元となった辞書の項目
bush
解説
以下では、名詞 “bush” について、できるだけ詳しく解説します。
1. 基本情報と概要
意味(英語 / 日本語)
- 【英語】“bush”
- 【日本語】「低木」「茂み」「やぶ」「(豪州などの)奥地」など
たとえば庭先にある小さな茂みを指したり、オーストラリアの広大な原野を “the bush” と呼んだりします。比較的身近な自然の一部として使われる単語で、場所や文脈によって意味合いが広がります。
品詞
- 名詞 (Noun)
活用形
名詞なので、基本的に複数形 “bushes” が存在します。可算名詞として扱います。
他の品詞形
- 形容詞形 “bushy” …「茂みのような」「(髪や眉が)ふさふさの」の意味になります。
例:He has bushy eyebrows.(彼はふさふさの眉毛をしている。)
CEFRレベルの目安
- A2 (初級): 日常的な自然を表す語彙として、初級~中級レベルでも出てくる単語です。
2. 語構成と詳細な意味
語構成
英語の “bush” は、はっきりとした接頭語・接尾語・語幹に分かれるタイプの単語ではありません。古英語の “bysc” などに由来すると言われていますが、現在の形は一語として認識されています。
派生語や類縁語
- “bushy” (形容詞) … 先述のように「ふさふさした」「茂みの多い」を表す。
- “to beat around the bush” (イディオム) … 「遠回しに言う」「要点をはぐらかす」という意味。
※こちらは後のイディオム解説でも触れます。
よく使われるコロケーションやフレーズ(10個)
- “bush fire” / ブッシュファイヤー(野火)
- “living in the bush” / 奥地(原野)で暮らす
- “a row of bushes” / 茂みの列(庭などで低木が並んだ様子)
- “bush plane” / ブッシュプレーン(過疎地や原野を飛ぶ小型飛行機)
- “bush trail” / 奥地の小道・原野の小道
- “bush walk” / 原野散策
- “bush pilot” / 原野や奥地を飛ぶパイロット
- “native bush” / (その土地に自生する)低木林
- “bush ranger” / (オーストラリア史に登場する)無法者・ならず者
- “beat around the bush” / 回りくどく言う、要点をはぐらかす(イディオム)
3. 語源とニュアンス
語源
“bush” は古英語 “bysc” などに由来するとされ、もともとは「低木」「茂み」を指す言葉だったと考えられています。特にイギリスやオーストラリア、アフリカ地域では「荒涼とした自然の広がる地域」を “the bush” と呼ぶこともあります。
ニュアンスや使用時の注意
- 「低木」「茂み」といった物理的な意味と、「荒野」「奥地」のような広域をイメージさせる意味があり、文脈によって解釈が異なります。
- フォーマルというよりはどちらかと言うとカジュアルで日常的・口語的な単語です。オーストラリア英語圏などでは日常的に “the bush” と言います。
- 「beat around the bush」は非常に一般的なイディオムなので、ぜひ覚えておきたい表現です。
4. 文法的な特徴と構文
- 可算名詞: 「ブッシュ」や「低木」の単体を指す場合、a bush、two bushes のように数えられます。
- “the bush”: オーストラリアなどでは、特定の奥地や茂みの多い原野を指す場合に定冠詞 “the” を伴います。
- イディオム “beat around the bush” は動詞(beat)と前置詞句の組み合わせで慣用的に使われ、意味は「遠回しに言う」「要点を言わない」になります。
- 文章でも会話でも使われますが、特にオーストラリアや南部アフリカなど、地理的文脈がある場で用いられることが多いです。
5. 実例と例文
日常会話
- “There’s a small bush behind the house.”
(家の裏に小さな茂みがあるんだ。) - “Can you trim the bushes in the garden?”
(庭の低木を剪定してくれない?) - “Don’t beat around the bush—just tell me the truth.”
(遠回しに言わないで、はっきり本当のことを言ってよ。)
ビジネス
- “We plan to open a resort near the bush for eco-tourism.”
(エコツーリズムのため、原野の近くにリゾートを開業する予定です。) - “He used his experience living in the bush to develop new outdoor products.”
(彼は奥地で暮らした経験を使って、新しいアウトドア製品を開発した。) - “Let’s not beat around the bush in this meeting; we should address the issues directly.”
(この会議では遠回しな表現はやめて、課題を直接話し合いましょう。)
学術的な文脈
- “The biodiversity within the native bush is of significant ecological interest.”
(その土地に自生する低木林の生物多様性は、重要な生態学的関心事である。) - “Numerous studies examine the effects of bushfires on the local environment.”
(多くの研究が、ブッシュファイヤーが地域環境に与える影響を調査している。) - “Conservation efforts in the bush often focus on protecting endemic species.”
(原野での保護活動は、そこで固有の種を保護することに主眼を置くことが多い。)
6. 類義語・反意語と比較
類義語
- “shrub” / 低木
- 意味: “bush” とほぼ同じく、低木を意味するが、“shrub” のほうが植物学的で少しフォーマル。
- 意味: “bush” とほぼ同じく、低木を意味するが、“shrub” のほうが植物学的で少しフォーマル。
- “hedge” / 生け垣
- 意味: 刈りそろえられた低木の列を指すことが多い。“bush” よりは「区切り」の印象が強い。
反意語
“tree” / 木(大きな幹をもつ高木)
- 木は高木で、bush は低木なので明確に対になりやすいわけではありませんが、形状の対照として比較されることはあります。
7. 発音とアクセントの特徴
- 発音記号 (IPA): [bʊʃ]
- アクセント: 1音節なので強勢は特に意識しなくてOKです。
- アメリカ英語 / イギリス英語: どちらもほぼ同じ [bʊʃ] ですが、地域によって母音の発音が若干長め/短めになることはあります。
- よくある間違い: [buːʃ] のように長音化する間違いがあります。実際は短い [ʊ] です。
8. 学習上の注意点・よくある間違い
- スペルミス: “bush” を “brush” と書き間違える事例が多いです。“brush” は「ブラシ」や「筆」、あるいは「さっと触れる」など全く違う意味になるので注意しましょう。
- 同音異義語との混同: 同音異義語はありませんが、「Bush(ブッシュ)」という姓(大統領の名前など)と混同しないように気をつけます。スペルは同じですが文脈や大文字かどうかで区別します。
- 試験対策: TOEIC・英検でも、自然や環境問題、またはイディオムとして “beat around the bush” が出題されることがあります。
9. 記憶に残るヒントやイメージ
- “bush” のイメージ: もじゃもじゃとした小さい木の集合体を思い浮かべると覚えやすいです。
- スペリングで混乱しないコツ: “u” が一つだけ、最後は “sh” で終わる、と意識しましょう。“brush” にしないように注意!
- イディオム “beat around the bush” は「茂みの周りを棒で叩きまわる」イメージから「回りくどい」という意味が生まれたと説明されることもあり、それを頭に入れておくと忘れにくいです。
以上が名詞 “bush” の詳細な解説です。主に低木や茂みを指し、オーストラリアやアフリカなどでは「自然のままの原野」を指す意味でもよく使われます。カジュアルに使われる単語なので、自然やアウトドアに関する文脈のみならず、イディオムとしても覚えておくとよいでしょう。
意味のイメージ
意味(1)
〈C〉低木(たけが低く根元から多数の小枝が発生している木)
意味(2)
茂る,密生する;〈毛髪などが〉やぶのようになる
意味(3)
〈U〉《the bush》未開墾地,森林地