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envy
解説
名詞 “envy” を徹底解説
1. 基本情報と概要
単語: envy
品詞: 名詞 (英語では不可算名詞として扱うことが多いですが、文脈によっては可算名詞としても用いられます)
意味(英語):
- A feeling of discontented or resentful longing aroused by someone else's possessions, qualities, or luck.
意味(日本語):
- 他人が持っているものや状況に対して、うらやましく思ったり、嫉妬したりする気持ち。
「envy」は、「誰かの持っているものや地位・才能などをうらやましいと思う気持ち」を表す単語です。日常的にも使われますが、やや感情的なニュアンスを含む言葉です。「嫉妬」というと少し強い印象を持つこともありますが、単に「うらやましいな」と思う感情から、もう少しネガティブな「ねたみ」に近い意味合いまで幅があります。
活用形
- 名詞: envy (不可算名詞として用いられることが多い)
- 複数形: envies (可算名詞として使用する場合)
- 複数形: envies (可算名詞として使用する場合)
- 動詞: envy (I envy you. = 羨ましい、ねたましいと思う)
- 三人称単数: envies
- 現在分詞: envying
- 過去形 / 過去分詞: envied
- 三人称単数: envies
他の品詞例
- adjective: envious (うらやましそうな、嫉妬している)
- adverb: enviously (うらやましそうに)
難易度(CEFRレベル)
- B2(中上級): 基本的な日常会話を超え、感情をより豊かに表現する上で利用される単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
- 「envy」は、フランス語 envie からの借用ですが、その語源はラテン語の invidia に遡ります。現代英語では接頭語・接尾語を切り離すことがあまり明確ではありません。
関連語や派生語
- envious (形容詞): 妬んでいる、羨ましく思っている
- enviously (副詞): うらやましそうに
- enviable (形容詞): うらやましがられるような
よく使われるコロケーション・関連フレーズ(10個)
- feel envy → 嫉妬を感じる
- be the envy of 〜 → 〜にとって羨望の的である
- out of envy → 嫉妬から
- green with envy → 嫉妬で顔が青くなる(直訳: 緑色になる)、非常にうらやましい
- arouse envy → 妬みを引き起こす
- a pang of envy → 嫉妬の痛み
- stir up envy → 嫉妬をかき立てる
- secret envy → 密かな嫉妬
- envy someone’s success → 誰かの成功を羨む
- burn with envy → 強い嫉妬に駆られる
3. 語源とニュアンス
語源
- ラテン語「invidia」(見ることを阻む、嫌うというニュアンス)→ 古フランス語「envie」→ 中英語「envy」。
- ラテン語 invidia が持つ「~を恨む、羨む」というイメージから、ネガティブな感情を表す単語として現代英語に根付いています。
ニュアンス・使用時の注意
- 「envy」は「嫉妬」や「羨望」を表しますが、「jealousy」と比べると、「持っていないものを欲しい」と思う感情に焦点が当たりやすいと説明されることがあります。
- 使うシーンによっては少し強い感情を示すかもしれません。カジュアルにも使えますが、書き言葉でもフォーマルでも通用する語です。
4. 文法的な特徴と構文
文法上のポイント
- 不可算名詞として扱われることが多い: “I felt envy towards her success.”
- 状況や特定の「嫉妬の対象」ごとに分けられる場合など、可算名詞“envies” として使うことも可能: “He has many envies and grudges.” のように複数形で表す場合もあります。
一般的な構文・イディオム
- “be the envy of 〜”: 「〜の羨望の的になる」
例: “Her new car is the envy of the neighborhood.” - “green with envy”: 「非常に羨ましい気持ち」
例: “I was green with envy when I saw his vacation photos.”
5. 実例と例文
ここでは、場面別にそれぞれ3つずつ例文を挙げます。
A. 日常会話
- “I can’t help feeling a bit of envy when I see your beautiful garden.”
- 「あなたのきれいな庭を見ると、ちょっと羨ましい気持ちになってしまうんだよね。」
- “She looked at his lunch with envy because hers wasn’t as tasty.”
- 「彼女は、彼のお弁当がおいしそうだったので、うらやましそうに見ていた。」
- “Your freedom to travel anywhere makes me green with envy!”
- 「どこへでも自由に旅行できるなんて、本当にうらやましい!」
B. ビジネス
- “The new manager’s success story has generated a ripple of envy among some employees.”
- 「新任マネージャーの成功談は、一部の社員たちの間に少し嫉妬を引き起こしている。」
- “Her ability to close deals quickly is the envy of her colleagues.”
- 「素早く契約を取る彼女の能力は、同僚の羨望の的だ。」
- “There’s no need for envy; we can all learn from one another.”
- 「嫉妬の必要はない。お互いに学び合えばいいんだ。」
C. 学術的・フォーマルな文脈
- “Envy has been studied as a social emotion that can both motivate and discourage individuals in competitive environments.”
- 「嫉妬は、競争環境で人を奮起させる一方、落胆させることもある社会的感情として研究されてきた。」
- “The phenomenon of envy is often discussed in relation to theories of social comparison.”
- 「嫉妬の現象は、社会的比較の理論と関連してしばしば議論される。」
- “In economic psychology, envy is considered a factor influencing consumer behavior.”
- 「経済心理学では、嫉妬は消費者行動に影響を与える要因と考えられている。」
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- jealousy (嫉妬)
- 「envy」とは似ていますが、「jealousy」は、自分の持っているものが他人に奪われるかもしれないという恐れや不安を含む場合が多く、恋愛の文脈でもよく使われます。
- 「envy」とは似ていますが、「jealousy」は、自分の持っているものが他人に奪われるかもしれないという恐れや不安を含む場合が多く、恋愛の文脈でもよく使われます。
- covetousness (強く欲しがること、貧欲)
- 「envy」よりも強い「むさぼり」のニュアンスがあり、宗教的・道徳的な文脈で使われることがあります。
- 「envy」よりも強い「むさぼり」のニュアンスがあり、宗教的・道徳的な文脈で使われることがあります。
- resentment (怨恨、憤慨)
- 「envy」の感情が強まり恨みや憤りに寄った場合、よりネガティブな“resentment”に近づきます。
反意語
- admiration (称賛、憧れ)
- 「envy」とは逆に、純粋に相手を「すごい!」と称える、前向き・ポジティブな気持ち。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号(IPA): /ˈen.vi/
- アクセント: “en” に強勢があります。(EN-vy)
- アメリカ英語とイギリス英語: 基本的な発音はほぼ同じですが、アメリカ英語は /ˈen.vi/、イギリス英語も同様です。ただし、母音の微妙な質が地域によってやや異なることがあります。
- よくある発音ミス: “en”の部分を “in” や “an” のように曖昧に発音してしまうこと。アクセントをしっかり “EN” に置くのがポイントです。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス:
- × “enviy”
- × “envey”
- ○ “envy” (スペルはシンプルですが、yをiにしないよう注意)
- × “enviy”
- 同音異義語との混同: 特に “envy” に同音異義語はありませんが、「N」と「M」を取り違えて “emvy” と書いてしまうミスがあるかもしれません。
- 動詞と名詞で混乱:
- “I envy you.” (動詞)
- “I feel envy.” (名詞)
- “I envy you.” (動詞)
- 試験対策: TOEICや英検では、感情表現の問題や文章読解中に “envy” が登場することがあります。類義語との使い分けに注意を払うと理解が深まります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- 「envy」は「緑」が連想される感情と言われることがあります。例えばイディオム “green with envy”。緑色の “envy” とイメージで関連づけると覚えやすいかもしれません。
- スペルは “e + n + v + y” とシンプルです。
- 「envy」に潜む「v」の形状を “ブーメランのように戻ってくる負の感情” とイメージしてみてもよいでしょう。感情のリターンが自分にきてしまうという覚え方です。
以上が、名詞「envy」の詳しい解説です。誰かの持つ素敵なものや才能を見て「いいな」と思う程度のソフトなニュアンスから、やや強めのねたみまでカバーする懐の深い単語と覚えてくださいね。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉(…の)羨望の的,うらやましい物(人,事)《+of+名》
意味(2)
〈U〉(…に対する)ねたみ,羨望(せんぼう)《+of(at)+名》