1. 基本情報と概要

単語: us

品詞: 代名詞 (第一人称複数形の目的格)

意味（英語）: The object pronoun referring to the speaker and at least one other person together.

意味（日本語）: 「私たちを／私たちに」の意味を表す目的格の代名詞です。話し手を含む複数の人たちに対して使われます。「（私たちを）〜する」「（私たちに）〜する」といった文脈で使われます。

「us」は、基本的には話者を含むグループを目的語として示す単語で、「私たち」と言うときの「we」の目的格の形です。たとえば「I gave us some time（私は私たちに時間を与えた）」のように使われます。

• 主格: we
  


• 目的格: us
  


• 所有格形容詞: our
  


• 所有格代名詞: ours
  

CEFRレベルの目安: A1（超初心者）

・日常会話でよく登場する、とても基本的な代名詞です。

2. 語構成と詳細な意味

「us」は古英語の「ūs」に由来し、単純な語形変化の一部なので、接頭語や接尾語を持ちません。同じ語幹を持つ「we / us / our / ours」が一続きの語群です。

関連する代名詞の形

• we（主格）
  


• our（所有格形容詞）
  


• ours（所有格代名詞）
  

よく使われるコロケーションや関連フレーズ（10選）

1. let us + 動詞 …（私たちに〜させてください / 〜しましょう）
   


2. help us with …（私たちを〜で助ける）
   


3. tell us about …（私たちに〜について話す）
   


4. show us how …（私たちにどのように〜するか見せる）
   


5. give us a hand（私たちを手伝う）
   


6. join us for …（〜に私たちと参加する/加わる）
   


7. between us（私たちの間で/内緒で）
   


8. bring us …（私たちに〜を持ってくる）
   


9. ask us to …（私たちに〜するよう頼む）
   


10. come with us（私たちと一緒に来る）

3. 語源とニュアンス

「us」は古英語の「ūs」から来ており、さらにさかのぼるとゲルマン祖語に由来します。文脈としては、話し手が含まれている集団を指すため、仲間意識や連帯感を表すニュアンスが強い場合があります。

• カジュアルかフォーマルか: どちらにも使われますが、命令文で「let us…」はフォーマル、縮約形「let's…」はカジュアルになります。


• 口語か文章か: 日常会話・ビジネス・文章など、広く使われます。

4. 文法的な特徴と構文

• 主格と目的格に注意: 「we」は主語として使われ、「us」は目的語や前置詞の後で使われます。
  
  例:

  
  
  • We are going to the park.（私たちは公園に行きます。）
    
  
  
  • They invited us.（彼らは私たちを招待しました。）
    
  
  



• イディオム的表現: 「Let us + 動詞」は「〜しよう」という提案で、ややフォーマルまたは書き言葉的。 カジュアルには「Let's + 動詞」がよく使われます。

5. 実例と例文

日常会話での例文（3つ）

1. “Could you help us carry these boxes?”
   
   （これらの箱を運ぶのを手伝ってもらえますか？）
   


2. “They gave us a wonderful gift.”
   
   （彼らは私たちにすばらしい贈り物をくれました。）
   


3. “Please wait for us at the entrance.”
   
   （入口で私たちを待っていてください。）

ビジネスシーンでの例文（3つ）

1. “Our clients have asked us to provide a detailed report.”
   
   （顧客は私たちに詳細なレポートを提供するよう依頼してきました。）
   


2. “The manager invited us to the conference.”
   
   （部長は私たちを会議に招待しました。）
   


3. “Let us proceed with the agenda.”
   
   （アジェンダを進めましょう。）

学術的な文脈での例文（3つ）

1. “The professor encouraged us to explore various research methods.”
   
   （教授は私たちにさまざまな研究手法を探求するよう勧めました。）
   


2. “These findings allow us to better understand the data.”
   
   （これらの発見は私たちがデータをよりよく理解することを可能にします。）
   


3. “The speaker asked us to consider the historical context.”
   
   （講演者は私たちに歴史的な文脈を考慮するよう求めました。）

6. 類義語・反意語と比較

• 類義語

  
  
  • We（私たちは）: 同じ第一人称複数ですが「主格」で使われる。
    
  
  
  • Our（私たちの）: 所有を示すときに使われる形容詞形。
    
  
  
  • Ours（私たちのもの）: 所有代名詞。
    
  
  



• 反意語（対比する代名詞）

  
  
  • You（あなた / あなたたち）
    
  
  
  • Them（彼らを / 彼女らを / それらを）
    
  
  

「us」はあくまでも目的格なので、主語として使わない点に注意。主語にしたい場合は「we」を使います。

7. 発音とアクセントの特徴

• 発音記号（IPA）: /ʌs/
  


• 強勢（アクセント）の位置: 単音節なので、特にアクセントの移動はありません。
  


• アメリカ英語とイギリス英語: 両者とも /ʌ/ の音でほぼ同じ発音です（アメリカ英語の方がやや母音が曖昧になりやすい程度）。
  


• よくある発音の間違い: /ʌ/（カタカナで言う「ア」よりも少し口を開く音）を /uː/（ウー）としないように注意が必要です。

8. 学習上の注意点・よくある間違い

1. we と us の混同
   
   
   
   • 主語の場合は「we」、目的語や前置詞の目的語には「us」を使います。
     
   
   


2. 所有格との混同
   
   
   
   • 「our」「ours」と誤って混同しやすいので注意します。
     
   
   


3. 書き言葉 “let us” と口語 “let’s”
   
   
   
   • 場面によって使い分けが必要。フォーマルな文書では “let us”、会話では “let’s” が一般的です。
     
   
   

TOEICや英検などでも、代名詞の格を問う問題で間違えやすいポイントです。

9. 記憶に残るヒントやイメージ

• 「we は主格で『私たちは』、us は目的格で『私たちを／に』」とセットで覚えると混同が減ります。
  


• 「レッツ」という発音（let's）に含まれている “us” を意識すると、私たちと一緒に何かをする というイメージで覚えやすいです。
  


• 単語カードなどで「主格：we / 目的格：us / 所有格形容詞：our / 所有格代名詞：ours」と並べてまとめて覚えるのが効果的です。

「us」は英語学習の初期段階で必ず押さえるべき、とても重要かつ頻出の代名詞です。ポイントを押さえつつ、多くの例文に触れれば自然に身につきます。