支払いを要求する)
- demand action (行動を要求する)
- high demand (高い需要) ※名詞の形で
- public demand (公衆の要求・世論の要望) ※名詞の形で
- consumer demand (消費者需要) ※名詞の形で
- demand proof (証拠を求める)
- demand better working conditions (より良い労働条件を要求する)
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語の “dēmandāre” = 「委ねる、命じる」が語源。そこから「強く要求する、権利として主張する」という意味が発展しました。
ニュアンス・使用時の注意
- 「ask」よりもはるかに強い口調・強い要望を示します。
- ビジネスやフォーマルな場面でも使われますが、あまりにきつい印象を与えないよう場面を選んだり、表現を柔らかくしたりする必要があります。
- 口語でも使われますが、やや強めのニュアンスを伴うため、相手の受け取り方を考慮することがポイントです。
4. 文法的な特徴と構文
- 他動詞 (transitive verb): 「demand + 目的語」で「~を要求する」という構文になります。
例)I demand a refund. - that節を伴う構文: 「demand that + 主語 + 動詞の原形」というパターンで、しばしば仮定法(動詞の原形)を使います。
例)He demanded that she apologize.
- この用法は特にフォーマルな文書やビジネス文書でよく見られます。
- この用法は特にフォーマルな文書やビジネス文書でよく見られます。
- demand + to 不定詞
例)They demanded to see the manager.
名詞として使う場合は可算名詞になる場合がありますが、抽象的な「需要」の意味では「uncountable(不可算名詞)」扱いになることもあります。
5. 実例と例文
(1) 日常会話での例文
- “I demand to know what’s going on!”
(何が起きているのか、私は知ることを強く求めるよ!) - “My parents always demand respect from me.”
(両親はいつも私に敬意を払うように強く求めてくるんだ。) - “She demanded that I clean my room before going out.”
(彼女は外出する前に部屋を片付けるよう、強く言ってきたよ。)
(2) ビジネスシーンでの例文
- “The client demanded immediate changes to the design.”
(顧客はデザインの即時修正を強く要求しました。) - “We demand that the supplier deliver the goods by next week.”
(私たちは仕入先に、来週までに品物を届けるよう要求しています。) - “Management demands regular status reports to track progress.”
(マネジメントは進捗状況を把握するために、定期的な報告を求めています。)
(3) 学術的・フォーマルな文脈での例文
- “The new regulations demand rigorous testing of all products.”
(新しい規制はすべての製品に対して厳密なテストを要求します。) - “Researchers demand greater transparency in data collection methods.”
(研究者たちはデータ収集手法のさらなる透明性を求めています。) - “The committee demanded that the institution revise its policies.”
(委員会はその機関にポリシーの改訂を求めました。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語 (Synonyms)
- require(~を必要とする)
- 「必要とする」という意味合いが強調される。やや柔らかい表現。
- 「必要とする」という意味合いが強調される。やや柔らかい表現。
- insist(主張する、言い張る)
- 「強く主張する」がメイン。相手への強制力というより、自分の意志の強さを示す。
- 「強く主張する」がメイン。相手への強制力というより、自分の意志の強さを示す。
- urge(熱心に促す)
- 相手に強い勧めや促しをする。強制的なトーンは「demand」ほどではない。
- 相手に強い勧めや促しをする。強制的なトーンは「demand」ほどではない。
反意語 (Antonyms)
- offer(申し出る)
- 「提供する」「提案する」という意味で、「要求する」とは反対の立場。
- 「提供する」「提案する」という意味で、「要求する」とは反対の立場。
- suggest(提案する)
- 柔らかい提案・示唆をする。押しつけがましさがない。
- 柔らかい提案・示唆をする。押しつけがましさがない。
7. 発音とアクセントの特徴
- IPA(米国): /dɪˈmænd/
- IPA(英国): /dɪˈmɑːnd/
アクセントは “-mand” の部分に置かれます。アメリカ英語では 「マン(d)」、イギリス英語では「マーンド」のように母音が異なります。
よくある間違いとして、アクセント位置を間違えて「démand」とならないように注意してください。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: dernand (誤)、demond (誤) などと打ち間違えがち。
- 同音/類似語との混同: “command” などと読みが似ているが意味が異なるので注意。
- TOEICや英検などの試験で、that節を伴う形(demand that S + 動詞の原形)を問う問題が出やすいです。仮定法現在の用法を特に押さえておく必要があります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「de + mand」と聞いて「手元から放たれた強い命令」のイメージを持つと覚えやすいです。
- 「デ マンド → “で、満足するまで強く要求する”」という語呂合わせ的イメージを持っておくと記憶に残りやすいかもしれません。
- スペリングは「man」と「d」の組み合わせに注意しながら、
de-MAND
と区切って覚えると良いでしょう。
以上が動詞「demand」の詳細解説です。力強い要求や必要性を示す表現であり、一般的な依頼やリクエストよりも強い響きを持ちますので、使う際は慎重に言葉を選ぶと良いでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
〈人が〉(権利として強く)…‘を'求める,せがむ
意味(2)
〈物事が〉…‘を'必要とする,要する(need)